キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第170回:映画『オオカミ狩り』感想と考察

今回は現在公開中の映画『オオカミ狩り』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

凶悪犯vs警官vs怪物という三つ巴の乱戦が繰り広げられる韓国産バイオレンスアクション映画。着想は2017年に実際に行われた犯罪者の集団送還なんだそう。

フィリピンで逮捕された凶悪犯たちを韓国へ移送するための貨物船が出航。これは「オオカミ狩り」と呼ばれる送還計画で、船内には凶悪犯罪担当の刑事たち約20名を配置し、海洋監視システムを設置するなどの万全な体制を組んでいた。しかし凶悪犯たちも大人しくしているわけもなく船内に職員として紛れ込んでいた仲間たちと共に反乱を起こす。おまけに船底に眠りし「怪物」までもが乱入する事態に。

一応主演と位置付けられるソ・イングクって方が人気なんでしょうか。場内はこの手のバイオレンス映画には似つかわしくない淑女な方々が多かったですね。“公開2日目なのにもう入場者特典ないの!”と絶句してる人が居ましたし。私のような“バイオレンス映画かぁ~”と目をギラギラさせる連中と“私の推し~”と目をキラキラさせる方々の共存。ヤバそうな映画でも「推し」が出てるか否かで客層が様変わりするもんですね。推しは偉大だ。

潔きシャバシャバ系

とにかく瑞々しいっちゃありゃしない流血映画。常々スラッシャー映画にはシャバシャバ系とドロドロ系の2パターンあると思っていますが、本作はシャバシャバ系。水風船でも突っついたのかってレベルで流れ出ます。

韓国映画らしい暴力描写やアクションシーンの数々ですが、話の本筋は90年代のハリウッドアクション大作のようです。まぁ言ってしまえば『コン・エアー』(1997年公開)にユニバーサル・ソルジャー、いやプレデターが殴り込んで来たような内容。余計なヒューマンドラマや恋愛要素は一切なく、ただひたすらこのカオスな状況を描く事に徹しています。潔し!この振り切り方はまさに「マッドマックス」の戦法ですね。

またキャラクターが個性的。登場人物が多い割にそれぞれに見せ場があるのもポイントです。特にG26所持(他の警官はS&WのM10っぽいリボルバーだったけど)の女刑事さん(チョン・ソミン)が最高。表情を崩さないのが刑事魂なのか。怯えた時も微妙に顔が強張るだけで決して騒がず、終始ポーカーフェイスを貫く凛々さに惚れました。タンクトップにサスペンダータイプのホルスターってのも分かっていらっしゃる。『ダイ・ハード』(1988年公開)オマージュかな?

その他、一矢報いる為に奔走する暴力上等刑事所長や酒を飲んだ以外何もしなかった看護師、俯いた顔がちょっと桐谷健太にみえた怪人管理人のジージャン兄貴も魅力的でした。恐らく会場の5割ぐらいの人のお目当だったろうソ・イングク演じる爽やか系お歯黒キチ○イも良かったです。せっかく着替えてもすぐ人を殺すので結局ずっと血塗れというトンデモナイ鬼畜野郎でした。

どっかの回でも書きましたが、格好良い映像と魅力的なキャラクターがあれば意外と良い映画って出来てしまうのではと思えます。まぁその2点が難しいから頭を抱えてしまうような映画もあるんでしょうけど。

まとめ

以上が私の見解です。
非常に満足度の高い秀作。ただ続編匂わせなラストじゃなかったら良かったのにと思います。続編あるならそりゃ観たいけどスパッと終わってくれた方が気持ち良かったな。

そしてこれはもう恒例の現象。文字通りの出血大サービスなぶっ飛んだ映画を観た後はめちゃくちゃ腹が減ります。間違いなくカロリー消費率が半端ないんだよ、だからこのタイミングでささみ肉とか喰うと瘦せるんだきっと。エクストリーム系映画ダイエット法の伝道師にでもなろうかな、根拠ないけどw

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。