キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第126回:映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』感想と考察

はい、久方ぶりとなりましたが、今回は現在公開中の(と言っても都内は新宿シネマカリテぐらい?)映画『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意。いやそんなにネタバレらいしネタバレはないかも。

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イントロダクション

2011年にイギリスで放送されたTVシリーズ「The Story of Film」がきっかけで制作されたフィルムドキュメンタリー。日本でも話題となった『アナと雪の女王』(2013年公開)や『パラサイト/半地下の家族』(2019年公開)、『ミッドサマー』(2019年公開)など2010年~2021年の11年間に公開された世界各国の作品をメインに様々な角度から「映画」についてが紐解かれていく。

監督はマーク・カンザス。本作のナレーションも務めています。この方、今までに観てきた映画は何と16000本を超えるらしい映画オタクの権現です。某不倫で干されたコメンテーターみたいに2画面同時視聴とかはしてないだろうと思いますが、1万タイトルも超えればもはや映画の生き字引、歩く辞書でしょう。でも言われてみれば私自身、今までの鑑賞タイトル数はトータル何本になるんでしょうか。2~3千タイトルは超えてると思うけどなぁ。

映画=睡眠

本ドキュメンタリー、映画とは眠りにつくことであるという定義を軸に様々な映画が紹介されていきます。映画紹介とはあまり関係のない人が目を閉じる動作が度々シーンとして織り込まれているのもその象徴と言えます。

確かにこの例えは私も理解出来ます。私自身、映画とは「現実逃避の夢」だと考えていますので。自分の人生ではきっと経験しない事象や味わわない感情を目の当たりにする事で、自己を消失させる夢が映画。この夢には良い/悪いもありますし、時に「共感」や「懐古」を味わう事もあります。それも全部ひっくるめて鑑賞前の自分とは異なる“何か”になった時間を過ごすことが出来ると思うのです。

また「寝たら嫌なことが忘れられる」や「寝て気持ちをリセットする」とか言うのと同じ感覚になれるのも類似点だと思います。長時間暗い中で物語に浸る事で一時的にでも諸々の環境や状況から離れることが出来るそんな現実逃避が人間には必要なんです。でなきゃね、やってけないっすよ。

「邦画はつまらない」と思っている人たちへ

あまり本編そのものとは関係がありませんが、少し前にSNS上でよく見かけた「邦画はつまらない」という話題を引き合いにちょっと思ったことを語ってみます。

残念ながら本ドキュメンタリーで紹介される日本の映画は『万引き家族』(2018年公開)とその関連として出される『麦秋』(1951年公開)のみ。勿論ここで挙げられる映画が全てではありませんが、フランスやアメリカと映画の歴史年数がそう変わらないはずの日本がこの有様。パンプレットに載っている監督のインタビューで挙がる日本映画のタイトルに10年代や20年代に公開された作品はありません。つまりこの2010年~2021年の11年の間にどの国の人が観ても面白いと思える日本映画があまり生まれていないのかもしれません。

しかしこれが国内の「邦画はつまらない」風潮とリンクしているのかと考えてみるとちょっと腑に落ちません。国外で注目されてなくたって充分面白い映画はあったと思っているので。今年だけでも例えば『さがす』や『ちょっと思い出しただけ』、『流浪の月』なんかはなかなか良かったと思います。特に個人的に『さがす』は大傑作だと思いましたよ。まぁ作品の好き嫌いはあくまで個人的な嗜好になりますが、果たしてこれらの面白い作品がどれだけ世間的に知られているかによるんじゃないかと思います。面白い作品が認知されておらず、逆にそうでもない作品が目立っている可能性が大いにある気がしてなりません。

ぶっちゃけ私も以前はつまらなさそうな作品が邦画には多いなと思ってました。しかしコロナ禍で洋画の公開が減ったタイミングでミニシアター系列で公開されている邦画を中心に観に行く機会が増えた(結局映画館が好きなので)ことで、今まで自分のテリトリーではないと思っていたジャンルに面白い作品が転がってるもんだと気づかされました。ちょっと視野を広げて観る作品変えてみると意外な「面白い」に出会えるのが映画なんですよね。まぁ未だにシネコンで見かける邦画にはほとんど心を動かさせることがないんですがw。予告の作り方にも問題はある気がするんだよなぁ…。

