キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第172回:映画『ハロウィン THE END』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ハロウィン THE END』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ…いや今回はかなりのネタバレ回になりそうな予感。またスラッシャー映画ですので暴力的表現も登場するので要注意です。

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イントロダクション

ジョン・カーペンター監督による殺人鬼ブギーマンを描く「ハロウィン」シリーズの最終章。1978年のシリーズ1作目から40年後を描いた2018年公開『ハロウィン』とその続編である2021年公開『ハロウィン KILLS』に続く3作目にあたります。

殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズが再びハドンフィールドで殺戮を繰り広げて4年、マイケルの凶行から生き延びたローリー(ジェイミー・リー・カーティス)は孫娘のアリソン(アンディ・マティチャック)と暮らしながらマイケルに囚われ続けた人生から解放しようとしていた。しかし、ある過去を抱えた青年コーリー(ロハン・キャンベル)によって新たな惨劇が発生する。

監督はデヴィッド・ゴードン・グリーンが続投。出演者もジェイミー・リー・カーティスはもちろんですが、アンディ・マティチャックやウィル・パットンも続投です。ジェイミー・リー・カーティスに関しては、やはり今年のオスカーを獲得した『エブリシング・エブリウェア・オールアット・ワンス』ですね。なーんかね、好みの作品でしたけど、あれが作品賞ってのはしっくり来てないんでよね。作品賞らしい風格でいったら『フェイブルマンズ』じゃない?個人的には『逆転のトライアングル』推しだったんですけど。

↓前作についてはこちら。

captaincinema.hatenablog.com

さっさと殺せ!

早速治安の悪い見出しで始まりましたが、思わずこんな気持ちになってしまう内容でした。次世代のブギーマン誕生って感じのプロットは良いですよ。邪悪の継承をなんて心がホクホクしちゃいますし、世の中にどうして凶悪犯が生まれるのかを様々な角度から投げかけるニュアンスにもなっていました。ここらへんの社会的問題とエンタメを絡めてくるのはブラムハウスらしい。ただそこに到達するまでがかなり冗長です。

新しい登場人物、というかコーリー君の背景や恋愛描写はもっとサクサク描けるじゃないか?スラッシャーホラー映画の見せ場であり、観に来ている人の多くが求めているのは人が死んだり不幸になるシーンです。決して不謹慎な事は言ってません、そういうジャンルですから。

なので序盤でコーリー君とひと悶着あるイキったマーチングバンド野郎どもなんてさっさと殺せよ!と思いながらイライラが募る前半でした。いやアイツら延命させすぎでしょ、医者と愛人?看護師殺してる暇じゃないのよ。コーリー君が完全覚醒してからは骸が次々と積まれていきますが、如何せんエンジンが掛かるのが遅いので全体的に見せ場が少ない印象です。前作の開始早々“どいつもこいつも見境なくぶっ殺すぜ、ヤッホー!”のテンションは何だったのでしょう。

そして何といっても本家ブギーマンがしょぼい。不死身の設定が無くなってしまったのか、ヨレヨレした足取りで1キルするのも一苦労という有様。ちょっと力持ちなコスプレお爺ちゃんかよw そんな姿は観たくなかったなぁ。フィナーレらしいカタルシスも少ないのでこれが最終章で良いとは思えないラストでした。

まとめ

以上が私の見解です。

私が観たかったのは、最強人間ハンターとその弟子vsローリー家・警察連合軍による“大乱闘スプラッシュブラザーズEND”ですよ。きっと数十年後にでもリメイク版が出ると思いますが、その時にはそんな光景が観られると良いですね。

ちなみに今作のベスト不謹慎シーンは、切り落とされた舌がレコードプレーヤーの上でグルグルでしょう。ああいうナイス不謹慎が楽しいんだよな。クソガキワンバン落下もなかなかだったけど。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。