キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第60回:続編映画特集

さて、ここ最近公開中の映画ばかりを語ることが多くなっていましたが、久々に視点を変えてみようと思います。扱うテーマは続編映画。いわゆる“ツー”って呼ばれる作品たち。シリーズものの明暗を決める「2番手」たちの世界を語っていきます。

 

 

はじめに〜続編は難しい〜

まず、私の続編映画に対する気持ちですが「前作を超えることは難しいでしょ」が基本姿勢です。何故なら割とどのシリーズ作品においても「原点にして頂点」が多い気がしているからです。たいてい主人公は同じなので、キャラクターに新鮮味を感じるということもありませんし、前作で観た事ある展開などによる既視感のせいで前作を超える感動が味わえなかったりと理由は色々とあります。

例えば『ジュラシックパーク』。“ワールド”シリーズも含めると5作品ありますが、やはり1作目のイメージが最も強いですし、世間的に見てもそんな気がしています。また『プレデター』(1作目はシュワだもんなw)や『96時間』(1作目のあのシンプルさが良かったのに)、『ダイハード』(1作目はシリーズ史上どころかアクション映画史上でも最高レベルでは)シリーズなんかもその印象。さらに『ジョーズ』や『悪魔のいけにえ』、『SAW/ソウ』のシリーズに関しては“あれに続編いるのかな…?”という疑念から私、まだ観たことがありません(お好きな方と作り手の皆さん、すんません)。なんなら私の中では『ハリーポッター』や『パイレーツオブカリビアン』も1作目が最も面白いという価値観があります。

なので「〇〇○の続編決定」なるネットニュースを見かけると、どんな映画であっても期待半分・モヤモヤ半分ってことが多いです。

 

個人的に好きな続編映画たち

しかし、そんなジンクスだと思っているこの壁を突発するエグい作品が世の中には存在します。具体的に3作品挙げてみましょう。

 

ダークナイト

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2008年に公開したアメコミヒーロー、バットマンの活躍を描いたクリストファー・ノーラン監督版の2作目。

前作『バットマン ビギンズ』(2006年公開)もリアリティーの路線を追求していたものの、比較的王道ヒーロー映画としてのスタイルは保ってしました。しかし本作では、明らかに作家性が爆発し王道から脱線。勧善懲悪のグレーな部分を炙り出したようなストーリーとリアリティーにより磨きのかかったアクションにより、ヒーロー映画の枠を超えたクライムアクション映画へと変貌を遂げています。この密度のあるアメコミ映画が生まれたことによって、昨今のアメコミ映画に多様性が生まれたという意見はよく聞く話ですが、これを続編でやってしまったというのが続編映画史におけるもの凄いことだと思ってます。

ただこの2作目のインパクトが強すぎるせいで、ある種の呪縛というかレガシーがその後のバットマン作品にまとわりつくようになったのは多少あると思います。(バットマンおろかDC作品=暗いの印象はこっからでしょ)さぁー来年公開予定のロバート・パティンソン版のシン・バッドマン(勿論こんなタイトルじゃないですw)はどうでしょうか。ダークさは継承されていますが、予告もキャスト陣もいい感じだったから楽しみです。

↓以前に語った内容がこちら。

captaincinema.hatenablog.com

 

マッドマックス2

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1982年公開のバイオレンスアクション。「続編」といえば前作よりもパワーアップしていることが鉄則のようになっています。しかし本作においては、あまりにもパワーアップし過ぎて新たな境地へとジャンプアップしてしまった最狂映画です。前作は自主映画だったのに対して、本作ではワーナーという資金力抜群の会社がバックについたわけですから当然ではありますが、それにしてもフルスロットル過ぎる。

前作同様、暴力と狂気渦巻く近未来が舞台。その世紀末の度合いがヒートアップしまくりです。何とも奇抜な改造車が駆けずり回る荒野で、筋肉仮面やモヒカン、言葉が分からないブーメラン野生児、お手製ヘリに乗るひょろい男など車のデザインに負けず劣らず超個性的なキャラたちが生き残りをかけた戦いに明け暮れています。

この「マッドマックス」シリーズでしか味わえない唯一無二のカオスがこの2作目で確立をし、確固たる地位を築いたと思っています。他作品に与えた影響も大きいなんて言われてますしね。

そしてこの世界観を現代の技術の粋を集めてブラッシュアップされたのがマイベスト映画、2015年公開『マッド・マックス/怒りのデスロード』です。アクションが芸術の域にまで到達した作品は今後現れるのか?

