キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第68回:映画『クワイエット・プレイス/破られた沈黙』の感想と考察

今回は、現在公開中の『クワイエット・プレイス/破られた沈黙』について語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

 

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↑「音を立てると、超即死」ってどういうこと~w

 

イントロダクション

音を立てると謎の“何か”に問答無用でぶっ殺される世界を舞台にした2018年公開『クワイエット・プレイス』の続編。主人公のお母さんが、二人の息子と生まれたばっかりの赤ん坊を連れて、新たな新天地を求め過酷な旅へ出ます。

監督は前作同様、ジョン・クラシンスキー。今作の製作にはあのマイケル・ベイが携わっているわけですが、ベイ監督の戦争映画『13時間/ベンガジの秘密の兵士』の主演だった方ですね。この二人、仲良いんだろうな。

そして主演も前作同様、エミリー・ブラント。常時涙で顔がクシャクシャ状態の役どころですが、この方と言えば腕立ての状態でバランスが維持出来ちゃうマッチョな女戦士を好演した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ですね。いやー続編あるみたいな話なんですが、製作が進んでる話の音沙汰はなし。楽しみなんだけどなぁー。

そして今作には『インセプション』や『バットマンビギンズ』でお馴染みのキリアン・マーフィーが準主役ポジションで出演。あまり見慣れない髭面でもカッコいいっす。

 

映画館の「静寂」をより一層

本作、奥行きを使った恐怖演出や小道具による伏線張りの上手さなど見所は様々。しかしそんなポイントうんぬんよりも映画館での映画体験をより映画館らしくしてくれる事が肝だと思います。

まぁこれは前作でもそうでしたが、とにかく静かにしなくちゃいけないことが前提条件のストーリー設定なので、登場人物たちの会話はだいたい囁き声で、会話そのものも少なめな印象。動く時も物音立てないようにそろりそろり。さらに長女は耳が聞こえないキャラクターなので、彼女の視点になったシーンでは完全な無音状態となります。(無音といっても”ボー”という空気が流れていく感覚的な音はあります。これナイス。)

そんな状況下を目の前にすれば、否が応でも観客側も意識せずにはいられなくなっていきます。こうして元々会話や大きな音が禁じられている映画館に、より磨きのかかった静けさが構築されるのです。例えば私の観に行った回だと隣に座っていたカップルのポップコーンを食べる速度の遅さ。ゆっくりつまんでゆっくり咀嚼していることが音で把握出来ました。あの速度じゃ喰いきれんわな。またどこからともなく聞こえる座席に座り直す軋む音もゆっくり。皆、静寂をより意識していることが肌感覚で分かります。

こんな静かな映画なので、いざ“何か”出てくるシーンはバカデカい音で心臓に悪いかと思うとそうでもないんですよね。驚きはしますが、嫌気がささないように音響を絶秒に調整しているのでしょう。

だからこそ私個人の欲を言うならバックミュージックを省いてもっと静寂にしても良かったんじゃないかと。これをやると映画的にはだいぶ盛り上がりに欠けそうですが、世界観の演出が極限レベルに達しそうではあります。

 

まとめ

以上が私の見解です。これは映画館で観ないと感じられない体験です。正直、家で観たら面白さが半減するはず。上質なサウンド&それなりに客の入った会場で観る事をオススメします。ただ、あんまり気にしないで音立てちゃう人と鉢合わせちゃうとアレですが。いつも以上に目立つはずですからね。下手したら最悪な映画体験になりそうです。

最後にまた銃の話を。中盤に登場するショットガンのコッキング片手で出来ねー!なシーンが個人的にお気に入り。敵を前にして“弾が切れた!”なシーンはよく見ますが、弾はあるのに装填が出来ないことでハラハラを演出させているのはちょっと珍しい気がしました。まぁああいう片手でショットガンをコッキングするシチュエーションになったら自分は足に挟んでやります!絶対に無いけどw。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。