まとめ

以上が私の見解です。

正直、本気で映画が好きな人じゃないと苦行かもしれないドキュメンタリーです。なんせ淡々と映画か紹介されていくのが3時間近く続きますからね。知らない映画やあまり興味のないジャンルはウトウトしながら観るのが正解かもしれません。だって映画は睡眠ですから。私自身も所々“ぽかーん”でしたし。

ただ学びがあるのは間違いないですし、観終わった後はとりあえず映画が観たくなるはずです。個人的には「肉体」を観点として観るのは発見でした。まさか『ムーンライト』(2016年公開)や『ゼロ・グラビティ』(2013年公開)にその観点があるなんて気付かなかった。それと『マッド・マックス怒りのデスロード』(2015年公開)が如何に素晴らしいアクション映画であるかの再認識が出来たのも嬉しいポイント。つい先日、日本公開から7年(2015年6月20日だからね)経ちましたが、やっぱりあれは歴史が動いた瞬間だったんだろう。

まぁともあれ映画オタクを自負する、あるいは志す同胞の方々は挑戦してみてはいかがでしょうか。ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

第125回:映画『トップガン マーベリック』感想と考察

今回は現在公開中の映画『トップガン マーベリック』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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↑このポスターでも言えることですが全体を通して夕暮れが美しい映画なのよね。

イントロダクション

80年代を代表する映画にしてトム・クルーズの名を世界に知らしめたスカイアクション映画『トップガン』(1986年公開)の続編。この86年の日本って『エイリアン2』や『未来世紀ブラジル』、『エルム街の悪夢』なども公開してるんですよね。すげーよな、80年代。

アメリカ海軍のエリートパイロットを養成する訓練所“トップガン”に戻って来ることになった伝説の男ピート・“マーベリック”・ミッチェル(トム・クルーズ)。目的はエリート中のエリートでも困難なミッションを成功させる為に訓練生たちを教育すること。その訓練生の中には、訓練飛行中に亡くなったかつての相棒の息子(マイルズ・テラー)の存在もあり、彼はマーベリックの事をある理由から恨んでいた。

監督はジョセフ・コジンスキー。トム・クルーズとは『オブリビオン』(2013年公開)でタッグを組んだ経験のある監督。私『オブリビオン』は随分前に観たので記憶が曖昧ですが、宇宙船での飛行シーンが印象に残っています。多分これが決め手になったのかな。前作の監督トニー・スコットはだいぶ前に亡くなってますし。

来年公開の「ミッション・インポッシブル」の新作もめちゃくちゃ楽しみなトム・クルーズの他、マイルズ・テラー(2014年公開『セッション』)やジェニファー・コネリー(2001年公開『ビューティフル・マインド』)、ジョン・ハム(2017年公開『ベイビー・ドライバー』)が出演。一番の胸アツポイントはやはり前作でマーベリックの好敵手“アイスマン”を演じるヴァル・キルマーでしょう。ヴァル・キルマーって言ったら本作なんでしょうけど『ヒート』(1995年公開)イメージもあるよね。

ザ・ハリウッド

本作、非常に評判が良いご様子。SNSなどネットの口コミを眺めれば大絶賛の嵐。客入りも良く連日大盛況のご様子で、私の観に行った上映回も前作がタイムリーだったであろう世代を中心に満席でした。正直な話、観る前は“さすがに騒ぎ過ぎだろ”と斜に構えていました。コロナ云々でトム・クルーズ主演作品が久しぶりに映画館で観られることになったってのと社会現象をも巻き起こした作品の続編だからやかましいぐらい騒いでる人が居るんだろうと。しかしいざ観てみるとなるほど、納得しました。理由はシンプルに「ハリウッド映画」だったからです。勿論人によって定義やイメージは違うでしょうけど、恐らく多くの人が思い描く「ハリウッド映画」が詰まった作品だと思います。

まぁやってる事は前作とほぼ同じなんですね。まずオープニングがら「デンジャーゾーン」、そしてバイクで走るトム・クルーズ。良くも悪くも80年代のハリウッド映画ってただ格好良いだけで別になくてもストーリーが成立するシーンってあるじゃないですか。それを今の映画でやるのが逆に凄い。俗に言うMTV方式と呼ばれるシーンも現存し、マッチョたちがビーチでアメフトやってる楽しいファンサです。それにストーリーも超王道。友情あり恋愛ありライバルとの切磋琢磨ありの青春活劇。この辺のドラマ要素には奥深さが足りない気はしましたが、なんて爽やかなんだ。

