キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第111回:映画『ロスバンド』感想と考察

今回は現在公開中の(とは言っても都内だと新宿シネマカリテでしか上映してなさそう)映画『ロスバンド』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

ノルウェー産青春ロードムービーノルウェーの映画は多分初めて観たかもしれませんね。

ドラムが趣味の主人公 グリムは、親友でギター兼ボーカル担当のアクセルと共にノルウェーのロック大会に出場するため練習に励む日々を送っていた。グリムはアクセルの音痴が気になっているも、真実を言い出すことが出来ないでいる。そんな中、念願の大会出場のチケットを手に入れるも、メンバーにベーシストがおらず開催地は遠く離れた街。ベーシストのオーディションにやって来たチェロ奏者の少女ティルダを仲間に加え「ロスバンド」を結成した彼らは、近所に住む名ドライバー マッティンが運転するバンで開催地を目指す。

やはりノルウェーの映画は初めてだった。監督さんも出演者の方も誰一人として存じていませんなんだ…。ということで、いつものように監督や役者についてを語れないですが、時には変に予備知識のない状態で作品に挑めるのもなかなか良いものです。ほら、“あの俳優=あの作品”みたいなのがあったりすると邪魔になる事がありますし。

 

やっぱロードムービー強し

はい、もう個人的には「ロードムービー」の時点勝ち確定案件なわけですが、客観的に観てもきっと多くの人が楽しめる作品だと思います。

まず旅をするメンバーがそれぞれ魅力的。一応喧嘩ばかりの両親にうんざりなドラム担当のグリム君が主人公ですが、他の3人も個性的で主人公として見ても成立していたと思います。ギターは上手いけどかなり音痴、でも自信たっぷりで好きな女の子を落とすことで頭が一杯なアクセル君。まさかのチェロで参戦、しかも結構な腕前のベース担当の女の子ティルダちゃん。そしてある秘密を抱えた意外と面倒見がいい運転担当のマッデン君。どのキャラにもバックグラウンド&葛藤があり、それがバランス良く描かれていたと思いました。

そして、道中で巡り合う人物の面白さこそロードムービーの醍醐味。本作でも、結婚式に送れそうな花嫁(結構ぶっ飛んだキャラ)や定年日を迎えたの警官(1993年公開『フォーリング・ダウン』のロバート・デュヴァルを思い出させるキャラ)、カラオケ大会をしているバーにいた態度のデカいおっさん(実はイイ奴)を始めとした人々と出会います。なんだろう。本作に限らずロードムービーのこうした様々な人との出会いと別れを繰り返しながら目的地に向かう様は、さながら人の一生の凝縮したかのようなんですよね。だからこそ好きなんだよなぁ~。

 

まとめ

以上が私の見解です。

北欧の大自然も良しな爽やかな笑いと感動に包まる良作。もう少し上映してる映画館が増えても良いんじゃないかな?色んな人の目に触れないと勿体無い気がします。

それと観ていて思ったのが邦画でロードムービーってあんまりないですよね。そういった文化があまり定着してないから?いや、小説だと沢木耕太郎の『深夜特急』(舞台は海外だけど)や羽田圭介の『走ル』があったりするんですけど。あっでも今話題の『ドライブ・マイ・カー』にロードムービー要素がありましたね。ザ・ロードムービーって感じの作品は無いけど、要素を含んだ作品は意外とあったりするのか。う~ん、まだまだ修業が足りぬの。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。