キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第251回:映画『エイリアン:ロムルス』感想と考察

今回は現在公開中の映画『エイリアン:ロムルス』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

f:id:captaincinema:20240911220407j:image

イントロダクション

SFホラーの金字塔「エイリアン」シリーズの7作品目(AVPの2作品は除いて)。時系列的には1作目(1979年公開)と2作目(1986年公開)の間となります。

舞台は遠い宇宙の彼方にあるとある惑星。ウェイランド・ユタニ社による不当な労働環境から抜け出し新たな惑星でリスタートをしようとする6人の若者たち。廃墟となった宇宙ステーション「ロムルス」から新天地を目指すために必要な物資を探索していた。しかしそこで彼らを待ち受けていたのは、人間に寄生して異常な速さで進化を遂げる凶暴な生命体"エイリアン”だった。

監督はフェデ・アルバレス。『死霊のはらわた』(2013年公開)や『蜘蛛の巣を払う女』(2018年公開)とリメイク/リブートといった作品を手掛ける中、『ドント・ブリーズ』(2016年公開)という快作も手掛けています。あれも「クワイエット・プレイス」シリーズと同様、映画館という静寂空間を上手く使った作品でした。

主演はケイリー・スピーニー。2023年公開の『プリシラ』でベネツィア国際映画祭主演女優賞を獲得した新鋭。何でも私が下半期公開作品で最も期待している『シビル・ウォー/アメリカ最後の日』に出演しているとか。今作での怯えた表情や凛々しい表情もなかなかスクリーンに映えてましたので俄然期待値が上がりました。

またイザベラ・モナーから芸名を変えたイザベラ・メルセードも出演しています。そう、この方と言えば『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(2018年公開)。ボーダーラインの新作早く出ないかなぁ~。

出来る男、フェデ・アルバレス

何だか色々な所で書いている気がするので未練がましいにも程がありますが、この話には触れないといけない。ニール・ブロムカンプ監督が撮る予定だった幻のバージョンがあった事を。確かあれは『エイリアン:コヴェナント』(2017年公開)の時ですよね、リドリー・スコット御大が自ら撮るって言ったもんだから立ち消えになったという。まぁコヴェナントは結構面白かったんで良いんですけど。

そんな思いを募らせた中での「エイリアン」シリーズ最新作。今回もブロムカンプの名は挙がらず、フェデ・アルバレス監督が抜擢されています。しかしこの監督には割と期待していました。何でも2013年のリメイク版『死霊のはらわた』の監督ですから。今年それについての記事を書きましたが、リメイク作品の中でも指折りの傑作だと思います。その時の良かった点がそのまま本作に引き継がれた、そんな気がしました。

まず設定がほぼ同じ。若者が過酷な現状を脱却しようと行動に出るも更に過酷な地獄に閉じ込められるというティーサバイバルホラー。『ドント・ブリーズ』もこれなので監督のお家芸と呼べるプロットです。またラストに主人公と怪物のタイマンを設けるのも監督の特徴の一つでしょう。やっぱりケリはタイマンで付けるのが映画的なカタルシスが大きいと思います。

こうした作家性を押し出す反面、ファンサービスにも一切抜かりがありません。えっ?シリーズ全部盛り?1作目&2作目のオマージュは絶対あるだろうと思ってましたが『プロメテウス』(2012年公開)まで拾うのは驚き。フェデ・アルバレス、筋金入りのエイリアンオタクだったのかw 自身の作風は曲げずにファンサもしっかりこなす。映画監督としては理想の仕事ぶりと言えそう。アレクサンドル・アジャ監督と並ぶ”リメイク/リブート上手いマン”の称号獲得です。

↓『死霊のはらわた』についてはこちら。

captaincinema.hatenablog.com

まとめ

以上が私の見解です。

なお今作はエイリアン名物、硫酸の体液をフル活用した内容になってました。迂闊に銃や刃物使えず、運悪く道連れにされ兼ねないチート体質。今回登場した冷却兵器はあまり意味を成していなかったので『遊星からの物体X』(1982年公開)と同じで火炎放射がベストです。宇宙からのヤバい生き物は燃やすに限る、覚えておきましょう。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。