こんな感じで時代に左右されずに“あの頃”を復活させて「ザ・ハリウッド」を魅せてくれるわけですが、一点だけ強烈なアップデートを遂げていたのがアクションシーンです。ちょっとレベルが異次元。前作同様アメリカ軍協力のもと極力CGに頼らないスタンスに一層磨きのかかった妥協なきアクションシーンの釣瓶打ち。っていうかストーリーの本筋となるあのヤバいミッションって「スターウォーズ」へのオマージュだよね?w

そんな驚異の映像表現もそうですが、音響もたいへん素晴らしかったと思います。ジェットエンジンの轟音が体を微かに揺らしてくる感じ。あぁこの感覚といえば、出ました『マッド・マックス 怒りのデスロード』(2015年公開)を映画館で観た時だわ。IMAX上映なら心臓の弱い方には危険レベル。恐らく来年のアカデミー賞の音響編集賞あたりにノミネートされそうな気がします。

まとめ

以上が私の見解です。

久々に純度100%のハリウッド映画を観ました。万人受けってこういう事だよね。つまり映画館で観るべき快作。特に前作ファンならアツくなるシーンも多いので、本作観ずして「トップガン」は語れなくなるでしょう。

ちなみにエンドロール前のアレ、最高っすね。どう説明したら良いのか微妙ですが、主要キャスト各々の笑顔シーンで〆るあの終わり方。これもまさに80年代っぽいですよね。ぶっちゃけ次回作への伏線シーン挟むより俺は好きだぞ。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※余談

そういえばマーベリックが来ているジャケットの背中にあった日本と台湾の国旗のワッペンが復活してましたね。予告やポスターだと消えていたので某国の顔色の伺ったのかという意見が出てました。まぁ日本は置いといて(いまいち理由も分からんし)台湾の旗を出すということは、映画の内容だけにアメリカがは台湾を国として認めているという立場表明みたいにも見えます。さぁ体どんなリアクションがあるのでしょうか、まぁそんなに取り沙汰す内容でもないか。

 

↓最後にこちら。「シャーー!!!」って叫ぶ声が聞こえるトム。こんなシーンあったかな?世界大会で優勝を決めた瞬間のアスリート感が半端ないです。

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第124回:映画『フォーエバー・パージ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『フォーエバー・パージ』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

1年に一晩だけ殺人を含む全ての犯罪が合法化されるというトンデモ法律を描いたバイオレンススリラー「パージ」シリーズの第5作目。映画としてはこれで5作品目ですが、たしかAmazonプライムにドラマ版がありましたよね。うわー観て~。アマプラ、これと配信予定の「ロード・オブ・ザ・リング」のドラマの為だけに入ろうかなぁ。

1年に一晩だけ殺人を中心とする犯罪が合法となる「パージ」を発動することで治安維持を図ろうとするアメリカ政府。今回は移民増加問題の解決を名目に発動する。しかし差別主義者や過激派が暴走。一晩どころかエンドレスに殺人が繰り広げられる無法地帯の状態と化してしまう。そんなアメリカから脱出するためメキシコ移民の夫婦とその雇い主の一家が命がけで国境を目指すことになる。

本シリーズといえば製作にマイケル・ベイが名を連ねています。はい、今年一部の映画オタクを、というか私を熱狂させた『アンビュランス』の監督です。

そして『ゲット・アウト』(2017年公開)や『透明人間』(2020年公開)、『ハロウィン』(2018年公開)など数々の面白ジャンル映画を生み出してきたブラムハウス・プロダクションズが携わっているのもポイント。本シリーズと同じ路線の作品だと『ザ・ハント』(2020年公開)がありましたね。あれもなかなか賛否両論間違いなしのシニカルな作品でした。

↓『ザ・ハント』についてはこちら。前はタイトルに副題付けてたな。

captaincinema.hatenablog.com

日本には無いエンタメ

まず言っておきますと私このシリーズが大好き。あんまり声を大して言うのも不謹慎極まりないネタですけど、いやでも面白いじゃん。

まず「殺人が合法になる」という中学生が考えそうなネタに人種差別や経済格差を絡めるという設定が斬新。バカみたいな発想をマジメに語ることこそ映画の醍醐味だと思ってます。それに、このような強烈なアイロニーが込められた作品は邦画じゃなかなかお目にかかれない案件。諸々の社会問題を提起することの先端を行く(本当に先端かどうか分からんけど少なくとも日本よりは早いでしょ)お国柄だからこその作品だと思います。