 

↓4作目『怒りのデスロード』についてはこちら

captaincinema.hatenablog.com

 

 

ホームアローン2

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1992年公開のクリスマス必修科目第2弾。個人的には前作よりも好きなんです。

まずストーリーが上手い具合にスケールアップしてます。1作目では家族旅行に置いて行かれしまった挙句、家に侵入を試みる泥棒との攻防戦という設定でしたが、2作目は異なる設定です。家族の乗る飛行機とは別の機体に乗ってしまったことで、単身ニューヨークへ。そこで前作で懲らしめた泥棒と鉢合わせるという設定です。

主人公が泥棒を懲らしめるという仕組みは踏襲し、舞台や設定を新しいものに仕立てているのです。だからこそ2作目なのにフレッシュさを感じることが出来るのです。これは続編映画におけるお手本みたいな事をやっていると思います。

また、泥棒を懲らしめる理由にも成長が見られるのもポイントです。前作では自分や家族を守るために泥棒と戦いました。しかし今作では他人の幸せを守ろうと自ら挑んでいくような流れになっています。利他主義というかヒロイズムというか強い子に育ったなぁー。

 

※優劣のつけがたい『ターミネーター』1と2

ここで1つ優劣が付けられない続編映画をピックアップ。

今年の午前10時の映画祭での上映も決まっているSF映画の代表格。3作目以降はそこまで駄作とは思いませんが、正直足元に及ばないかと。1&2はそれぐらい抜きん出ていると思います。で、1作目と2作目の頂上決戦となると私の心は分裂。恐らくそれなりの映画好きを集めディベートをやらせたら近年稀に見る大舌戦になりそうです。エモさの観点で観れば2作目が勝者ですが、スリルや恐怖の観点で観れば1作目の方が勝ると思ってます。

要は1作目と2作目で楽しみ方のアプローチが少し変わっちゃうので決められないんですよ。まぁーでも思い出という側面で捉えたら2作目かなぁー…。私が覚えている限りでは人生で初めて泣いた映画なので。

あっちなみに2作目の正当な続編を謳って作られた5作目『ニューフェイト』案外好きでした。半分アンドロイドの女戦士が超カッコ良かったことしか覚えてないけどw。

 

まとめ(邦画における続編映画)

以上、続編映画について色々と書いてきましたが、洋画ばかりの話になってしまいました。では邦画で何が良かったかと聞かれると…咄嗟に答えるが出来ませんな。そもそも、あんまりイメージがないんですよね。洋画ほど邦画は観ていないからか。いやだとしてもシリーズものは少なからず観ているはず。ゴジラシリーズは「続編」という括りで考えるのも違う気がするし、平成ガメラシリーズは甲乙つけがたい。そんな私ですが、続編を切に願う作品が1つあります。それが2013年公開の横道世之介

 

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どこかノスタルジックでいつまでも浸っていたくなる柔らかな雰囲気が、およそ3時間をあっという間に感じさせる魔法みたいな青春映画。原作小説のキャラクターの魅力を的確に捉えたキャスティングも非常に良い作品でした。この原作には続編にあたる『続横道世之介』があります。それの映画化を是非して欲しいと切に願ってます。勿論監督やスタッフは同じメンツで。何だか本作は中国でも人気があるらしく、最近公開から8周年記念の円盤が発売されたらしいので絶対勝算あるはずなんだけどなぁー。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。