キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第252回:映画『シュリ』感想と考察

今回は現在リバイバル上映中の映画『シュリ』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

24年前の1999年に公開した韓国産アクション映画。これと『JSA』(2000年公開)が韓国映画の草分け的な感じでしょうか?どちらも南北問題が扱ってますし、なんせ『JSA』の方の監督はパク・チャヌクだし。

時は1998年。韓国と北朝鮮のサッカー南北交流試合の開催に湧く中、韓国情報部のユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)は、相棒のイ・ジョンギル(ソン・ガンホ)と共に多発する暗殺事件の犯人と目される北朝鮮の女性工作員を追っていた。その捜査過程で女性工作員が最新鋭の液体爆弾を使用したテロ計画に関与してる情報を掴む。

監督はカン・ジェギュ。『ブラザーフッド』(2004年公開)や『マイ・ウェイ 12,000キロの真実』(2012年公開)を監督しています。なお現在、実在したマラソン選手を基にした監督最新作『ボストン 1947』が公開されているようです。本作とセットではしごが出来るのか。

主演のハン・ソッキュや前述の『JSA』にも出演しているソン・ガンホ以上に個人的注目出演者はチェ・ミンシク。『オールドボーイ』(2003年公開)や『悪魔を見た』(2010年公開)等なかなかエゲツないフィルモグラフィーを持つ名優。今作では色気が爆発しています。いや主役陣食ってるだろw そして最後の方に出てくる尋問官はファン・ジョンミンですか?マジでどこにでも出てるね。

韓国映画の進化

私、本作は初見でした。そもそもあまりお目にかかれる機会の少ない作品だったようですが。内容自体もそれなりに楽しめしましたが、現在に至る韓国映画の進化を伺い知れたような気がしました。ポイントは2つ。

・主役クラス2人体制

韓国映画を観ていると割と主役クラスのキャラクターが2人で出てきて頂上決戦を繰り広げるみたいな構図が多いと思うんですよ。現在公開中の『ソウルの春』もそうですし。で、だいたいこの構図の韓国映画ってハズレないんですよ。先述の『悪魔を見た』然り『チェイサー』(2008年公開)や『ただ悪より救いたまえ』(2020年公開)も2人の対峙が描かれます。

この面白くなる可能性大な方程式を既にやっているのが本作だと思いました。主人公の工作員北朝鮮の女性暗殺者の2人が織りなす物語。あんまり言っちゃうとガッツリネタバレになるので避けますが、この2人が銃口を向け合った時のカタルシスときたらグッと来るものがありました。

・アクションのスタイル

韓国産のアクション作品というと刺身包丁みたいな刃物でグサグサやり合うナイフファイトを中心とした肉弾戦のイメージがありました。しかし本作はガンアクションがメインなんですよね。ベレッタの2丁拳銃シーンがあったりとジョン・ウー作品の影響も感じられます。

そんなガンアクションは見応えあって良いのですが、格闘シーンに関してはカメラがだいぶ寄りが多く且つグラつきが激しいので見づらい印象を受けました。つまりこの映画がアクションスタイルの転換点ではなかったのだろうと思います。恐らくはその後の『新しい世界』(2013年公開)とか『アジョシ』(2010年公開)の登場が大きかったのかな?

まとめ

以上が私の見解です。

何だか”韓国映画についての私見”みたいな話になりました。まだまだ観てない作品もあるので補強のしがいがあるテーマです。

ちなみに一番好きなシーンはラストの拳銃の構え。グリップを両手で握るのではなく、怪我をして握れない左手の甲を支えてにして右手だけで握るスタンス。あぁ…性癖に刺さる。片手が封じられた状態での銃取り扱いのシーンってなんかエロいんよねぇ…(分かる人には分かるはず!)

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。