今回は現在公開中の…いやもう終了してるかな。ヒューマントラストシネマ渋谷の「未体験ゾーンの映画たち2022」で1週間限定ぐらいで公開されていた映画『デモニック』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。
↑いや~おしゃれなデザイン。
イントロダクション
夢と現実とVR(仮想空間)が交錯する異色のSFホラー。
母の危篤を知った主人公。働いていた老人ホームを放火して大量殺人を犯した母とは絶縁状態であった。なぜ凄惨な事件を起こしたのか?医療施設から、母の意識へとつながる仮想空間に入って原因を探ぐって欲しいと打診を受けた主人公は仮想空間上で母と再開するも、そこで邪悪な“何か”が母を蝕んでいた。
監督はニール・ブロムカンプ。私この監督の作品、結構好きなんですよ。『第9地区』(2009年公開)『エリジウム』(2013年公開)『チャッピー』(2015年公開)といったい長編作品。それと『Rakka』(2017年公開)等の短編作品も含め、真心こもったグロ描写と唯一無二なテイストのSF映画を連発しています。そんな監督の久々の新作、待ってました!『第9地区』の続編の話が進んでくれる事を祈りつつ、やっぱりどうにかして『エイリアン』のスピンオフは撮って欲しいよなぁと思ってます。
キャストは、う~ん。知らん人しか居ないぞ。ブロムカンプ作品の常連であるシャールト・コプリーはどっかに出てるんじゃないかと探しましたが居なかったですね。
ブロムカンプ作品のビジュアルの良さ
なんで私がブロムカンプ作品が好きかと言いますとズバリそのビジュアルの良さ。今作でもそのビジュアルの良さは発揮されています。
まず、今作のポイントの一つである夢と現実とVRの描き方。「VR」を扱った映画と言えば、2018年公開の『レディー・プレイヤー1』が思い付きますが、こちらの作品の方がより機械仕掛け感があります。ノイズやバグっぽい動き。さらに3人称視点の映像も挟まるので、現実との境界線は分かりやすく表現されています。一方で主人公の見る夢のシーンも度々登場しますが、こちらは定番の現実との境界線が分かりづらいアプローチ方法が取られています。この変幻自在っぷりがなかなか面白かったと思います。
それと一番テンションあがったのが、バチカンが秘密裏に結成したという特殊部隊ですよ。既に厨二病感全開な設定の時点で心ときめきますが、あんなガチ武装のエクソシストなんてちょっと見たことなかったです。全身十字架やらの入れ墨まみれの屈強な男たちだし、銃やコンパウンドボウで対抗するのかい!一歩間違えたらテロリスみたいな方々、萌えるわ~。
まとめ
以上が私の見解です。
なぜもっと大規模に上映されないんすか?面白いのに。大阪の方のシネ・リブール梅田ではこれらから公開っぽいので、そちらの方は観るチャンスがあるのかな。
ただ予算が少なったんだろうというのはひしひしと感じました。本来ならきっとあったであろう盛り上がりのシーンがことごとくカットでしたし、いつものゴア描写もかなり控えめだった印象です。私みたいなブロムカンプ狂いの人間じゃなきゃ「安っぽい!」って見立てをしちゃうんでしょう。もっと出資てあげてよ~!
ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。