キャプテン・シネマの奮闘記

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第114回:映画『ザ・バットマン』感想と考察

今回は現在公開中の『ザ・バットマン』について語っていこうと思います。毎度のことならが、ややネタバレ注意です。

 

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顔・圧

イントロダクション

DCコミックスの人気キャラクターで幾度となく映像化されてきたヒーロー バットマンを主人公にしたサスペンスアクション。

大富豪の御曹司ブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は、幼い頃に両親を失った過去によって生み出された悪人に対する復讐心から“バットマン”として夜な夜な犯罪者狩りを行っていた。そんな中、現ゴッサム市長が殺害され犯行現場には「なぞなぞ」が残されていた。バットマンとゴードン警部補(ジェフリー・ライト)は捜査を開始するもやがて街に蔓延る腐敗やブルースの過去と対峙していくことになる。

監督はマット・リーヴス。リメイク版の「猿の惑星」2作品(2014年&2017年公開)や『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年公開)を手掛けている監督。私個人としては安定感のある監督さんという印象があります。なのでバットマンを撮るというニュースを目にした時点で、まず失敗する事は無いだろうと思っていました。(なんか偉そうw)

今回のバットマンは、『TENET/テネット』(2020年公開)のロバート・パティンソンが不健康そうな顔で熱演。「トワイライト」シリーズの時の色白とは違って、絶対不眠症なやつれ具合。っていうか去年日本で公開した『ライトハウス』や『グッド・タイム』(2017年公開)といい、決して健康そうには見えない生活環境の人物を演じてることが多い気がするぞ。

その他ポール・ダノ(2007年公開『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』)、コリン・ファレル(2002年公開『フォン・ブース』)、ゾーイ・クラヴィッツ(2015年公開『マッド・マックス 怒りのデスロード』)等が出演。地味にピーター・サースガード(2009年公開『エスター』)が出てるのがお得感ありました。

 

敵は「街」そのもの

今回のバットマン映画のテーマは小見出しの通り。『ダークナイト』(2008年公開)でもその要素してはありましたが、今作ではそれがより深く感じるようになっていたかと思います。

舞台となるバットマンが活動する街 ゴッサムシティは政治腐敗や汚職、麻薬、暴力が蔓延。子育て世帯や独身女性には絶対人気ない街だろう荒廃っぷりです。それを悲しむかのように全編に渡って降りしきる雨がフィルムノワールの様相を引き立たせます。今作のヴィランとなるなぞなぞ男リドラーバットマンとの絶妙な距離感を繰り広げるキャットウーマンはそんな「街」によって人生を狂わされた人に過ぎないように感じられます。それに復讐を原動力としているベクトルは復讐心で悪を成敗しようとするバットマンと同じ。

彼らの存在を知ったバットマンは、街を救うために必要なのは復讐心ではなく希望である事を悟っていきます。終盤の発煙筒を掲げて人々先導していく姿や、朝焼けをバックに怪我人に手を差し伸べる姿は希望を象徴する非常に印象深かいシーンでした。

 

まとめ

以上が私の見解です。

復讐から希望へとシフトするリーヴス版「ビギンズ」。サスペンス要素よりもヒューマンドラマ味が強く感じられたのもポイント。特に執事のアルフレッド(アンディ・サーキスの元軍人感が良き)との絆に胸アツ。続編ではこの二人の関係性にもっとフォーカスして欲しいですね。

ただ全体的にカッコ良さに舵を振り切っていて、ガジェットに遊び心が無かったのは残念。特にバットモービルは超絶カッコ良いデザイン(ちょっと「マッドマックス」のインターセプターっぽかったよ)だったのに、頑丈だけが取り柄にしか感じられなかったからな。あんなデカいエンジン積んで速そうに見えてそうでも無いってものね。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

バットマン関連作についてはこちら。

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