今回は現在公開中の映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』について語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

イントロダクション
マット・デイモンが火星で一人ぼっちになる映画『オデッセイ』(2015年公開)の原作「火星の人」で知られるアンディ・ウィアーのSF小説の映画化。原作は日本でも結構ヒットしたようで劇場は満席。観終わった後には”原作はこうで~”みたいな話も良く聞こえてきました。読まないとな。
突如、太陽のエネルギーが低下する現象が発生する。このまま太陽が死滅すれば当然地球環境の終わりを迎える人類存亡の状況。同じようなエネルギーの減退が他の恒星でも発生している中、唯一発生の確認がされていない星が発見される。なぜ無事なのか?その遠く離れた星への現地調査こそが太陽と地球を救う最後の策となった。そんな”神頼み計画”成功への白羽の矢が立ったのが中学教師のグレース(ライアン・ゴズリング)だった。そして地球以外にも母星を救おうとする者は存在し…
監督はフィル・ロード&クリストファー・ミラー。傑作アニメーション映画「スパイダーバース」シリーズを手掛ける天才コンビですね。他にも『LEGO® ムービー』(2014年公開)なんかもやってますから。そう考えるとハン・ソロが主役のスピンオフから降板させたルーカスフィルム及びディズニーは本当に何やってんだって話ですよ。
主演はライアン・ゴズリング。この方で宇宙ものというと『ファースト・マン』(2018年公開)がありました。ニール・アームストロングの映画ですよね。あんまり面白くなかった気がするなぁ…。やっぱり『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(2012年公開)か『ドライヴ』(2011年公開)が良い。『オンリー・ゴッド』(2013年公開)も好きですが。
また『関心領域』や『落下の解剖学』(ともに2023年公開)で記憶に新しいザンドラ・ヒュラーも出演しています。この方、確かイニャリトゥ監督のトム・クルーズが穴掘る映画の出演してるんじゃなかったか?今年中に日本で観られるでしょうか。
一人じゃなかった
あぁ…ダメだよ、こういうバディもの。終盤はひたすら目頭が熱くしながら観ていました。共に謎を解明するための仕事仲間であり友人としての絆が構築されていきますが、この一つの枠に囚われず多面的な関係性が描かれる作品が好きなんですよね。それも今回は人間と異星人。近年の作品でいえば『ロボット・ドリームズ』(2023年公開)の犬とロボットのような種族すら異なる者たちが心を通わせる様にはグッと来ます。それにしても『未知との遭遇』(1977年公開)や『メッセージ』(2016年公開)もそうですが、どうして異星人とのコミュニケーションのシーンってあんなにワクワクするんでしょうね。
恐らくグレースさんは地球に居ても一人ぼっちだったのでしょう。友人や恋人、家族といった人物は一切登場しませんし、彼の口からも語られる事はありません。変人扱いをされ研究職からも追放された経緯もあるので、唯一の心の救いが純粋に科学を楽しんでくれる学校の生徒たちだけだったように見えます。しかし壮大な宇宙に行ったら一人じゃなかった。分かり合える奴が居た…これってめちゃくちゃロマンチックな事じゃないですか。だからこそ彼がある選択を下す結末には大きなカタルシスが感じられました。
また、少数の犠牲をもって多数を救う事が果たして正義なのか?どちらも救う事こそを理想とし模索する事が必要ではないか?という「スパイダーバース」シリーズにも通底するテーマ性も感じられました。その点を含めるとヒーロー映画的な側面をあったのかなと思えます。
まとめ
以上が私の見解です。
今年の万人にオススメできる映画大賞かなと思います。今年といってもまだ3ヶ月ちょっとですが、ここまでクセのない王道ハリウッド大作も久々でしょう。興味が持続する脚本構成やスケールの大きい映像ビジュアル、シリーズものではなく1本でちゃんと完結するので、是非子供たちが観て"映画って面白いな"と思って貰えると良いんじゃないでしょうか。多分ロード&ミラーもそれを狙ってやってそうですし。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。