キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第167回:映画『ひとりぼっちじゃない』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ひとりぼっちじゃない』について語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年公開)などの脚本を手掛けた伊藤ちひろによる同名小説を自身で映画化した作品。

不器用なコミュ障歯科医のススメ(井口理)は、アロマ店を営む宮子(馬場ふみか)に恋をする。宮子は無言電話を掛けてきたと思ったら、突然連絡が取れなくなったりする謎多き女。そんな彼女が自分の事を理解してくれていると感じる一方で、自分が彼女のことを理解できないと悩み始めていく。

主演はKingGnuでお馴染みの井口理。私、KingGnuの大ファンという事で俳優としての活動も随時チェックをしております。ぶっちゃけ本作も井口目当てで観に行ってますからね。『劇場』(2020年公開)では新進気鋭の劇作家役で一言二言喋り、『佐々木、イン、マイ、マイン』(2020年公開)ではパチ屋に並ぶ図体のデカいヤンキー役としてちょっと出たり。そんな中でも特に印象深いのは、タイトル忘れましたがお好み焼き屋だかが舞台の民放ドラマ。そこで木村文乃(2022年公開『LOVE LIFE』)、岸井ゆきの(2022公開『ケイコ 目を澄ませて』)、そして我が推しの仲野太賀と渡り合っていたんですよ。おぉスゲー、あんな芸達者に囲まれて。

そんな俳優活動が歌手活動にも影響しているのかアニメ『王様ランキング』の主題歌にもなっていた「BOY」あたりから歌声に感情が乗り出すようになった気がします。ただでさえあのハイトーンボイスの才に表現力までも身に付けたら無双。俳優と歌手のリアル二刀流で目指せ、ポスト福山雅治

ちなみにKingGnuの楽曲で今の時期におすすめは春先の爽やかを感じる「小さな惑星」と卒業シーズンにもマッチしそうなどこかノスタルジックな「雨燦々」ですね。

何を見せられたのか?

ってな感じでKingGnuについて語る回になりつつあるのを修正しましょう。

「何を見せられたのか」ってサブタイトルを付けると悪い印象かもしれませんが、そうではなくて。良い意味で何を見たのか謎の作品でした。

序盤は“コミュ障男はつらいぜ”な日常が描かれます。ここはわかりみが深すぎて苦笑せざるを得ない。外食をした際、水のお代わり貰いたい時のあの感じ、分かるわ~。“空ですよ”を示すためにあえて目立つ位置にコップを置くというね。でもあれ大抵失敗しますよ。特に居酒屋みたいな声を張らないといけないような場所はマジでコミュ障殺し。逆にまだ半分も残っているのに注ぎ足され“あぁ…要らなかったなぁ”と思うケースもあったりさ。

そんなコミュ障男の日常は謎の女の登場から次第に変化していきます。まるで劇中度々流れるボコボコと音を立てる泡のように…消えたの~泡のように~♪ というKingGnuの楽曲「泡」は置いておいてですね(あの音聴いて『泡』を思い浮かべた観客は他にも居たはず)、物語はゆっくりと摩訶不思議な世界へと展開していきます。これはコミュ障男の狂気じみたストーカー劇か?はたまたオカルトタッチのファム・ファタールものか?そもそも現実の話なのか?人によって感じ取り方が変わってきそうですが、本作の核心は中盤で描かれるキリン男が喰われる芝居のシーンにあったのかもしれません。人間関係における奉仕や自己犠牲、理解し合うという対等な関係維持の難しさがテーマにも思えます。

まとめ

以上が私の見解です。

ライティングの綺麗な映像ですし馬場ふみかのアンニュイな感じも良かったのですが、内容としてはもう一捻り欲しかったですね。雰囲気を楽しむだけのようなタイプの作品の印象でした。ともあれこれが井口理初主演映画。アート路線の作品で一安心でした。エンタメ大作のコメディとかだったらどうしようかと思ってましたよ。

そして1つ確実に分かったのは監督さんは脚フェチです。足が骨折したり、つったりという出来事もそうですが、タランティーノ作品ばりに足のカットが多かった印象です。それにしても足の骨折が治ってギブスから解放された事の喜びで走るシーンがありましたが、あれは「Teenager Forever」でしたねw。他の誰か~になんてぇ、なれやぁ~しなよぉ!!

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。