今回は日比谷・有楽町を中心に開催されていた第37回東京国際映画祭(TIFF)に行ってきましたのでそのレポートでもしようと思います。今後一般上映される可能性もあるかと思いますので、鑑賞した作品の内容については極力触れないようにはしますが、いつも通りややネタバレには注意です。

↓去年についてはこちら
今年のチケット争奪戦
去年から部門ごとにチケット販売の開始時間が分散されたため思っていたよりスムーズに予約が出来ていましたが、今年は更に時間帯の分散化がされた様子。予約画面に一発でアクセス出来るというのは流石にありませんでしたが、目的の作品がものの4~5分粘れば予約が可能でした。スマホとPCのダブルスタンダードで挑む必要も無く、4作品の座席の獲得が出来ました。年々システムが改善されているのは非常に良い点。来年もより予約のし易い環境に期待しています。
DAY1
さて、私の映画祭は11月3日からスタート。とその前にTOHOシネマズ日本橋で『十一人の賊軍』を鑑賞。直接映画祭で観た訳ではありませんでしたが、こちらは今年のオープニング作品になっていたので。
時は戊辰戦争。奥羽越列藩同盟と新政府軍の狭間に揺れる現新潟県に位置する新発田藩。その砦の防衛を任されたのは、即席で集められた罪人たち&忠義に燃える武士。罪人たちは無罪を勝ち取るために奔走。裏では藩存続の絵図を書いてるとも知らずに…
山田孝之が出演しているという事もあり『十三人の刺客』(2010年公開)が頭を過るのは必須な時代劇アクション。概ね面白かったのですが、ちょくちょくノレない部分がありました。まず共闘感が薄くカタルシスが少ない。内輪揉めばかりが目立ち、いざ戦闘に突入しても三々五々に戦ってる印象を受けました。また切腹シーンを始め拍子抜けするシーンも散見。その辺省いてもちっとタイトにまとめられたんじゃないか?
概ね良かったのは役者でもっていた映画だと思えたから。どこかでも書きましたが我が推しの仲野太賀が躍動。まぁ仲野太賀が主演だから観に行った節はありますが、こういうワイルド系もいけるんですね。それと一人だけ明らかにモーションが違う人が居るんですよ、謎の白髪浪人。先述の『十三人の刺客』でいえば松方弘樹ポジション的な問答無用でアガるキャラでした。調べたところ本山力という殺陣師の一面を持つ俳優さん。それこそ『十三人の刺客』にも出ていたらしいですよ。そりゃ一挙手一投足が違うわけだ。
ちなみにTOHOシネマズ日本橋。座席シートがairweaveになってる!これなら長い映画でもお尻が痛くならない。でも今だけかも?暫くするとヘタって反撥力が無くなるでしょうから。今のうちに堪能すべしです。
それでは主戦地有楽町へ…と前に夕飯。酒でも一杯入れてこうかと思いましたが思考が鈍った状態で観るのはいかん。万全を期して挑むに越した事はありません。
会場はTOHOシネマズシャンテ。シャンテ自体に珍しさは覚えません。そりゃ定期的行ってるし。そこで観るのはコンペティション部門の『士官候補生』。士官候補を訓練する学校が舞台で、軍部の暗部を描いた社会派スリラーみたいな映画だと思ってたんですが…あれっ?序盤からホラー演出がバチバチ。まさかの親子が主人公のホラー映画だったのです。いや~ん、もう自分好みの作品を察知する嗅覚の鋭さは本物かもしれない。ただ「ホラー映画」というジャンル映画として捉えると弱冠尺の長さは感じました。
上映後、監督と出演者2名(母親とその母親に協力する刑事を演じてた方)のQ&Aがありました。これですね、映画祭の醍醐味。その中で正当化される暴力によって変化する母と子を描く意図があったと話がありました。個人的には男らしさの呪縛がもう一つテーマとしてあったかなと思いました。
ちなみに上映中に日本語っぽい唸り声が聞こえたんです。普通に映画からの音響が日本語っぽく聞こえただろうと思ったらそうじゃなく、スマホ操作した奴に怒鳴ってたっぽいですね。はぁ…映画祭にまで来てスマホって何しに来てんだ!周りへの迷惑も去ることながら、作り手へのリスペクトが無い奴に観る資格はありませんね。幼少期から出直せ!

