キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第169回:映画『エスター ファーストキル』感想と考察

今回は現在公開中の映画『エスタ― ファースト・キル』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

2009年に公開し割と日本でも人気のあるスリラー『エスタ―』の前日譚。

アメリカの裕福な名家の次女で6歳のエスター(ケネディアーウィン)が行方不明になってから4年の歳月が流れたある日、彼女がエストニアで見つかったという連絡が家族に届けられる。しかしこのエスタ―と名乗る少女(イザベル・ファーマン)は施設から脱走したなりすましのサイコパス。家族は数年振りの再会に喜びを感じていているものの、母(ジュリア・スタイルズ)は彼女が以前と違う事に気付き始める。

監督はウィリアム・ブレント・ベル。うーん存じ上げぬ、ってジャウム・コット=セラ監督が前作から続投じゃないんだ。ジャウム・コット=セラについて語る気満々だったのですが、またの機会にしましょう。

2009年の前作で当時12歳で同年代のエスターを演じたイザベル・ファーマンが、25歳にしてカムバック。身長はどうやって?ひと昔前であれば容姿の似た子役に演じさせるのが定石でしょうけど、CGで繋いだんだろうな。今の技術だからこそ出来る作品です。そしてお母さん役のジュリア・スタイルズは「ジェイソン・ボーン」シリーズに出てた方ですね。多分全シリーズ通して出てた皆勤賞なのに2016年のシリーズ最新作だと扱い雑だった覚えあるな。不遇よ、不遇。

意外性のある前日譚

実は前作『エスター』は個人的に思い出深い作品でして。学生の頃、映画サークルの「上映会」と名を冠した皆で映画観る回で流した事があるんですよ。そのサークルは不思議なもので映画を普段から観るって奴がほとんど居ないどうやって集まったんだ集団で、唯一私と双璧をなすオタクからのリクエストだったんです。当初は“これ流して大丈夫か?”と思いました。割とジャンル映画寄りだし、この手のサイコホラーは苦手な人はダメだろうし…。しかしいざ上映してみると反応は上々。あぁなんだ、なら『悪魔のいけにえ』(1974年公開)もワンチャン…とはいきませんでしたが(さすがに道徳心はありますよw)、そんな思い出のある作品です。

なのでぶっちゃけ製作されるニュースを見た時は“今更前日譚?”と思いました。果たして前作と並ぶぐらいのサプライズがあるのか?既にこちらはエスターのキャラを知った上での鑑賞となるのでどうなる事やらと。

序盤は頭の切れるサイコパス“コナン君”による逃亡劇。なるほど「エスタ―」の名はここからだったのかというオリジンをテンポ良く見ることが出来ますが、まぁ予定調和というかエスタ―はこんなもんじゃないだろ!って感じでした。すると中盤、意表をつかれるような展開からある種の形成逆転サプライズが。おぉそうきたか。そこからのテンポも良くラストを迎えます。良いですね、こういうパパッと満腹になれる居酒屋のランチ定食みたいな感覚。さほど期待はしていませんでしたが、思ってたよりは楽しめる作品でした。

まとめ

以上が私の見解です。

思ってたよりは楽しめたと述べましたが、絶賛とまではいきません。どうも決定的なショットが無かった気がします。ストーリー展開に起伏はあるのに、映像自体はのぺーっとした印象。バイオレンス描写も平凡だし、どのシーンもモヤが掛ったようなスモーク焚きまくり演出もあまり良くなかったと思います。正直これを「上映会」で流すのは躊躇するかもなぁ。やっぱジャウム・コット=セラ監督が上手いのか。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。