また、ポスターにもあるように意味分かんないコスプレをした人たちが沢山出てくるのが楽しい映画でもあります。今作でも汚ねぇウサギ頭の2人組やショットシェル(ショットガンの弾)ホルダーをマスクに付けたおっさん等心のときめきが止まらない人たちが登場。でも大抵そういう人たちって活躍の場がほとんど描かれないんだけどね。

そんなコスプレキメてる中の一人 カーボーイの格好した兄貴が「無限パージだ!」と元も子もないことを言っているのが予告にありましたが、ついに切り札をきってきましたね。いつか歯止めが効かなくなって暴走する連中が出てくる回があるだろうと踏んでただけに、個人的には予想通りの展開でした。ヤバい法律を破ればよりヤバくなる。ただの暴徒というか内乱に近い状態。

なので、問題提起をするサスペンスというよりはサバイバルアクションの側面が強くなった5作目。やたら銃に詳しいネオナチマッチョの独り言シーンはガンアクション好きにはちょっとお得。西部劇っぽさもあるし、ちょいちょい『マッドマックス/怒りのデスロード』(2015年公開)の風味を感じたのは私だけじゃないはず。やはりマッドマックスは偉大です。

まとめ

以上が私の見解です。

一点気に入らない点を挙げるなら、脅かすシーンが多いこと。そんなにジャンプスケアの演出が多いシリーズでしたっけ?ホラーってジャンルでもないんだから、いちいち「デン!」みたいなデカい音いらんのよ。

ちなみに、このシリーズ作品を観るたび毎回“自分だったらどうする?”を妄想してしまいます。とりあえず頭悪い仮装はバッチリ決めるでしょ。ジャパニーズ要素出したいから能面とか良くないですか?wでも殺し合いの参加は怖いしリスクがデカ過ぎる(絶対アジア系もヤバい白人集団に狙われるじゃん)ので格好だけして家に籠るという選択を取らざる得ない。我ながらダサいな~。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※追伸

記事を書いている最中こんな記事を見つけました。

eiga.com

この記事からはレイシストや白人至上主義者による犯行ではない様子。ただ治安の良い話ではないですし、今年に入ってアメリカでは銃乱射事件が多数発生してます。あのさぁ…“リアルパージ”が起きてしまっているとすると全く笑えない事態。戦争もそうだけどさ、こういうのはフィクションの世界だけにしましょう。とアブノーマルな映画好みがちなオタクがボヤいてます。

第123回:映画『シン・ウルトラマン』感想と考察

今回は現在公開中の『シン・ウルトラマン』について語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

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↑こういうシンプルなデザインの方が好きだな

イントロダクション

特撮ヒーローの代表格 ウルトラマンを『シン・ゴジラ』(2016年公開)で一世を風靡した庵野秀明樋口真嗣のコンビが映画化。『シン・~』シリーズはゴジラエヴァンゲリオンに続く3作目になります。来年には仮面ライダーもありますし、やっぱりさ「シン・ガメラ」やらないのは不公平な気がするよ。マジ頼むわ。

禍威獣(カイジュウ)と呼ばれる巨大生物の出現が当たり前となった日本(わざわざ「怪獣」から「禍威獣」に変えた意図ってなに?)。政府は禍特隊(カトクタイ)と呼ばれる特対策部隊を設立し、主人公の神永新二(斎藤工)をはじめとしたメンバーがその任務にあたっていた。そんな中、突如宇宙から飛来した巨大な人型の生物が禍威獣を撃退する。一体何者なのか?それはいつしか「ウルトラマン」と呼ばれるようになり、日本をそして世界の命運を握る事となる。

監督を樋口真嗣。原案・脚本を庵野秀明が手掛けています。先ほども書いた『シン・ゴジラ』のコンビが手掛けるだけあって、世間からは相当期待されていた様子。企業とのタッグも結構やってるのかCMもよく見かけましたね。私自身シンゴジに関してはそれほど絶賛派ではないですが、怪獣映画がもつ災害映画としての側面を現代日本に上手く落とし込んだ作品でした。かまたくんも衝撃的だったし。

