キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第200回:短編映画祭り開催!最近観た短編映画の話

さてさて、今回で200回目です。イェーイ!(まぁ特別回なるものを含めると202回目ですが)一応区切りなのでいつもとは違う最近の話を。

私、兼ねてより好意を持っていたU-NEXTと契約致しました。目出度い!それに伴いDisney+とは袂を分かつ事にしましたが。月額2000円オーバーはさすがに高いと躊躇してたんですけど『ベイビーわるきゅーれ』(2021年公開)を始めとした阪元祐吾監督作品やスナイダー版『ジャスティス・リーグ』、『ウォッチメン』や『バリー』といったHBOのドラマシリーズなど観たいと思っていた作品がことごとくU-NEXT配信ばかりなのでついに折れました。Paraviが統合されたのでTV番組もぼちぼち見られたり無料で雑誌や漫画の閲覧も一部可能、毎月貰えるポイントを映画館のチケットに変換出来るのも良い。そして何より圧倒的過ぎる作品数なのでまぁこのぐらいの値段になるのにも溜飲が下がります。

そんな膨大な作品を誇るおかげか意外と短編邦画が多い事に気付きました。短編映画は映画館じゃなかなかお目にかかれない代物。現在ドラマや映画で活躍している監督や役者の駆け出しというか黎明期なんかもチェック出来たりするのも結構面白いです。という事で今回は私がここ最近観た短編邦画を幾つかピックアップして語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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↑関連する写真が無かったので、最近撮った摩訶不思議な写真を。

↓ちなみに100回目は2021年のベスト映画でした。時が経つのは早い。

captaincinema.hatenablog.com

カランコエの花』

こちらは2018年の作品。とある高校のクラスで突如「LGBTについて」の授業が行われたことをきっかけに、クラス内にLGBT当事者がいるのではないかという噂が広まっていく様子を描いています。今やLGBTに加えQIA(Queer,Intersex,Asexualの3つ)がプラスされ正直もう何が何だか付いて行くのに必死な状況ですが、日本でもこうしたセクシャリティを扱った映画が増えてきた印象です。

ともあれ私の感想は「コミュニケーションって大変だなぁ」という事。登場するほとんど人物に悪意は感じられません。物語のきっかけになる授業を行った先生だって善意でやった訳ですから。しかし結果として当事者を追い詰める事になってしまう何とも形容し難い悲劇。善意や良かれと思った行動が時に牙を向くという事を感じました。

ちなみに今作には今田美桜笠松将が出演。今田美桜は現在放送中の木曜のTVドラマ『いちばんすきな花』が面白いですね。そう、冒頭で触れたのがこれです。両者とも2018年の時点でどれだけ知名度があったか分かりませんけど、こうした短編作品にも出てんだなってなります。

※こちらのU-NEXTでの配信は既に終了してるっぽい。他のプラットフォームでは観られるのかな?

『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』

そんな役者の出演で言えばこちらの作品も。

Netflixに「若手映画作家プロジェクト」って文化庁委託のプロジェクトで多くの若手作家が手掛けた短編作品のシリーズが配信されてるんですけど、その一つが2016年の『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』。仕事帰りのとあるサラリーマンがコンビニで女性店員にクレームをつけている客を目撃。すると何を思ったのかその客に飛び蹴りを食らわせたサラリーマン。その飛び蹴りに心をつかまれ、それ以降、クレーマーを見かけるたびに飛び蹴りを続けるというぶっ飛んだお話。このサラリーマンを仲野太賀、コンビニ店員を岸井ゆきのが演じています。思わず“ぬぉ!”ってなりましたよ。正直内容自体はそこまで刺さりませんでしたけど、ちょっとお得感がありました。

なお本作の監督 佐藤快磨はその後、仲野太賀主演で長編映画『泣く子はいねぇが』(2020年公開)を撮っています。秋田を舞台にしたしょーもない男の里帰り映画。こっちは結構好きだったな。

『いつも難しそうな本ばかり読んでいる日高君』

お次は5~6分ぐらいの超短編作。主人公の女子高生(當真あみ)が帰り道、バス停で一度も会話をした事のないクラスメイト 日高君に遭遇。難しそうな本を常に読んでいる日高君に思い切って話しかけてみる という青春コメディ。

観た後、真っ先に思ったのは「うぁ俺じゃん…」。あんまり言うとネタバレになるんですけど、本を読むのが好きなのではなくある別の理由で読んでいた日高君。私も学校の昼休みとか本読んでたもんなぁ。シンプルに読書が好きなのと同時に多少同じ理由で読んでいた節はあるなと。

監督は『まともじゃないのは君も一緒』(2021年公開)の前田弘二。どうりで生きるのが不器用な人の描き方が上手いわけで。新作がそろそろ公開らしいのでそれも楽しみです。

『そこにいた男』

お次は『さがす』(2022年公開)の片山慎三監督の短編作。

とあるマンションのエレベーターホールに全裸で血塗れの男性が倒れており、その横には煙草を吸いながら誰かに電話を掛ける女性の姿があった。その女性は警察の取り調べに対し男との関係を語り始めるといったサスペンス。緻密に張られた伏線は見応え充分。なかなかの鬱展開にじっとりとした湿度の高さも相まって30分程度の作品ですが、良い意味で疲弊させてくれます。

ただ一つ言わせて欲しい。それがモザイク問題。結構あからさまにモザイクが掛るシーンがあるんですけど、なんて言うか映画にガッツリなモザイクって観ていて逆に恥ずかしくなるんすよね。“いやアダルトビデオ見てるんじゃないだからさぁ…”みたいな。まだ一人で観てるぶんには良いですけど、映画館でこの状況に遭遇するとテンション下がります。もう映すんだったら堂々と見せなさい!w

『修羅場ランド』

最後に冒頭で名前を挙げた阪元祐吾監督の作品を。学生時代の撮った作品らしいバイオレンス作品。金目当てにオヤジ狩りを行った不良大学生2人組。しかし相手が悪くそのオヤジはヤクザの頭。何とか逃げた側の学生は報復のため徒党を組み、かたや逃げれずヤクザに捕まった側の学生は、逃げた仲間を捕まえるようヤクザの部下と徒党を組むことになる。

一言で言えば超暴力。殴って刺して撃っての殺傷方法フルコンボ。多少粗さやチープさを感じるのは否めませんが、逆にそれが味になっているのも確かです。なお、同じく学生時代に撮ったという長編作品『ハングマンズ・ノット』(2016年公開)もオススメですよ。狂人大学生vs凶人チンピラ兄弟の血で血を洗う抗争。これまた凄まじい暴力と厭な人間描写があります。こんな映画を撮っていたと思うと3作目の公開も決まった「ベイビーわるきゅーれ」シリーズは随分ウェルメイドになったんだと感じます。

まとめ

以上、短編映画というか短編邦画の話を適当に語ってきましたが、こんな話をしていたら思い出しちまった。

私どうしてももう一度観たい短編映画があってですね。それが確か数年前の新宿であったショートフィルムのイベントで観た『リッチーとの1日』って作品です。たしかアメリカの作品で、自死を選ぼうとしていた主人公が疎遠になっていた妹?の中学生ぐらいの娘の面倒を1日だけ見ることになったって話でこれが滅茶苦茶良かったんです。でもどこにも配信されてないっぽいし、円盤があるのかよく分からんしなぁ…。観たいなぁ~。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。