キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第25回:梅雨なので「雨」が印象的な映画を語る

はぁー梅雨ですね。この季節が好きな人なんて恐らくいないでしょう。湿気で不快。外に出れば傘は邪魔だし靴は濡れる。そろそろ終わるのかもしれませんが、ホントいけ好かない季節です。ということで、あえて雨が印象的に使われている映画をテキトーに語って憂さ晴らしでもしようと思います。

 

雨に唄えば』(1952年公開)

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まず「雨」と言ったら、真っ先に思い付く作品。サイレントからトーキーへと変わる映画界の過渡期を舞台に主人公のスター俳優(ジーン・ケリー)と駆け出しの女優(デビー・レイノルズ)の恋愛模様を描いたミュージカル。

雨のシーンは中盤ぐらいに登場します。映画のテーマソングでもある『Singing in the rain』を唄いながら傘もささずに水たまりでバシャバシャと踊り狂う。そして有名な街灯につかまるシーンが登場します。あんなに雨の中で楽しそうに出来たら、梅雨なんてたいした悩みじゃないでしょうね。このシーン以外にも、アクション映画のスタントマンばりの抜群の身体能力を活かしたダンスシーンは圧巻。何度見ても新鮮味のある快作です。

しかしこれを見ると、どうしても脳裏によぎり純粋な気持ちで見られなくなるのが『時計仕掛けのオレンジ』(1971年公開)の存在。見たことある人ならきっと分かるでしょう。言葉で説明するのは気が引ける残酷無比なシーンで主人公が口ずさむのが「Singing in the rain」。そりゃ主人公を演じたマルコム・マクダウェルジーン・ケリーにガン無視されるわw

 

ブレードランナー』(1982年公開)

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こちらはSF映画の名作と同時に「雨」映画でも屈指の名作でしょう。フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を原作とした作品。植民地の惑星から脱走したレプリカント(人造人間のこと)とその処理を任された捜査官(ハリソン・フォード)の攻防を描いています。

舞台は2019年(去年がアニバーサリーイヤーでした)のロサンゼルス。退廃した高層ビル群には酸性雨は降りしきっています。この雨は作品を通して降り続けます。いわゆる「フィルムノワール」と呼ばれる世界観を冷たく重々しい雨が表現しているのです。

また、脱走したレプリカント達のリーダー、ロイ・バッティがラストで見せる雨の中で流す涙は名シーンです。このシーンはロイを演じたルドガー・ハウアーのアドリブだったというのはどこかで聞いた気がしますが、おかげでエモーショナルなシーンになっています。

ちなみに本作の続編にあたるブレードランナー2049』(2018年公開)においては、勿論雨のシーンもありましたが、個人的にはラストの雪のシーンは非常に印象深いんですよね。あれは何回見ても心にジーンと来る。あっ、冬にでもなったら「雪」が印象深い映画でも語りますか。ちょっと他にあったか思い出してみなくては。

 

ジュラシック・パーク』(1993年公開)

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私のブログでは2度目の登場です。今作の雨のシーンと言えばティラノサウルス登場シーンです。電力がストップしたことで、恐竜たちがのさばる園内に取り残された主人公たち。外は嵐による大雨なので、車の中で待機を余儀なくされています。そこにドスン…ドスン…と地響きが。地響きがするたびに水の入ったグラスの水面が揺れます。更に、餌として置いていたヤギがいつの間にかいなくなっています。

マズい…。そんな緊張感をたっぷり盛り込んでから満を持してご登場というわけです。

ガキだった頃の当時は「やっとティラノ出た!かっけ~」という超単純な感じでしか見ていませんでしたが、今見ると濡れた窓に閃くティラノサウルスの目や食われたヤギの残骸が頭上から落ちてくるなど、かなり恐ろしい演出が施されていると感じます。我ながらよく怖がらずに見てたもんだ。

 

 

『マイティー・ソー』(2011年公開)