主人公を斎藤工、その相棒を長澤まさみが演じ、去年公開の『ドライブ・マイ・カー』でも話題となった西島秀俊も出演しています。っていうか斎藤工って既に仮面ライダーなり戦隊ヒーローを演じた経験のある人だとばかり思ってましたけど違うんですね。やってそう顔してると思うのは私だけじゃないと思うんだよな。

純粋に楽しめたけど

結論から言えば面白かったです。『シン・ゴジラ』時とは打って変わって危機感を全面に打ち出したシリアス調ではない緩めな仕上がりになっていたのは良かったです。2月公開の某トンデモ怪獣映画よりも遥かにセンスの良いギャグもあり所々吹いちゃったし。(あっ演者に同じ某アイドルグループの方いますね、怪獣と縁のあるアイドルグループだな)

また各戦闘シーンのハッタリが効いた感じも面白かったです。出来れば特撮で観たい気持ちは変わりませんが、シュールな動きに何とも言えないロマンを感じました。ここら辺は初期のウルトラマンへのオマージュなんでしょうかね。

しかし色々言いたいことはありました。主に3つ。

・駆け足なストーリー

カット割りや早口な会話といった演出以前に対峙する敵の数が多いのが駆け足に見える要因だと思いました。約2時間の間に計5体の怪獣と対戦するウルトラマン&日本人たち。2体同時とかならまだしも、単騎で5体ですもん(オープニングで端折られた怪獣も合わせると更に居る)。ストーリーが連動しているように見せるのは頑張ってましたが、流石に多かったんじゃないですかね。

エヴァ未見者でも分かるあからさま感

これは『シン・ゴジラ』の時と同じです。あの時は音楽をまんま引用してるのとかどうかと思いましたし。そんな風潮が本作でも継承されていました。そもそも私「エヴァンゲリオン」は全くの未見者ですが、ラストの方ってもうそれでしかないように見えました。

どんな作品にも言えることですがオマージュする事自体は非常にウェルカム。ただやり過ぎには気持ちが白けてしまうのは私だけでしょうか?そもそも多く存在するであろうエヴァファンならそんな事どうでも良いのか…。う~ん腑に落ちない。

長澤まさみで遊び過ぎ

“バディ”浅見弘子のキャラクター描写もちょっとやり過ぎでしょ(失笑)。今のご時世の関係上ちょっと大丈夫かと心配になる演出も散見されます。きっと難癖付けて騒ぎ立てる奴もいれば純粋に首を傾げる人もいるでしょう。

まぁそんな女性蔑視うんぬんではなく単純に演じる長澤まさみに対する愛が強過ぎると私は思いました。出演してくれた事がめちゃくちゃ嬉しかったのかそれともキャラクター自体が当て書きなのか。あのアリさんマークの引っ越し者状態は笑うしかないわ。真面目にやってきたからねぇ~。

まとめ

以上が私の見解です。

文句は言いたい、でもボロカスに叩きたくない。そんな気分になる作品。まぁ映画ってこれぐらいが丁度良い気はします。

さて来年『シン・仮面ライダー』はどうなるかですね。本作上映前にも流れた特報の映像はかなりカッコ良かったので期待してしまう仮面ライダーアギト世代。敵は2~3体に控えて浜辺美波で遊び過ぎないことを祈ってます。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

第122回:意外と侮れないかも!? 日本の漫画原作映画について思うこと

さて、久しぶりに特集を思いつきました。それが日本の漫画原作映画について。ここ最近では『鋼の錬金術師』(2部作公開スタイル好きよね)や『キングダム』(ミスチルの主題歌めちゃくちゃ格好良い)の実写化作品が控えていたり『ゴールデンカムイ』の実写化決定が色んな意味で話題になっていたりと良くも悪くも世間から注目の的になるコンテンツです。今回は原作ありきの映画について私自身が思うところを語っていこうと思います。

まず先に大前提として言っておきますが、私全くと言ってもいいほど漫画は読まない人間。活字は小説と映画雑誌と新聞に触れる程度のいまどき珍しい人種であります。あっでも昔『テルマエ・ロマエ』は読んでましたね。最後までは読んでない気がしますが…とこんな奴がお送りするので、一般的な世論や風潮とは相当かけ離れた変な角度からの内容になると思います。ご容赦を。

 

