キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第37回:Marvelキャラクター キルモンガー の魅力を語る

今回は、映画『ブラックパンサー』(2018年公開)に登場した悪役、キルモンガーについて語りたいと思います。無論語ろうと思ったきっかけはこちらの訃報。

www3.nhk.or.jp

非常に大きなショックを受けました。まさかガンと戦いながら演じていたなんて思ってもみなかったです。残念極まりないですが作品は生き続けます。安らかにお休み下さい。ありがとうございました。

本来であればブラックパンサーの魅力を語るところですが、あの高潔な感じは言語化するより実際ご覧になったほうが早いので、あえてブラックパンサーではなく敵であるキルモンガーを特集することにしました。こういう謎チョイスこそ私のモットーだと思ってるので。

またMCUシリーズの悪役で最も人気があるのは口を揃えて「ロキ」と答える風潮に対する反発でもあります。そりゃロキさんのルックスは超絶イケてるし、「兄貴が苦労しているのは分かるけど、俺は俺で苦労してんだよ!」という全世界の弟の叫びを象徴したようなキャラでした。人気があるのは充分わかりますが、キルモンガーも負けちゃいませんのでネタバレ含め存分に語っていきます。

 

 

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スマホゲーム「マーベルフューチャーファイト」より

 

さらっとキャラ紹介

映画と漫画で設定はちょっと異なるかもしれませんが、映画のほうの設定でご紹介します。本名はエリック・スティーブンス。ネイビーシールズの兵士としてアフガニスタン従軍中に一流の殺人マシーンに。その次々と血祭りあげる様から“キルモンガー”と呼ばれるようになり、除隊後は暗殺や政府転覆などを生業にしています。戦闘スキルはもちろん頭脳明晰。ブラックパンサーことティ・チャラの治めるワカンダ王国をある理由からターゲットとするのでした。

演じるのは『クリード』シリーズのマイケル・B・ジョーダン。先日全米オープンで見事優勝を飾った大坂なおみ選手とちょっと噂になった人でもあります。噂の種は『クリード』の二作目の公開時、誕生日祝いにプレミアに招待したいとラブコールを送ったことでした。半分デートのノリですね。このプレミアムイベントに実際参加したかは存じてませんが、現在はラッパーの方と付き合っている大坂選手。彼とくっついていたら私は歓喜したことでしょう(誰目線だよw)。

ちなみにマイケル・B・ジョーダンは以前にもアメコミキャラクターを演じてましたが、なかったことになっているような気がするのは私だけでしょうか。まぁ触れないでおきましょう。気になる方はチェックしてみてね。

 

「野郎」惚れるルックス

まず魅力の一つがルックス。思わず「野郎」ってタイトル付けちゃいましたが、これを見たら大体の人は惚れるはずです。

 

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後ろのずんぐりした方じゃないですよ。役名は覚えていませんがダニエル・カルーヤという役者さんです。『ゲット・アウト』で一躍有名となった方。あの映画はなかなか面白いアイディアの詰まった作品でしたね。

まぁーそれはさておき、こんな変な髪型なのに色気がすげー。髭が良いアクセントになってます。初登場シーンなんてこの髪型に丸眼鏡というスタイル。私みたいな人間であれば、ただの変な格好した人になるのに、さらっと着飾ってますからね。エグいっす。

また中盤の武装スタイルもいいんですよ。ティ・チャラたちが武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)を尋問しているところを襲撃するシーン。アンダーバレルにグレネードを装着したアサルトライフル(DDM4 MK18って銃らしいです)は個人的に大好物。グレネードランチャーは、ブラックパンサーのハイテクスーツにも有効打になるようで、盛大にぶっ飛ばしてました。また、サブウェポンはガバメント系のハンドガンをチョイスしてるところもポイント高いです。

 

筋の通った動機

映画に登場する悪役は、たいていお金や権力目当てのことが多いです。あるいは無政府主義・破壊論者のようなタイプもちょいちょい見受けられます。現にMCUに登場する悪役たちも、これに該当します。しかし、このキルモンガーさんはそのパターンには当てはめずらい動機を持ったキャラクターでした。

実は彼、ワカンダの王家の血を継ぐ者だったということが後半で明かされます。父はティ・チャラの叔父にあたる人物。この叔父は、アメリカに潜入時に黒人差別の惨状を目にしたことでテロを起こそうと画策し、ティ・チャラの父にあたる人物に殺されていたのでした。父を奪い、スラム街にひとり置き去りにしたワカンダ王族に対する復讐。そして父の人種差別に対する怒りを社会にぶつけるための乗っ取り計画だったのです。

こんな哀しい過去を持った悪役は今までいたでしょか。勿論人殺しやテロは許されない行為ですが、彼自身の怒りと悲しみを知ると納得せざる負えないような気になってきます。これは私にとって共感というより、応援したくなってしまうキャラクターだったのです。

だから生きててほしかった…。結局、ブラックパンサーとの一騎打ちの末にお亡くなりになってしまいます。ブラックパンサーに直接殺されたというより、負った傷の治療を拒んで自ら命を絶ったという結末てました。この最期も意志の固さを感じられますが、お互いの意見が上手く擦り寄って和解をし、次のアベンジャーズ辺りで共闘するシーンでもあるんだろうと勝手に思い込んで終盤を見ていた私にとってはショッキングでしたね。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。以上が私が思うキルモンガーの魅力です。こうした今までとは少し異なるタイプの悪役を描いたことが、マーベル映画で初の米国アカデミー賞作品賞ノミネートに繋がった要因の一つだと感じています。

そんなキルモンガーさんの思いは、しかと心に受け止めました。受け止めたところで何が出来るでもありませんが、

キルモンガー・フォーエヴァー!

と言っておきます。

ということで、ここら辺でお開きです。ありがとうございました。

 

参考:

映画秘宝2020年9月号 双葉社 P.45