キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第84回:映画『レミニセンス』感想と考察

今回は現在公開中の映画『レミニセンス』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

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↑このデザイン『インセプション』と『ブレードランナー』を足して2で割った雰囲気で良いっすね。あれっヒュー・ジャックマンって左利きなんだ。

 

イントロダクション

ダークナイト』や『インターステラー』で脚本を担当したクリストファー・ノーラン監督の弟ジョナサン・ノーランが製作に携わっている事が何だか大々的に宣伝されているSFサスペンス。記憶がテーマになっている事もあるからでしょうけど。

主人公(ヒュー・ジャックマン)は人の記憶を空間的な映像に再現をする記憶潜入エージェント。ある日、なくした家の鍵を探し出す為に記憶を探って欲しいと女性(レベッカ・ファーガソン)が依頼をしに来る。その女性に一目惚れした主人公。イイ感じに関係を築き上げていくも突如として彼女は姿を消す。一体何処へ行ったのか?行方を追ううちに彼女が街を牛耳る権力者たちの陰謀に関わっていることが判明してくる。

主演は筋肉モリモリで歌うまという何でも出来ちゃう俳優ヒュー・ジャックマン。『X-MEN』シリーズのウルヴァリンは勿論好きですが、『イーグル・ジャンプ』(2016年公開)の飲んだくれコーチも結構お気に入り。そう言えばクリストファー・ノーラン監督の『プレステージ』(2006年公開)にも出てました。

そしてヒロインを演じるレベッカ・ファーガソンとは『グレイテストショーマン』(2017年公開)での共演歴あり(あの時も歌手役でしたね)。この女優さんと言えば『ミッションインポッシブル』シリーズに登場する英国スパイのイルサ役が有名でしょう。とにかくカッコ良いので、2010年代を代表する女性キャラクターの一人と言っても過言ではありません。

 

その選択はあり?

本作の一番の見所は、やはりラストだと思います。

彼女が姿を消した真相に辿り着いた主人公。意外って程でもないその真相に深く絶望をし、ある方法を持って過去を生きる事を選択するのです。一応未来(というか現実)を選択する人も描かれており、どちらを選ぶのも間違いではない事を示唆しています。しかしどこか消極的というか未練がましい印象を受けました。私個人としてもあまり過去に浸って生きたくないんですよね。かと言って未来に期待し過ぎるのも違う気がしますし、結局大事なのは「今」だと思っていますから。

このメッセージ。水没した街の感じと少々違えど人の頭の中を探る設定が似ているせいで、どうしても見比べてしまう『インセプション』(2010年公開)とは真逆に感じました。『インセプション』は目の前にしている今この瞬間にこそ価値があるんだという事を述べた作品だと解釈しているので。

「意外って程でもない」とか「未練がましい」と何だかディスってるような言葉遣いをしてますが、作品としては充分面白かったですよ。個人的にメッセージが刺さらなかっただけなので、まぁ人を選ぶかなという感じです。

 

captaincinema.hatenablog.com

↑『インセプション』についてはこちら。

まとめ

以上が私の見解です。

本作を一言で現すなら典型的なファム・ファタールのスタイルにSF的な捻りを加えた作品です(ネオ・ノワールってやつだな)。よって「ノーラン作品」特有の難解なストーリーや奇抜な映像はありませんので、その潜入観を持って観てしまうと響くはずのメッセージも取りこぼしてしまうかもしれません。くれぐれも「ノーラン」という字ずらに惑わされない事をおすすめします。

あと恒例の武器について。中盤にぼちぼち派手な銃撃戦がありますが、その時のチャイニーズマフィアのドンが『男たちの挽歌』シリーズよろしく2丁拳銃をやってます。ここ最近の映画じゃあんまり観ないよね、2丁拳銃(今年だと『ガンズ・アキンボ』はあったけど)。使用拳銃もゴリゴリに装飾した金色のベレッタ(1997年公開『フェイス/オフ』でニコケイが使ってたM1911に似てるデザイン)。監督さん、メッセージ性やファム・ファタールのチョイスといいきっと懐古趣味ですね。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。