キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第150回:映画『ザ・メニュー』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ザ・メニュー』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。と書きましたが今回はかなり核心に触れそうなので、これからご覧になる予定の方はどうぞお引き取りを。

f:id:captaincinema:20221206191852j:image

イントロダクション

FOXサーチライト・ピク…失礼、サーチライト・ピクチャーズが仕掛けるレストランサスペンス。未だに「FOX」がなくなったのに慣れないよ。

有名シェフであるジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)が料理長を務める孤島の高級レストランにやってきたマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)とタイラー(ニコラス・ホルト)。抜群の味と驚愕のサプライズの料理の数々にタイラーは感動しきりだが、マーゴは違和感を覚える。そして各料理に仕掛けられたサプライズは徐々にエスカレート。裏に隠された秘密やスローヴィクの過去が他の客をも混乱させていく。

主演は『Furiosa(原題)』の公開が待ち遠しいアニャ・テイラー=ジョイと『マッドマックス怒りのデスロード』(2015年公開)のニコラス・ホルトという新旧マッドマックスサーガの2人。対するは『グランドブタペストホテル』(2014年公開)や『キングスマン/ファースト・エージェント』(2021年公開)のレイフ・ファインズ。そういえば差別発言で度々燃えている「ハリポタ」の原作者 J.K.ローリングを擁護するような発言をしてたみたいですけど、大丈夫かいな。

面白いけど・・・

ずばり面白いけど嫌いでした。さぁ何を言ってんだって話かもしれませんが、着眼点は面白かったと思います。カスハラなんて言葉やお客様は神様的な考えが残っていたりするこの時代。お客様至上主義によって潰された思いや誇りをかけた完璧なるメニューを巡るスリラーの言いたい事は分かります。ただ流石に度が過ぎるというか、致し方ない部分もあると思うんですよ。

例えば来店11回目の老夫婦。金に物を言わせるムカつく客なんでしょうけど、食べた料理を覚えてないのは多少は仕方ない気もします。だって人生において一体何回外食する機会があると思ってるんですか。何処で何を食べたかうろ覚えの人の方が案外多いのではないでしょうか。彼らの客としての姿勢以上に食を提供する場が多く、フードロスが問題となる消費社会全体に非がありそう。攻めるべきはそこなので、ターゲットにされる理由としては難ありな気がしました。

これは料理のみならず映画などのコンテンツでも同じだと感じたのが余計に腑に落ちなかったのかも。映画鑑賞を趣味とし毎週のように映画館に行き、映画を観ない1週間はない生活を送っている以上、観た事を忘れている作品だって多々あります。動画配信サービスが充実し各々が独自で作品を製作している事で膨大なコンテンツが溢れかえっているこのご時世。キャパオーバーにも程があるので観た事を忘れていても仕方ないとは思います。まぁ覚えてないってことは自分にとっては必要のない作品だったって事でしょうし。

ちなみにジョン・レグイザモ演じる落ち目な俳優さんもなかなか不憫な理由でターゲットにされちゃってました。そりゃ舐めた態度で作品に向き合う俳優は消えてもらって結構。でもシェフさんよ、それはあなたの個人的感想ですよね?どんな駄作であっても、肯定的な立場の人が少なからず存在するのが作品ってやつです。100人いて100人が嫌いなんて言う作品はたぶん無いです。逆に好きとか言い出す人だっているし。

こうしたサービスを提供する側とされる側の在り方を斜め上から投げかけてくるようなテーマ性。ちょっと乱暴にまとめると双方ともに不快で偉そうな態度は取らないのがあるべき姿ということでしょう。そして1周回って結局一番美味いのはジャンクフードってことも。変に映えとか狙うよりもシンプルイズザベストの精神が大事なのは食にせよ映画せよです。

まとめ

以上が私の見解です。
発想は面白いし決してつまらない作品ではありません。けれど、観に来てる客をどこか小馬鹿にするようなシニカルな感じが嫌いでした。結末も納得いかんし。まぁこういう時もありますね。

ちなみに、あのニコラス・ホルトが演じる通ぶってる奴もウザかったねぇ。ああいう評論家気取りで無駄にこだわりが強いうんちくばら撒き野郎、どの界隈にも居るよね〜。グルメに関しては井之頭を見習え!とは言うも私も気を付けないと。うんちくたれてる時って気持ちよくなっちゃうんだよね。嫌やぁ~同類とか。あと「カリスマ」に見られるの好きね。いや、あなたをヴァルハラに送ってくれる神は単に地平線を見ただけだよw(分かる人にはきっと分かる)

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。