今回は現在公開中の映画『ボディビルダー』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

イントロダクション
ボディビルダーとしての栄誉を掴もうと藻掻く男を孤独と狂気を描いたヒューマンドラマ。主演の警察沙汰やストライキの影響を経てついに公開に至った作品です。
アメリカの田舎町で祖父の介護しながら暮らす青年キリアン・マドックス(ジョナサン・メジャース)。両親や友人、恋人の居ない孤独な毎日を過ごす彼だが、一流のボディビルダーとして雑誌の表紙を飾る夢を持っていた。しかし過酷なトレニンーグやドラッグ、上手くいかない人間関係から次第に狂気に憑りつかれていく。
監督はイライジャ・バイナム。『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』(2017年公開)という作品を手掛けているようです。あれか、シャラメが出てるA24のやつか。
主演はジョナサン・メジャース。てっきり警察沙汰以降の作品だと思ってましたが、これ2023年の映画なんですね。つまり2023年以降の出演作はなく、完全にホされてしまっている状況という事なのでしょう。『クリード 過去の逆襲』(2023年公開)でも良い演技をしていただけあって寂しさがあります。その他、『Swallow/スワロウ』(2021年公開)や『マグニフィセント・セブン』(2017年公開)でお馴染みのヘイリー・ベネットが出演しています。
モテたい!
これを言ってしまうと8割ぐらいはネタバレになりそうですが、本作は『ジョーカー』(2019年公開)や『キング・オブ・コメディ』(1982年公開)のような夢を追いかけて闇落ちする根暗男子を描いた作品です。まぁ惹句でも「ボディビルダー版『ジョーカー』」なんてあからさまな事言ってますから周知の事実で良いですかね?そんな作品を観て改めて思ったのはこの手のネタにおける共通の心理状況というのが”とにかくモテたい”気持ちであるという事でした。
何も恋愛的な”モテ”だけではありません。誰かから認められたい気持ちや良き理解者が味方に欲しいというのもモテたい気持ちの一部です。承認欲求ってやつですよね。それは時に人を狂わす劇薬へと変貌します。ステロイドや覚醒剤と同じぐらい危険なわけだ。今作でも期待をしていた相手からの裏切りや夢と現実の差に苛まれ、狂気していく様が丁寧に描かれていきます。狂気が頂点に達したあのダイナーのシーンは凄いですよ。「デブ!ハゲ!ブス!」と小学生レベルの悪口を連呼し、あげく頭突きで車の窓をカチ割るというパキケファロサウルスぶりを炸裂。一周回って笑ってしまうレベルのトチ狂い方が観られます。
しかし『ジョーカー』等の作品とはひと味違った印象を受ける結末を迎えます。堕ちるところまで堕ちはしてますが、あれならまだ希望はあるように個人的には感じられました。頑張れ、陰キャマッチョ!
まとめ
以上が私の見解です。
それにしても"You're so funny!"や"So cool"はやっぱり信用ならない言葉ですね。日本で言えば、それこそ”モテそうなのにぃ~”みたいなやつ。だって心からそう思っている人に対してわざわざそんな事を言う必要がないでしょう。社交辞令、リップサービスが世の中に溢れている事を肝に銘じましょう。
ちなみに私の前に座っていた男3人組。上映終了後、やたらと筋肉についてを話題にしていたので、恐らく映画館の上の階の入っているジムに通っている人たちだと思いました。決してガタイの良い連中ではありませんでしたが、普段から映画を観ているような同胞の雰囲気も感じなかったので。意図せず筋肉好きたちが集う環境が整っているというのは意外な集客が見込めていそうです。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。