キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第135回:映画『サバカンSABAKAN』感想と考察

今回は現在公開中の映画『サバカン SABAKAN』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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↑このポスター画像、遠目で見るとアンディ・ウォーホールのスープ缶に見える。

イントロダクション

2人の少年の冒険と友情、それぞれの家族が描かれた青春映画。サバカンって栄養価が云々で一時期流行りましたよね。私も好きですよ、サバカンっていうより鯖自体が。焼き魚じゃ一番好きかもしれないあの脂のノリがうまいんですよね。〆鯖も良き。

舞台は1986年の長崎。斉藤由貴キン肉マン消しゴムが好きな主人公の小学5年生 久田(番家一路)。その年の夏休みある日、家が貧しく同級生からバカにされていた竹本(原田琥之佑)にイルカを見に海へ行くことに誘われる。最初は嫌々だった久田だが、様々なトラブルに見舞われながら徐々に竹本と友情を育んでいく。

主演の子役二人は映画初出演でしょうかね。お見受けした覚えはないな。また大人になった久田を草彅剛が演じています。草彅剛と言えば現在Disney+の配信とNHK BSプレミアムで放送のドラマ『拾われた男』で仲野太賀演じる主人公の兄ちゃんを好演してますね。“俺もデニーロみたいになったるわ!”って。

 

いざ真夏の大冒険へ

本作はずばり『スタンド・バイ・ミー』(1986年公開)的な王道な青春映画。と言っても私自身『スタンド・バイ・ミー』を観たのが随分昔。ぼんやりとしか覚えていませんが、個人的にはそこまで感動しなかった気がします。その点本作は、長崎の田舎という日本らしい風土感や昭和な匂いのするきっと今なお何処かに存在してそうな温かい家族が描かれているので、日本で生まれ育った人なら海外のジョブナイルものよりも感動出来るように思えました。

私自身同じ年代に生まれ育ったわけじゃないですし、同じような田舎で過ごしてきた人生でもありませんが随所随時に共感ポイントがあったのも懐かしさが高まる要素。特におっ〇いのくだりは分かるわぁ~。丁度小学生5年生って性を意識し始めるお年頃。だからなのか無意識のうちに視線がそこにいってしまうというか。釘付けになってる自分に自分で気付いて耳真っ赤みたいな記憶も蘇ります。まぁそれ以前にちょっと年上のお姉さんとの交流ってのがドキドキするんですよね。他にも100円玉を拾えば(よく自販機のお釣り取るとこに手突っ込んでたな)貯金箱へ直行だったし、竹本君みたいな年中半袖半ズボンの少年もクラスにいました。あと金〇ポリポリもしょーがないよ、ぶら下がってんだからw。

ちなみに真夏の大冒険を終えて家路に着いた“またね”を言い合うシーンがありますが、うぉー!これまた分かってんな!あの小学生特有の別れ方、それが私は好きなんです。よく夕方になると友達同士での下校であろう小学生たちが金輪際会えないのではないかレベルの別れをするのを見かけます(今はテレワーク中なので外から聞こえてくる)「じゃあねぇぇぇー!バイバ~イ!」を遠くなってもいつまでも精一杯叫び合う光景。きっと明日も会うだろうにと思うと妙にエモーショナルになります。いや~分かってくれる人はきっと私以外にもいるはず。

 

まとめ

以上が私の見解です。

子役二人の豊かな表情は勿論ですが脇を固めるメンバーもいい演技をしていました。特に尾野真千子演じるおかあちゃんが良い。観ていて清々しかったです。山頂からの絶景や人の少ない海の見える駅など映像も非常に綺麗ですし、この夏万人にオススメ出来る作品だと思います。

そういえば主人公は作文が上手でクラスでよく褒められる設定でしたが、私も割とそのタイプだったんですよ。小学生だったか中学生だったかの頃に同じようなシチュエーションがあって一瞬話題の人になったんですけど…。それだけでクラスの中心人物になるはずもなくすぐさま隅っこで生きるものに戻ってましたが。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。