↑丁度3人がこちらに手を振ってる瞬間が撮れました、良い写真だ。
DAY2
それでは2日目は、今年で映画祭ラストであろう丸の内TOEIでの鑑賞です。来年の夏には無くなってしまいますから切ない。それは映画祭の会場が一つ無くなる事も意味します。スケジュール具合もだいぶ変わってきそうですね。そこで観るのはコンペティション部門の『死体を埋めろ』。

動物の死体を運搬処理する仕事を生業とする主人公が世紀末な世界を渡り歩くといった作品。食肉が希少、子供が病原菌を広めるらしく島に隔離、ロケットで地球から脱出をしようとしている金持ちたち、そしてTVやラジオでは訳の分からない紅茶を飲ますカルトも登場するアポカリプスな世界が展開…っていやなんすかこれ?w 途中から何を見せられてるか分からなくなる謎体験。『タイタニック』(1997年公開)の使い方といいこれがコンペって奇抜かよw 前日に続き珍作を連チャンで引き当てた気がします。
鑑賞後の監督によるQ&Aでは色使いについての話に納得。赤黒い空や土の色合いが個人的には印象深かったので。それにしても監督さん、よく話される方でした。一つの質問に対する真摯さからきっと良い人なんだろうと思いました。
鑑賞後は空席次第でもう一本ぐらい観ようかとも考えましたが、何だか脳みそが疲れた。それと映画の影響なのか無性に肉が食べたくなったので、ステーキ食って家路につきました。
DAY3
早いもので最終日となります。日比谷に少々早めに到着したので野外上映でも眺めながら時間を潰そうと思ったのですが…おいっ!寒いぞ!とにかく風が冷たく10分程度で撤退です。野外上映に最適な秋が短いんだから仕方ないなぁ。折角の『バッドボーイズ』(1995年公開)も閑古鳥です。
撤退後、時間を濁しながら再びシャンテへ。そこで観たのはワールドフォーカス部門の『チェイン・リアクションズ』。

ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』(1974年公開)を5人の有識者が紐解くフィルムドキュメンタリー。私が今年の映画祭で一番楽しみにしていた作品です。平日ですが結構な入り具合。まぁ私もこの日のために有給休暇を取りましたからね。"悪いけ"絶大なる支持率です。内容に関してはこちらは結構なボリュームになりそうなので、別途用意しようと思います。
鑑賞後、シネスイッチ銀座へと移動。昔一度だけ行った事あったかなぁ。 2階席がある映画館なので迷わず2階席の最前列を選択しましたが、ちょっとスクリーンから遠いわね。昔の映画館って感じでいいですが。こちらで今年の最後を飾る事となるのが同じくワールドフォーカス部門の『叫び』です。
何者かの視線や雰囲気を感じ戦慄する世代が異なる女性3人を描いたスペイン産ホラー作品。プログラムにホラー映画って書いてあり、ホラー映画のドキュメンタリー観た後だから何かホラー映画が観たくなるだろう と思い予約していました。
決して悪い作品では無いのですが、私の今年の映画祭ラストを飾るにはスッキリしない映画でした。特に終わり方には絶句。今尚被害者を出し続ける社会に対する怒りと嘆きの表明でしょうか。そりゃ世間に目を向ければ、女性蔑視も甚だしい方が某国の大統領に就任しますし、この終わりの見えない不条理な暴力に暗澹たる気持ちになりました。それにしてもジジイのバックハグシーン、マジでキショかった。
まとめ
以上、今年の映画祭体験でした。
私、これで3回目の参戦となりましたがこれが終わると同時に今年の終わりが近づいている感覚になります。ほんと早いよなぁ~。労働と映画鑑賞をしている内にあっという間に過ぎていく。こうやって年を取るのかぁ…。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。