キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第83回:映画『アナザーラウンド』感想と考察

今回は現在公開中の『アナザーラウンド』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

 

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イントロダクション

今年の米国アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞したデンマークの作品。「アナザーラウンド」というのは英語で「もう一杯」という意味があるそうです(原題は酒飲みを意味するデンマーク語の「Drnk」)。

主人公のしがない高校教師(マッツ・ミケルセン)とその同僚3人。「血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事やプライベートが上手くいく」というデンマークの哲学者だかが提唱したトンデモ説を実証すべく朝っぱらかたほろ酔いの状態を続ける。最初のうちは上手くいっていたものの、次第に酒量が増えていき…。

主演のマッツ・ミケルセンと言えば“デンマークの至宝”とも評されるイケオジ俳優。『007/カジノロワイヤル』(2006年公開)やドラマシリーズ『ハンニバル』が有名でしょうか。私的にはNetfilx作品の『ポーラ/狙われた暗殺者』(2019年公開)好きなんすよね。ひっそりと続編を待ち望んでいるのですがないかなぁ。

 
人生に乾杯!

イントロダクションのあらすじだけ見ると、単なる酒飲み映画のように聞こえるかもしれません。実際ほろ酔いのおっさん4人が全編に渡りじゃれついているわけだし人ってすぐ調子に乗りますから、物語の顛末は分かりきっていることろはあります。しかし決して飲酒を否定するようなニュアンスでは無く、お酒の楽しさと愚かさがバランス良く描かれています。

お酒が楽しさと愚かさの両面性を兼ね備えているように人生だって同じです。生きていれば楽しいことだけじゃなく辛いことや失敗を経験します。それに主人公たちが感じていた年を取るごとにマンネリ化する日常も致し方ない部分はあるでしょう。それでも人生は続いていきます。くよくよしても仕方ないんですよね。だから時には酒の力を使うも良し。お酒以外でも何か「心酔」出来るモノ、あるいは人と共に気楽にやっていくのが一番良いのかもしれません。

 

まとめ

以上が私の見解です。

全体的な雰囲気も非常に良くて酒が入ってないけどほろ酔い気分になれる作品でした。随所に挟まるドキュメントタッチの映像やゲラゲラではないクスッと笑わせてくる上品さがそう感じる理由だったかと思います。

また、作品を観ていると乗っけから高校生が飲酒をしているので気になって調べたところデンマークでは16歳からお酒の購入が出来るそう(度数16.5%以上は18歳から)。その為、高校生から普通にお酒は嗜んでいるようなのです。作中に登場する高校生はなんと3年生にして1日14〜15杯、調子が良けりゃ週に50杯ってマジかよw。恐るべしデンマーク、日本人と体質が違い過ぎます。なので我々は0.05%維持のマネはしない方が良さそうです。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

余談

以前どこかで「酔う=時間の無駄」と書いた気がするので、私自身のお酒事情をちょっくら語っておきましょう。なぜ無駄だと思うかと言いますと、私酔うと眠くなるタイプなのです。酔うと饒舌になる人って多いと思うんですが、私は残念ながら真逆。眠くなるので口数の少なさに拍車が掛かるというわけです。つまり寝たくなのに眠くなるという自分の意思に反してしまう行為なので時間を無駄した気分になるのです。体質的にも強い方ではないので飲める人が少し羨ましい気持ちもあったりしますね。

なので個人的には本作を観ていても共感という感情は湧かなかったのですが、お酒の強い人やお酒で失敗した事がある人にとっては、思い当たる節もあって結構グサグサ来る内容な気がします。

 

※参考

オスカー受賞作『アナザーラウンド』で知る、デンマークの驚きの飲酒事情|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS