今回は現在公開中の映画『テリファー 聖夜の悪夢』を語っていこいと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。
イントロダクション
その残虐非道な描写から途中退席や嘔吐者が続出したというスラッシャー映画「テリファー」シリーズの第三弾。本作なんと全米では売り上げ1位を記録したそうです。何があった、アメリカ。
不気味な見た目と極悪非道な手段で見境なく虐殺を繰り広げるアート・ザ・クラウン(デビッド・ハワード・ソーントン)を倒したシエナ(ローレン・ラベラ)とジョナサン(エリオット・フラム)。トラウマの克服をしようと日常生活を送ろうとするも、無神経な若者たちの好奇の目に晒される日々を送っていた。しかしクリスマスに色付き始めた街にサンタクロースの恰好をしたアート・ザ・クラウンが現れ、再び惨劇の嵐が吹き荒れる。
監督はダミアン・レオーネ。「テリファー」シリーズ一本で全米No1まで昇りつめました。これからも変わらずテリファーで勝負していくのか?ちなみに”ダミアン”は『オーメン』(1976年公開)が大好きなお母さんが名付けた名前だそう。ホラーエリートかよっ!
ちなみにゲスト出演でトム・サヴィーニが降臨しています。スプラッターの特殊メイクといえばこの方というレジェンド。スラッシャー映画の今昔物語がここにあります。
成長を遂げるシリーズ
私、前2作品に関してはそこまで好ましく思えなかったのですが、回を重ねる事に良くなって来ている印象はあります。故にシリーズの中では一番楽しめましたし、シリーズ最高を更新し続けているとも感じました。
何しろアートさんの愛嬌が次第に増していく。めちゃくちゃ凄惨な事やってるのに、節々に見せるその愛嬌に思わず笑みが溢れてしまいます。前作を観た時も思いましたが、声を出さずに爆笑したりおどけたりする様はマネしたくなる。きっと中高生たちが観たら「アート・ザ・クラウンごっこ」がインスタでバズります。年齢制限的観られないのか、残念。さらに喋らないからこその表現力にも磨きが掛かっていました。バーでのサンタコスのおっさんとのやり取りのシーンは、もうセリフが聞こえて来るかのよう。あのシーンは笑顔を届ける者同士の異色共演シーン。ピエロもサンタに憧れるんですね。
しかしスラッシャーシーンや拷問シーンになるとストーリーが停滞する印象は相変わらず。一個一個のシーンがサービス精神旺盛過ぎて、尺が長くなってるんですよね。殺される人たちの耐久性も高すぎるってw。それに暴力描写って実は長々と見せるより、サラッと見せる方が恐怖や不条理さを感じさせるには効果的だと思う節がありまして。だから『悪魔のいけにえ』(1974年公開)って凄いんじゃね?…ってまた”悪いけ”を持ち出してしまいましたが、そうなるとスラッシャー映画ではなくバイオレンス映画的なアプローチになってしまうかもしれませんし、グロ/ゴア映画のガチファンな方々からしたら”いいぞ!もっと見せて!”なスタンスでしょう。サービス精神はどこまでが適切なのか?バランスの難しさがあるように思えました。
まとめ
以上が私の見解です。
私の隣に座ってた外国人お姉さん、アートさんの模したであろうメイクをバッチリキメた方でした。ほんとに人気があるんだなぁと実感。
こうしたガチ勢の方が居るのはこちらも楽しくなるから良いのですが、ホラー映画を観に行くと遅刻入場者が大量なのは何故なのか?TOHOシネマズ新宿はこれが多くて酷い。場内は当たり前ながら暗いので、座席探しにチンタラ。挙句スマホの光らせながら堂々と入って来る奴なんて迷惑千万。なぜチケット記載の時間が上映開始丁度の時刻では無いのかを考えなさい、でなきゃアートさんに殺さ…失礼言葉が過ぎました。やっぱりTOHOシネマズは日本橋か日比谷の方が治安良いです。
最後に私ね、この映画に『タクシードライバー』(1976年公開)要素があったの見逃さなかったぞ。あれは絶対にそうだって。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。