面白かった作品2選

まず今回のテーマを語ろうと思ったきっかけの作品から紹介しましょう。それが2003年公開『オールド・ボーイ

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韓国の鬼才パク・チャヌク監督が手掛けたクライムサスペンス。何者かに拉致され15年間監禁された主人公のオ・デス(チェ・ミンシク)がその理由と復讐かけてもがく5日間が描かれた作品。韓国映画ながら土屋ガロン嶺岸信明による『ルーズ戦記 オールドボーイ』という日本の漫画が原作となっています。

現在4Kリマスター版が各映画館で上映がされているので私も観て来ました。一度観た事のあった作品ではありますが、やはり何度観ても想像を超えてくる衝撃に襲われます。変態性の極点とも言えそうな卓越したシーンの数々と知っていても突き落とされる絶望的なラスト。もはや狂ってます。特に一昔前に定番だった横スクロールのゲームを思わせるワンカット戦闘シーンが至高。ハンマーってのがね、道具としての野蛮さが出ててたまらん。

こうしたエキセントリックさが評価されたのかカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。2013年にはハリウッドでリメイクがされました。興行的にはどうかは分かりませんが、世界的な評判といった意味では最も成功した日本の漫画原作映画と言えそうです。

 

はい、のっけから韓国映画という異端スタイル。結局邦画じゃないじゃんかとは言わせませんよ。邦画でとなると2016年公開『アイアムアヒーローが私の中では一番な気がします。

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花沢健吾による同名タイトルの漫画を原作としたパニック映画。漫画家アシスタントを生業にしていた陰キャな主人公の鈴木(大泉洋)が、突如として蔓延した謎のウイルスによって狂暴化した人々と相手に生き残りをかけて戦う姿が描かれます。

いわゆるゾンビ映画。邦画にしては珍しいジャンルですが、これがなかなか面白い。序盤のゾンビが広がっていくまでの流れでは、“あぁ日本でゾンビアポカリプスが起きたらこうなるのか”という様がテンポ良く描かれています。銃規制の厳しい国である観点も上手く活かせていると思います。ここが面白過ぎて中盤がだらけて見えてしまうのがちょっと勿体無い気がしますが、ラストには硝煙と流血の凄まじいシーンがあるので結果オーライ。冴えないパンピー感が絶品な大泉洋や寝てばっかりのダウナーJK 有村架純、目がサイコパスにガンギマリなオーバーオールのお兄さん 吉沢悠など個性的な登場人物も楽しい和製版『Dawn of the Dead』な映画でした。

 

共通点

以上2作品を紹介しましたが、共通点があります。

バイオレンスな作品ということは置いておきますが、どちらも私個人が原作漫画があること知らないで鑑賞したということがありました。まぁそりゃそうですよ、先ほども言った通り漫画に関する知見がゼロに等しい人間ですからね。ただその事によってニュートラルな視点で作品と向き合えたというのは大きかったと思うのです。

どうしても原作を読んだ状態だと、原作通りか否かや作品の世界観が表現されているか等様々なチェックポイントが浮かび上がってきます。こうした現象は小説の実写映画でも起きうるものですが、漫画の場合「作画」というより鮮明にイメージが残るスタイルだからこそ観客たちのハードルが上がる一つの要因になっていそうだと思いました。映画鑑賞において予備知識があった方が楽しめたり理解が深まるケースが多いですが、時には「無知」である事が武器になるのかもしれません。

 

まとめ

その他『宮本から君へ』(2019年公開)ミスミソウ』(2018年公開)も面白かったですね。これも原作があるとは知らないで観ましたし、あらっこの2作品もバイオレンス激しめじゃんか…。結局俺ってそういうジャンルが好きなだけなのかぁ。

ともあれ結局何が言いたいかっていうと、どんな作品であっても一旦冷静になって客観的な視点で観てみようということです。意外な発見があるかもしれません。

とは言っても「あの大ヒットコミック○○が原作!」って大々的に広告を打ち出した作品は観る気になれないんですけどね。だってぇ~どうせファンサで金儲けしたいだけに見えるしぃ~。

という本末転倒な本音を言ったところで撤収します。はい、お開きです。ありがとうございました。

第121回:映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

元外科医の至高の魔術師 ドクター・ストレンジを活躍を描いたMCU(マーベルシネマティックユニバース)の第28作目。単独作品としては2016年公開『ドクター・ストレンジ』からの2作目にあたります。

スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』(2021年公開)の一件で開かれたマルチユニバース(多元宇宙)の世界。その歪んだ時空を元に戻そうとしていたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の前に、時空を行き来することが可能なアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)が現れる。彼女の能力を狙う闇の力から守るべく魔術に精通するアベンジャーズの一員 ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)に助けを求めるが…。

監督はサム・ライミ。いや~監督決定のニュース観た時はテンション上がりましたよ。だってあの『スパイダーマン』シリーズを生み出し、今のアメコミ映画ブームの一端を担う礎を創ったと言っても過言ではない御大ですから。

主演はベネディクト・カンバーバッチ。最近だと『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021年公開)の熱演がホットな話題でしょうが、地味に『戦火の馬』(2011年公開)や『1917/命の伝令』(2019年公開)だったりの軍服姿が印象深い気がする。

そして今回大きな鍵を握るのが「エイジ・オブ・ウルトロン」以降ワンダを演じてきたエリザベス・オルセン。リメイク版の『オールド・ボーイ』(2013年公開)ではサノスを演じたジョシュ・ブローリンと共演してましたね。まぁ『オールド・ボーイ』は2003年のオリジナル版が圧倒的に強烈。観るならオリジナル版から(今映画館で再上映してるし)が良い気がするけど、カロリー控えめが良ければリメイク版かな。

さらにはこの続編に出るのか出ないのか噂されていた覚えのあるレイチェル・マクアダムスが結構ガッツリ出演していたのが個人的なお得ポイント。『サウスポー』(2015年公開)がかなり好き。

 

作家性強し

先に率直な感想を書くと前作の『ドクター・ストレンジ』があまり好きではなかった人間なのでかなり挽回したと思いましたし、ここ最近のMCU作品(ドラマも含めた『エンドゲーム』以降)では、最も面白かったと感じました。なんせとにかく作家性が濃厚。こんな超大作シリーズでジャンル映画要素をたっぷり盛り込む辺り、ディズニーやマーベルスタジオの上層部にとっては博打だったろうと。

まず序盤のタコさんみたいなモンスターとの戦闘シーンで心掴まれます。建物の外壁を使った重力無用の壁面ファイトはまんま『スパイダーマン2』(2004年公開)じゃないですか!ちょっとした懐かしさ。

それにこれ言っちゃうと核心に触れてしまいそうですが、今回のワンダことスカーレット・ウィッチはほぼホラーです。洋画ホラーであるあるな関節ボキボキとかマジっすかw。その他随所に散りばめられたホラー演出には『死霊のはらわた』(1981年公開)や『スペル』(2009年公開)っぽさが感じられました。

そして何と言っても中盤のスカーレット・ウィッチvs某チームとのファイトシーン。MCUにしては珍しい容赦なき血まみれちょいグロアクションで魅せるまさかの展開。スカーレット・ウィッチ、チートですね。昔やってたゲームのプレイヤー対戦で一度も倒せなかったことを思い出しました。

このような作家性が強めに出ているアメコミ映画は決して珍しいものではありません。『LOGAN/ローガン』(2017年公開)や去年公開の『ザ・スーサイド・スクワッド』がありましたし『マイティー・ソー/バトルロイヤル』(2017年公開)も比較的その路線でした。ただここ最近の様式化/画一化した雰囲気になりつつあったMCUのシリーズにやっと振り切った作品が生み出された思います。「作品」そのものの多様性ってのが大事なんだよね、きっと。

 

まとめ

以上が私の見解です。

しかしまぁ本作の賛否は割れるでしょう。映画好きは絶賛しそうな案件ですが、MCUに特化した映画好きにはちょっと合わない味付けな気がします。サプライズの仕掛け方や終盤の展開に納得いかないファンが居そうです。って言うか『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』との関わりはそこまでなわりにDisney+のオリジナルドラマ『ワンダヴィジョン』との関係性がめちゃめちゃ深かった。これに面食う人も多いかもしれません。一応観ておいて良かったわ。

ちなみに今作一番のサプライズ演出はブルース・キャンベルの出演だろうとヤマ張って観に行ったんですけど、やっぱり居ました。ですよね~。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※追伸

本作には寝ている時に見る夢は別次元の自分という設定が登場するんですけど、なかなか興味深いと思いました。

以前『インセプション』について語った時は、夢は心のバロメーターじゃん?みたいな事を書いた気がしますが、時々それには当てはまりそうにない奇妙な夢を見る時がありますよね。

