キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第168回:映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

2021年に公開し話題となった青春アクション映画『ベイビーわるきゅーれ』の続編。

殺し屋協会から依頼された殺しを請け負う凄腕女子のちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤沙織)は、ジムの会費や保険料の支払いに追われる日々に頭を悩ませていた。そんなお金のやり繰りに困っているのは協会の下請けでアルバイトとして殺しを行っていたゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)の兄弟も同じ。兄弟は正規会員を殺して空いたポストを奪えば自分たちの昇格が出来るという噂を聞きつけ、ちさととまひろを狙う事になる。

監督は阪元祐吾。『ある用務員』や『最強殺し屋伝説国岡』(どちらも2021年公開)、『グリーンバレット』(2022年公開)等、近年立て続けに作品が公開となっている勢いのある監督。私、どの作品の未見だったので、これから追っていかなければ。

殺し屋映画新ジャンル?

実は私、前作も未見の状態で本作を観に行きました。じゃ何で観に行く事にしたかと言いますとね、たまたま映画館で見つけたフライヤーがきっかけでした。上のポスター画像と同じものでしたがあれ見た時 “えっ!ベクターサブマシンガンですか!こっちはSRSのスナイパーっぽいぞ。こんな銃器を邦画で拝める可能性が…ってかタイトル『バッドボーイズ2バッド』(2003年公開)のオマージュじゃん!”と久々に眠っていたアクション好きの血が騒ぎました。純粋、いや単純な思考回路ですわ。

そんなこんなで観た結果、前作を観ていない状態でも充分理解の出来るストーリーだったのは安心でしたし、割と伊坂幸太郎の殺し屋シリーズのようなオフビートなコメディの印象を受けました。殺し屋の登場する映画、とりわけハリウッドの殺し屋映画となるとだいたいシリアスな雰囲気のものが多くなります。『レオン』(1994年公開)や『コラテラル』(2004年公開)もしかり。新作の日本公開が控える「ジョン・ウィック」シリーズもそうですね(ジョンウィックは回を重ねるごとのやり過ぎ感がコメディに見えてもきたけど)。しかし今作においてはシリアスさやハードボイルドな要素は薄く、殺し屋としての腕は一流でも社会に馴染めず悪戦苦闘する女子2人組の日常が描かれます。諸々の支払い期限は守れないし、堅気のアルバイトも上手くいかず。この路線は案外殺し屋映画において新ジャンルだったかもしれないと思いました。ってか『花束みたいな恋をした』(2021年公開)のくだりはクソ笑ったな、劇場内も一番盛り上がってたんじゃないか?じゃあ結婚しよう!w

肝心のアクションでは一転。クオリティの高いキレのあるアクションを見せてくれます。銃撃戦では、ちさと&まひろコンビは恐らくキンバ―と思わしきコルト系のハンドガンを使用(ちさとさんのはウルトラキャリーだと思うんだよな)。そして殺し屋バイト兄弟が使用するのはベレッタM92。はい、つまりコルトvsベレッタですよ。映画やドラマにおいて今でも人気のある両ブランドですが、ここ最近はその座をグロックに奪われた2大メーカーの代理戦争ってわけですよ。ひやぁーアツいぜ!リロードやチャンバーチェックもしっかり魅せてくれるのも私の心のときめきポイント。

そして近接戦においてはラストが白眉。小柄な体格を活かしたコンパクトな動きで相手の圧倒するまひろさん。対するゆうりさんは手足の長さを活かしたダイナミックかつダンスのような華麗さ。このスタイルの異なる格闘戦が素晴らしかったです。着ぐるみファイトも良かったな。いやぁ邦画でも充分なアクションが出来るじゃないですか。阪元監督やアクションを手掛ける園村健介監督がもっとビッグバジェット作品を撮れば凄まじい超大作が生まれると思いました。

まとめ

以上、アクション性癖丸出しの見解です。

強いて言うならもうちょいアクションシーンが欲しかったかなと。欲張りかもしれませんが日常コメディが多く、少々アンバランスな印象は受けました。

ちなみに私が心奪われたポスターの銃器について。スナイパーの登場シーンはありませんでしたが、ベクターの方はちょろっとだけ登場してました。その他銃器で言えば兄弟がアパートの一室に殴り込みをかけるシーンでトカレフが活躍。あのシチュエーションも相まって『泣く男』(2014年公開)っぽさがありましたね。ジャムってたし。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。