キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第142回:映画『マイ・ブロークン・マリコ』感想と考察

またまた久しぶりとなりました。本当は映画『LOVE LIFE』について語ろうと思っていたのですが、上手く文章化が出来なくてですね。こういう時は無理にアウトプットするより、そっと心の中にしまっておこうと思います。時々あるんだよね、感動したのに上手く伝えられない系映画。という事で今回は現在中の映画『マイ・ブローリン・マリコ』について語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

平庫ワカの同名コミックの映画化。漫画に疎い私なので無論未読ですが、たまたま予告を見かけた時に大好物のロードムービーっぽかったので観に行きました。

訪問販売の会社で働く主人公 シイノトモヨ(永野芽郁)は、親友のイカガワマリコ(奈緒)が自死を選んだことをTVのニュースで知る。幼い頃より父親から虐待を受けていた事が原因だと考えたシイノは、マリコの遺骨を両親から強奪し弔いの旅へと踏み出す。

永野芽郁奈緒の他に窪田正孝尾美としのり、𠮷田羊が出演。主要な登場人物が少ないので主役である永野芽郁の一人芝居が多めな印象です。まぁロードムービーってジャンル自体が一人芝居になる傾向ですが、やや柄の悪いキャラ設定も含めて新鮮だった気がしますね。

少し面倒なダチに愛を込めて

開始早々友人の自殺のニュースから始まる本作。親や恋人からの暴力、ブラック企業 といった生きずらい現実も横たわります。そんな中で語られる不良とヤンデレのちょっと面倒な友情は、決して綺麗な記憶だけではなく寧ろ悲しい記憶も多かったり。それでも強い絆で結ばれている事が伺えます。また、友を弔う旅を通して失いつつあった自分を取り戻す“再スタート”が描かれていたので、この点はロードムービーらしくて良かったかと思います。

といったようにストーリー自体は気に入りましたが、細かい部分が引っ掛かりました。まず全体的に台詞がしっくりきません。特に独り言が嘘臭いせいで演技が時々クサく見えたところは残念。原作通りなのかも分かりませんが、映画ならアプローチを変えた方が良いです。煙草スパスパやさぐれ永野芽郁は悪くなかったけどね。また遺骨を強奪してベランダから飛び降りるシーンや終盤の岬でのシーンといったアクションが伴う場面の表現が乏しくも感じました。スロー&無音じゃなくてさ、もっと大胆で疾走感のある動きを見せた方が物語に合ってる気がしました。

まとめ

以上が私の見解です。

つべこべ文句垂れましたが、邦画でロードムービーを観ることは少ないので個人的には収穫だったかなと思います。こういうタイプの映画は是非とも増えてくれれば嬉しいです。

ちなみに作中で登場する映画館、一発で見抜きましたよ。あれは立川シネマシティですね。個人的に再上映作品の有難さNo1の映画館です。『コマンドー』『タクシー・ドライバー』『ダイ・ハード』『プレステージ』の劇場体験が出来たのはあそこのおかげ。『マッド・マックス怒りのデスロード』なんて一体何回観たことか。もちろん通常の新作も幅広いですし、極上爆音なるサウンドにこだわった上映や昭和記念公園も近いので超おススメの映画館です。マリコ、いいセンスだ。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。