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MCUシリーズの4作目。北欧神話の雷神をモデルにしたヒーロー、ソー(クリス・ヘムズワース)の活躍を描いた作品です。こちらは雨に打たれるクリヘムがクソ格好良いので選出。

序盤のほうでしたかね。自分の武器であるムジョルニアのハンマーを取り戻すため、平和維持組織(SEALED)の野営地に単身突撃をするクリヘム。見事ムジョルニアのある場所にたどり着きます。しかし、訳あって力を失った状態の彼に持ち上げることは出来ません。

雨に打たれる中で絶望。ストーリー的には残念なシーンですが、クリヘムの筋肉から滴り落ちる雨粒といったら至極。水の滴るイイ男ってやつです。

またこの状況を高台から見下ろし、弓を射る合図を待つホークアイも格好良かった。ホークアイアベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年公開)でも雨に濡れてましたが、イケメンと雨って相性抜群なんです。

 

『パラサイト/半地下の家族』(2019年公開)

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現在も公開中の韓国映画。今年の米国アカデミー賞で作品賞を獲得した作品です。雨は中盤に登場。だだっ広い庭に降り注ぐ土砂降りの雨のシーンを境に、ブラックユーモアをはらんだコメディからサスペンスへとガラッと表情を変えます。このツイストにはやられましたね。またこの雨は、貧富の差を浮き彫りにする決定的な要素となって、ラストに待ち受ける思わぬ展開へと繋がっていくのです。

そういえば本作を監督したポン・ジュノの作品殺人の追憶』(2003年公開)も「雨」が印象的でした。もしかしたらポン・ジュノ監督は雨を描くことを探求している人なのかもしれませんね。

 

『天気の子』(2019年公開)

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『君の名は』(2016年公開)を大ヒットさせた新海誠監督の作品。ある島から東京に飛び出してきた少年と天に祈りを捧げるだけで天気を晴れにしてしまう不思議な能力を持った少女の青春を描いています。

こちらも『ブレードランナー』と同じくひたすら雨が降りまくってました。雨のせいで最終的にヤバいことになってしまいますからね。ああなったら日本経済は機能しないだろうなぁ。

私自身、新海誠の作品は今作と『君の名は』しか見たことがないのであまり偉そうなことは言えませんが、この2作品で注目したのが「水」の表現の仕方です。今まで私が見てきたアニメーション作品の中では、最も「潤い」を感じられました。風景にみずみずしさがあるせいか、キャラクターが生き生きして見えたのです。これは『君の名は』を見た時にも感じたこと。新海誠監督は、如何にしてアニメーションで「水」をリアルに表現するかを追求しているのかもしれません。

ちなみに『ブレードランナー』の街の景観は、新宿歌舞伎町をモデルにしていると監督をしたリドリー・スコット自身が発言しています。『天気の子』が新宿・代々木周辺を舞台にストーリー展開することもあって、個人的には今作と『ブレードランナー』は少しリンクをした作品なんですよね。

 

 まとめ

その他

プライベートライアン』(1998年公開)の市街地でのスナイパー戦。

マディソン郡の橋』(1995年公開)のラストシーン。

『恐怖の報酬』(1977年公開)の吊り橋をトラックで渡るシール。

スパイダーマン』(2002年公開)の逆さキスシーン。

Jホラーの代表作『リング』(2002年公開)のハリウッドリメイク版なんかも、ずっと雨が降ってた覚えがあったりと映画の中の「雨」は晴れてるシーンに比べて圧倒的に印象深いのは間違いないと思います。

雨のシーンって物語の流れにおいて起承転結で言えば「転」にあたるシーンで用いられたり、キャラクターの感情に変化があるシーンで使われることがあるから印象深いのかもしれません。まぁ結局は自分自身が好きなだけなんでしょうけど。

映画に登場する雨は好きだけど…でもやっぱり現実の雨は好きじゃねーや!

それではここら辺でお開きです。ありがとうございました。