キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第263回:映画『ドリーム・シナリオ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ドリーム・シナリオ』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

f:id:captaincinema:20241207185715j:image

イントロダクション

大勢の人々が見る夢に同じ人物が登場するというThis Man(ディス マン)の都市伝説に基づいたであろうスリラー作品。そう言えば今年『THIS MAN』という日本の作品もありましたよね。ブームなのか?

生物学を専門とする大学教授のマシュー(ニコラス・ケイジ)は妻と娘2人と平凡な暮らしを送っていた。しかしある時、夢で自分を見たという人が続出。その数は何百万人にも昇り、彼は一躍時の人となる。注目を集めた事で良い気になるマシュー。念願だった本の出版の話も決まるが事態は急変。夢でマシューに危害を加えられたと訴える人が増え始める。

主演はニコラス・ケイジ。この方のキャリアはハリウッドスターの中でも屈指の面白さがあると思います。『リービング・ラスベガス』(1995年公開)でオスカーを獲得しているかと思えば、『ザ・ロック』(1996年公開)や『コン・エアー』(1997年公開)といった傑作娯楽大作に出演。何だかよく分からないB級アクション系の映画にも多数出演し、ここ最近では『スパイダーマン スパイダーバース』(2018年公開)や『マッシブ・タレント』(2022年公開)等オタクが喜びそうなネタへの出演がみられます。来る仕事は何でも受けますのスタンスなんでしょうか。というわけでアメリカでは今年公開していた『Longlegs』の日本公開が早く決まっておくれ!

貴方の夢にも二コケイが!

「夢にニコラス・ケイジが出てくる」というこの設定の時点で興味啜られる本作。私自身は、ニコラス・ケイジを夢で見た事はないぁ。以前にアナ・デ・アルマスをおんぶしてヤクザから逃げ続ける夢を見たって話を書いた気がしますが、それ以外にも役者が夢に登場した事は多々あります。最近だと阿部寛小池栄子と志尊淳が料理対決をしているTV番組で料理のアシスタントスタッフとして右往左往する夢。小麦粉運んだり、ビーフン混ぜてたわ。なぜこのメンツが夢に出てくるのかは謎です。

最初は今みたいなシンプルなオモシロ&怖い夢の映画かと思っていましたが、そうではありません。これはバズり、炎上し、いつの間にか消えてゆく「普通の人」という現代ネット社会の寓話でした。とにかく何でもエンタメ昇華をし飽きるスピードが恐ろしく早いネット社会。集団で飛びつき、面白がってはチヤホヤしたり、非難し罵詈雑言を浴びせ、飽きたらポイ捨ても同然。その一連の流れでその人の人生や家庭が壊れようが素知らぬ顔というのがネット社会における大衆の姿です。

そんな「大衆」に翻弄される普通のおっさんを二コケイが熱演。注目されたいけど…いやいや本職の研究成果で注目されたいのであって…でも若い子たちにチヤホヤされるのは悪くないなぁ…みたいな葛藤が表現されていました。そりゃ誰だってそうでしょう、インフルエンサーやらYouTuberに対して斜に構えてたって承認欲求が全く無いわけではない。褒められたり尊敬されれば嬉しいに決まってるじゃん!こうした人間のどうしようもない心境に肉薄した映画にもなっていたと思いました。

まとめ

以上が私の見解です。

面白かったですが、オチはちょっとマイルド過ぎたかな。切なさや哀愁を感じるラストよりもっと突き放すような描写で終わって欲しかった気がします。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。