キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第120回:映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密』を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

洋画ファンからの絶大なる支持を受けるメガヒット大作「ハリー・ポッター」シリーズ。そのスピンオフ作品である「ファンタスティック・ビースト」シリーズの3作目になります。っていうか「ハリー・ポッター」の1作目公開から20年以上が経つんですね。俺も年取るわけだ。

魔法動物学者のニュート・スキャマンダ―(エディ・レッドメイン)は、恩師のダンブルドア先生(ジュード・ロウ)依頼を受け、寄せ集めのチームを結成して人間界を滅ぼそうとする黒い魔法使い グリンデンバルド(マッツ・ミケルセン)に挑むことに。その最中でダンブルドアとその家族のある秘密が明かされていく。

監督はデヴィッド・イェーツ。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年公開)以降のシリーズ全てを手掛けている方なので、他の作品で名前を聞いた事がないぞ…。もはやシリーズのお抱え監督ですね。

主演のエディ・レッドメイン(2014年公開『博士と彼女のセオリー』)やジュード・ロウ(2009年公開『シャーロック・ホームズ』)といったメンバーで構成される中、ちょっと関わっている人たちの悪目立ちが否めないのが本作。前作にてグリンデンバルドを演じた絶賛裁判中のジョニー・デップはクビ。今作に出演しているエズラ・ミラーは相次ぐ奇行で警察沙汰に。さらに脚本に携わるシリーズの生みの親 JKローリングの差別発言だったりと前途多難。これはあまり良くないなと思いますね、次回作は大丈夫か?

相変わらず

まず先に申しますと、相変わらずやりたい事とテーマが嚙み合っていない印象を受けました。

そもそも本シリーズ、可愛い魔法動物を描きたいのかダークな魔法戦争を描きたいのかはっきりしないので軸がぶれているというのが観ていて常々思う事。とくに前作「黒い魔法使いの誕生」は急に魔法界と人間界の分断や東洋要素が盛り込まれ、かなりちぐはぐな事になっていたと思います。今作でもそのちぐはぐは解消されておらず、さらに「ご時世」への配慮も拍車をかけて色々詰め込まれた内容になっていました。はっきり言って脚本がダメでしょ。

なんだろうなぁ~純粋なファンタジー映画が観たいのに。以前の記事でも書いたかもしれませんが、今の世の中は目くじらを立てすぎているのでは?そんなに高尚ぶったところで面白い作品が出来るとは思わないです。いや私自身がそういった点に気付き過ぎているのか?もっと無垢な心で観るべきなのかぁ…。

と自分の感情に自信が無くなりそうですが、ただ今回は「麒麟」の存在がキーになるので、「魔法動物」と「魔法戦争」の要素は嚙み合っており前2作よりは比較的楽しみやすくなっていたとは思います。

まとめ

以上が私の見解です。

ちょっとグチグチ文句垂れてる陰険な奴になってますが、もちろん良いと思う部分もありましたよ。

魔法バトルは回を重ねるごとにスタイリッシュに。呪文なんて唱える暇もなく瞬間移動を駆使した機動力戦。誰がどんなアクションをしているかも比較的見やすいし、ちょっとした格闘戦が盛り込まれているのもナイス。いいぞ、もっとやれ!

それとエディ・レッドメインの流麗な演技は白眉。歩き方や視線の動かし方でキャラクターを上手く表現していると思います。こういうのをエンタメ大作で観れちゃうことに贅沢さを感じます。そしてジョニー・デップから役を受け継いだマッツ・ミケルセンも。ちょっとずる賢そうな雰囲気が無くなりましたが、相当気品の溢れる悪党になりました。これはこれで良き。

という事でファンの方の顔色も伺ったところでこの辺でお開きです。ありがとうございました。