キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第223回:映画『ゴールドボーイ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ゴールドボーイ』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

f:id:captaincinema:20240312194042j:image

イントロダクション

『バッド・キッズ 隠秘之罪』でドラマ化され中国で人気を博した紫金陳(ズー・ジェンチン)の小説「悪童たち」を原作に日本で映画化したクライムサスペンス。「三体」といい何だか最近中国産小説のブームが到来しているのか?

沖縄で財を成すグループ企業の婿養子である東昇(岡田将生)は、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。完璧なアリバイで事故死として処理されるはずだったが、偶然にも3人の少年少女が殺人の証拠をカメラでとらえていた。各々複雑な家庭環境を持つ3人はそんな環境からの脱却のため、東を脅迫して大金を手に入れようと画策する。

監督は金子修介。特撮映画の傑作として名高い平成ガメラシリーズを手掛けた監督です。確かにあれは素晴らしいですよ。とくに私は『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』(1999年公開)が大好き。子ども頃はトラウマ映画だったんですけど、数年前のリバイバル上映で観て感動したなぁ。また「デスノート」シリーズの実写映画もやってるようです。友人にあれ観て藤原竜也が好きになった奴が居たな。

主演は岡田将生。最近だと『ドライブ・マイ・カー』(2021年公開)が印象深いですが、個人的にはTVドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の顧問弁護士の“シーズン3”が良かった。理屈っぽくて面倒くさいけど嫌いになれないキャラでした。

そしてもう一人の主演が羽村 仁成。私お初にお目にかかりますでしたが去年の『リボルバー・リリー』に出演している旧ジャニーズグループのジュニアアイドルらしいですよ。へぇーアイドルか、そのオーラは全く感じなかった。今後の活躍も期待出来そうです。

子どもを舐めるな

中学生が犯罪に手を染めるという内容は奇遇にもホットなタイミングでの上映になったかと思います。大阪で起きた男子大学生の転落死で中学生男女3人が逮捕され、何でも中学生たちが美人局をしようとしたのが原因ではないかという話。真偽はまだ不明ですが、もし本当なら中学生たちの狡猾さに身震いしてしまいます。

本事件においては大学生というまだ社会人ではない身分の成人相手でしたが、本作の中学生たちが相手取るのは大企業に勤める一端の大人にして冷静沈着な殺人犯。”流石に相手が悪すぎるぜぇ中坊よ”と思って観ていたら意外な展開を見せ、見事な心理戦と新たな死体が積みあがっていくことになります。いや結構人死ぬじゃんw

そんなサスペンスには子供の貧困問題や沖縄が抱える問題も感じられますが、何より「子供だから」が通用しない時代の到来を痛感させられました。インターネットの普及で幼い頃から多くの情報に触れ、精神的に未発達な状態で上辺だけの知識を身につけた彼ら。そこに子供だからこそ持ち合わせる”無垢な悪”が加わると手の施しようがないなと。こんな事を書いていたら去年の『イノセンツ』なんかも思い出しましたが、子供だからと舐めてかかると痛い目に合うかもというのは肝に銘じておきたいところです。

↓『イノセンツ』についてはこちら

captaincinema.hatenablog.com

まとめ

以上が私の見解です。

一応観ておこうぐらいの感覚で行ったんですけど思ってたより面白かったですね。

沖縄の夏なのにどこか温度の低い雰囲気と岡田将生が良いですよ。色んな回で書いてるかもですが、私お顔が整った人の演じるヤバい奴が大好物。人前じゃ同情を誘う顔なんてお手のものなのに、いざ本性を表すとニヒルな表情のサイコ野郎。”イケメン”という何処か畏怖を感じるポテンシャルが活かされていたと思います。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

参考:

女子中学生が「美人局」か 大学生が中学生3人から逃げる途中でビルから転落死 防犯カメラが中学生とみられる男女を捉える | 特集 | 関西テレビニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