キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第112回:映画『ナイル殺人事件』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ナイル殺人事件』について語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

アガサ・クリスティの「ナイルに死す」を原作としたミステリー作品。2017年公開『オリエント急行殺人事件』の続編にあたります。ちなみに私は原作未読、かつ1978年版も2004年版も未見。『オリエント~』の時は原作読了状態でしたが、今回は真っ新で挑みました。

結婚祝いのハネムーンが行われていたナイル川を巡る豪華客船内で殺人事件が発生。知り合いの関係で船に乗り合わせていた名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)は、持ち前の洞察力を活かして捜査を始める。結婚を祝う為に集まった乗客それぞれに「愛」や「富」の関わるきな臭い疑惑が浮かび上がる中、更なる事件が発生する。

監督&主演を務めるのはケネス・ブラナー。出演作だと『TNENT/テネット』(2020年公開)が記憶に新しく、監督作だと賞レースを賑わす『ベルファスト』が日本で来月公開予定だったりと結構話題豊富な方。あっ『マイティ・ソー』(2011年公開)も監督してたっけか。

その他ガル・ガドット(2017年公開『ワンダー・ウーマン』)やレティ―シャ・ライト(2018年公開『ブラック・パンサー』)等出演していますが、注目は『君の名前で僕を呼んで』(2017年公開)や『ビリーブ/未来への大逆転』(2018年公開)のアーミー・ハマーが出ていること。SNSでの不適切発言や性的暴行疑惑によって出演の決まっていた作品を相次いで降板する事態になり、ほぼ干されたも同然な状況の俳優さん。本作が長らくの公開延期(正直存在忘れかけてたわ)にも関係しているとかいないとか。っていうか『ウエスト・サイド・ストーリー』の出演者に関してあれだけ騒いでいた方々はどこ吹く風か。こっちの方は非を認めてカウンセリング施設だかに入ってましたが、まさか知らないとは言わせませんよ…って喧嘩を売るのは良くないですね。まぁ私結構アーミー・ハマーは好きだったので、残念な気持ちがちらつきながら観てました。

 

サービス精神

今作は『オリエント~』の徹頭徹尾ミステリーだったのとは異なり、様々なジャンルの片鱗を見せるサービス精神旺盛な内容となっていました。

まず予想していなかった戦争描写で上映スタート。このシーンが名探偵ポアロ誕生の秘密になっているわけですが、始まった瞬間“あれっ?上映スクリーン間違ったか”と思いました。

その後の序盤はダンス&エジプトの観光地を巡る華やかな映像が展開。ピラミッド等の観光名所が明らかにCGだったのは残念でしたが、ダンスシーンは圧巻。情熱を通り越して熱狂的。あのシーンの時点で危険な香りムンムンなのが良かったです。

そして中盤あたりから本題のミステリーへ突入。ここからはおびただしい会話と積み重なる悲劇の連打でラストまで突っ走ってました。

というなんとも不思議な構図の作品。色々魅せてくれるのでお腹いっぱいにはなりましたが、肝心のミステリー要素がやや弱くなっている印象は受けました。まぁ面白かったから良いんですけど、次回作があるならどっぷりミステリーに浸れるものに仕上がっていて欲しいです。

 

まとめ

以上が私の見解です。

いや~色恋と金は人を醜くしますねぇ。どちらも程々が一番。まぁ私にはどっちもねぇけどさw。

それと、エンドクレジットの最後に「コダック」のロゴが。おぉ、つまりフィルムを使って撮影していたという事ですね。長回しやシンメトリーな映像も多いので、結構こだわって撮影しているのが分かります。配信スルーにならず映画館で観られて良かった。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。