キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第224回:映画『デューン 砂の惑星 PART2』感想と考察

今回は現在公開中の映画『デューン 砂の惑星 PART2』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

f:id:captaincinema:20240318143429j:image

イントロダクション

フランク・ハーバートの同名SF小説を映画化した2021年公開の『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編。

人類に必要不可欠の香辛料の採掘が出来る惑星アラキスの覇権を巡るハルコンネン家の陰謀によって一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は、砂漠の民フレメンと共に反撃の狼煙を上げる。そんな中、ハルコンネン家の冷酷非道な次期男爵フェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)が惑星の新たな支配者としてフレメン抹殺のために動き出していた。

監督はドゥニ・ヴィルヌーブ。いやぁ前作の時は有給休暇取って初日に観に行くぐらいのテンションでして好きな監督なんですよ。ただ前作は有給休暇を取る程満足したかと言われるとそうでもなかったので今回は普通に休日に行きました。ヴィルヌーブ監督にはそろそろ『ボーダーライン』(2015年公開)みたいなサスペンスに戻って来て欲しい気がしますし。

前作に引き続きティモシー・シャラメを筆頭にレベッカ・ファーガソンゼンデイヤジョシュ・ブローリンハビエル・バルデムと豪華キャストが再集結。さらに今作ではフローレンス・ピュー、レア・セドゥ、クリストファー・ウォーケンも登場。キャスティング頑張りまくってますね。

↓前作についてはこちら

captaincinema.hatenablog.com

凄い!でも面白い?

この映画を一言で言い表すなら“凄い!”です。前作同様の映像の超スケール感やモダンな色彩、各軍の衣装の感じも良かったです。やっぱサーダガーの出で立ちがかっけえよ。前作みたくワイヤーでゆっくり降りてきてバンバン敵を屠る活躍が観たかった。そして今回は音響に磨きがかかっていた気がしました。重低音が体にズドンと響いてくる感じ。この感覚は『トップガン マーベリック』(2022年公開)以来だったかも。

ただ面白かったかと問われる微妙。ストーリーが何だかよく分からないので…いや、おおまかには分かりますよ。予言や運命(この運命はヴィルヌーブ監督のSF作品に精通するテーマでしょう)に翻弄された青年が人々をコントロールしプライドや権力のために殺し合いをさせるという現実で行われている戦争となんら変わりない展開。平気で核兵器をちらつかせ脅すのなんて気分悪い、愚かな人間たちの群像劇といえます。

このストーリーを通して現代へのアイロニーかヒロイズムな英雄伝を描きたいか曖昧な気もしますが、シーンとシーンの繋がりの曖昧さの方で混乱しました。例えば序盤、砂漠の民フレメンの仲間になるための試練として砂漠を一人を進んで夜を明かせみたいな展開になるんです。そこでデカいムカデより小さいムカデに気を付けろとか砂漠の妖精に惑わされるな…みたいな忠告をされるんです。じゃ当然そのシーンが出てくると思うじゃないですか。しかし登場はなし。ちょっとすると突如香辛料採掘の襲撃シーンが始まります。こんな感じで唐突な場面展開が連続する形式で進んでいくので、誰が何処で何をしているのか物語を追うのが大変。ってか前作に比べてテンポアップし過ぎでは?

つまり技術特化型といった作品です。少しでも気になっている方は映画館、なるべく設備の良い上映スタイルで観るべきです。逆に自宅のTV画面なんかで観たら魅力の大半を失った凡作を目の当たりにする事になるでしょう。

まとめ

以上が私の見解です。

だいぶ腐す内容になってしまいました。好きな監督だけにモヤっとする。シーン単体で観ると今回の方が良かったのですが、映画全体の完成度として観ると前作の方が良かったなぁ。ってな感じでどっこいどっこいな状態なので、恐らく既に製作に入っているであろうPART3を待ちましょう。次で完結?そしてアニャ・テイラー=ジョイが本格参戦かな?

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。

※ちなみに

私、本作はTOHOシネマズ日比谷の1スクリーンで観ました。IMAXで観ろよとか言われそうですが、ラージフォーマットのスクリーンに音響も結構良い箱。何より新宿や池袋に比べ客の治安がよろしいので、あそこで観たい作品が流れてると積極的に選択するんです。しかし今回行ったら気付かぬ内に高い料金を払って座るボックス席が増設してたんですよ…。あぁ勘弁してくれぇ~ よりによって私がよく座ってた列がぁ~。そうやって金をむしり取るんですか、世知辛いっすわ。