つい最近見て強烈に残っているのだと、女優のアナ・デ・アルマスをおんぶした状態で暴力団から走って逃げるという夢。助け出したって感じでもなく、とにかく必死なので羨ましいようで羨ましくない状況(ってか字面にするとオモロ)。こんな逃げたり殺されそうになってる自分が本当に別次元の自分だとしたら、ていたらくに映画の感想を書く平凡な暮らしに有難みが感じられる解釈だと思いました。

↓『インセプション』についてはこちら。

captaincinema.hatenablog.com

第120回:映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密』を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

洋画ファンからの絶大なる支持を受けるメガヒット大作「ハリー・ポッター」シリーズ。そのスピンオフ作品である「ファンタスティック・ビースト」シリーズの3作目になります。っていうか「ハリー・ポッター」の1作目公開から20年以上が経つんですね。俺も年取るわけだ。

魔法動物学者のニュート・スキャマンダ―(エディ・レッドメイン)は、恩師のダンブルドア先生(ジュード・ロウ)依頼を受け、寄せ集めのチームを結成して人間界を滅ぼそうとする黒い魔法使い グリンデンバルド(マッツ・ミケルセン)に挑むことに。その最中でダンブルドアとその家族のある秘密が明かされていく。

監督はデヴィッド・イェーツ。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年公開)以降のシリーズ全てを手掛けている方なので、他の作品で名前を聞いた事がないぞ…。もはやシリーズのお抱え監督ですね。

主演のエディ・レッドメイン(2014年公開『博士と彼女のセオリー』)やジュード・ロウ(2009年公開『シャーロック・ホームズ』)といったメンバーで構成される中、ちょっと関わっている人たちの悪目立ちが否めないのが本作。前作にてグリンデンバルドを演じた絶賛裁判中のジョニー・デップはクビ。今作に出演しているエズラ・ミラーは相次ぐ奇行で警察沙汰に。さらに脚本に携わるシリーズの生みの親 JKローリングの差別発言だったりと前途多難。これはあまり良くないなと思いますね、次回作は大丈夫か?

相変わらず

まず先に申しますと、相変わらずやりたい事とテーマが嚙み合っていない印象を受けました。

そもそも本シリーズ、可愛い魔法動物を描きたいのかダークな魔法戦争を描きたいのかはっきりしないので軸がぶれているというのが観ていて常々思う事。とくに前作「黒い魔法使いの誕生」は急に魔法界と人間界の分断や東洋要素が盛り込まれ、かなりちぐはぐな事になっていたと思います。今作でもそのちぐはぐは解消されておらず、さらに「ご時世」への配慮も拍車をかけて色々詰め込まれた内容になっていました。はっきり言って脚本がダメでしょ。

なんだろうなぁ~純粋なファンタジー映画が観たいのに。以前の記事でも書いたかもしれませんが、今の世の中は目くじらを立てすぎているのでは?そんなに高尚ぶったところで面白い作品が出来るとは思わないです。いや私自身がそういった点に気付き過ぎているのか?もっと無垢な心で観るべきなのかぁ…。

と自分の感情に自信が無くなりそうですが、ただ今回は「麒麟」の存在がキーになるので、「魔法動物」と「魔法戦争」の要素は嚙み合っており前2作よりは比較的楽しみやすくなっていたとは思います。

まとめ

以上が私の見解です。

ちょっとグチグチ文句垂れてる陰険な奴になってますが、もちろん良いと思う部分もありましたよ。

魔法バトルは回を重ねるごとにスタイリッシュに。呪文なんて唱える暇もなく瞬間移動を駆使した機動力戦。誰がどんなアクションをしているかも比較的見やすいし、ちょっとした格闘戦が盛り込まれているのもナイス。いいぞ、もっとやれ!

それとエディ・レッドメインの流麗な演技は白眉。歩き方や視線の動かし方でキャラクターを上手く表現していると思います。こういうのをエンタメ大作で観れちゃうことに贅沢さを感じます。そしてジョニー・デップから役を受け継いだマッツ・ミケルセンも。ちょっとずる賢そうな雰囲気が無くなりましたが、相当気品の溢れる悪党になりました。これはこれで良き。

という事でファンの方の顔色も伺ったところでこの辺でお開きです。ありがとうございました。