キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第122回:意外と侮れないかも!? 日本の漫画原作映画について思うこと

さて、久しぶりに特集を思いつきました。それが日本の漫画原作映画について。ここ最近では『鋼の錬金術師』(2部作公開スタイル好きよね)や『キングダム』(ミスチルの主題歌めちゃくちゃ格好良い)の実写化作品が控えていたり『ゴールデンカムイ』の実写化決定が色んな意味で話題になっていたりと良くも悪くも世間から注目の的になるコンテンツです。今回は原作ありきの映画について私自身が思うところを語っていこうと思います。

まず先に大前提として言っておきますが、私全くと言ってもいいほど漫画は読まない人間。活字は小説と映画雑誌と新聞に触れる程度のいまどき珍しい人種であります。あっでも昔『テルマエ・ロマエ』は読んでましたね。最後までは読んでない気がしますが…とこんな奴がお送りするので、一般的な世論や風潮とは相当かけ離れた変な角度からの内容になると思います。ご容赦を。

 

面白かった作品2選

まず今回のテーマを語ろうと思ったきっかけの作品から紹介しましょう。それが2003年公開『オールド・ボーイ

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韓国の鬼才パク・チャヌク監督が手掛けたクライムサスペンス。何者かに拉致され15年間監禁された主人公のオ・デス(チェ・ミンシク)がその理由と復讐かけてもがく5日間が描かれた作品。韓国映画ながら土屋ガロン嶺岸信明による『ルーズ戦記 オールドボーイ』という日本の漫画が原作となっています。

現在4Kリマスター版が各映画館で上映がされているので私も観て来ました。一度観た事のあった作品ではありますが、やはり何度観ても想像を超えてくる衝撃に襲われます。変態性の極点とも言えそうな卓越したシーンの数々と知っていても突き落とされる絶望的なラスト。もはや狂ってます。特に一昔前に定番だった横スクロールのゲームを思わせるワンカット戦闘シーンが至高。ハンマーってのがね、道具としての野蛮さが出ててたまらん。

こうしたエキセントリックさが評価されたのかカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。2013年にはハリウッドでリメイクがされました。興行的にはどうかは分かりませんが、世界的な評判といった意味では最も成功した日本の漫画原作映画と言えそうです。

 

はい、のっけから韓国映画という異端スタイル。結局邦画じゃないじゃんかとは言わせませんよ。邦画でとなると2016年公開『アイアムアヒーローが私の中では一番な気がします。

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花沢健吾による同名タイトルの漫画を原作としたパニック映画。漫画家アシスタントを生業にしていた陰キャな主人公の鈴木(大泉洋)が、突如として蔓延した謎のウイルスによって狂暴化した人々と相手に生き残りをかけて戦う姿が描かれます。

いわゆるゾンビ映画。邦画にしては珍しいジャンルですが、これがなかなか面白い。序盤のゾンビが広がっていくまでの流れでは、“あぁ日本でゾンビアポカリプスが起きたらこうなるのか”という様がテンポ良く描かれています。銃規制の厳しい国である観点も上手く活かせていると思います。ここが面白過ぎて中盤がだらけて見えてしまうのがちょっと勿体無い気がしますが、ラストには硝煙と流血の凄まじいシーンがあるので結果オーライ。冴えないパンピー感が絶品な大泉洋や寝てばっかりのダウナーJK 有村架純、目がサイコパスにガンギマリなオーバーオールのお兄さん 吉沢悠など個性的な登場人物も楽しい和製版『Dawn of the Dead』な映画でした。

 

共通点

以上2作品を紹介しましたが、共通点があります。

バイオレンスな作品ということは置いておきますが、どちらも私個人が原作漫画があること知らないで鑑賞したということがありました。まぁそりゃそうですよ、先ほども言った通り漫画に関する知見がゼロに等しい人間ですからね。ただその事によってニュートラルな視点で作品と向き合えたというのは大きかったと思うのです。

どうしても原作を読んだ状態だと、原作通りか否かや作品の世界観が表現されているか等様々なチェックポイントが浮かび上がってきます。こうした現象は小説の実写映画でも起きうるものですが、漫画の場合「作画」というより鮮明にイメージが残るスタイルだからこそ観客たちのハードルが上がる一つの要因になっていそうだと思いました。映画鑑賞において予備知識があった方が楽しめたり理解が深まるケースが多いですが、時には「無知」である事が武器になるのかもしれません。

 

まとめ

その他『宮本から君へ』(2019年公開)ミスミソウ』(2018年公開)も面白かったですね。これも原作があるとは知らないで観ましたし、あらっこの2作品もバイオレンス激しめじゃんか…。結局俺ってそういうジャンルが好きなだけなのかぁ。

ともあれ結局何が言いたいかっていうと、どんな作品であっても一旦冷静になって客観的な視点で観てみようということです。意外な発見があるかもしれません。

とは言っても「あの大ヒットコミック○○が原作!」って大々的に広告を打ち出した作品は観る気になれないんですけどね。だってぇ~どうせファンサで金儲けしたいだけに見えるしぃ~。

という本末転倒な本音を言ったところで撤収します。はい、お開きです。ありがとうございました。