キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第90回:映画『ボーダーライン』感想と考察

今回はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品『DUNE/デューン 砂の惑星』の公開を記念して私がヴィルヌーヴ作品で最も好きな(その時によって2016年公開『メッセージ』になるかも)2015年公開『ボーダーライン』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

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イントロダクション

アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争を描いたクライムアクション。第88回米国アカデミー賞では、撮影賞・作曲賞。音響編集賞にノミネートされた作品です。

アメリカを脅かす存在となったメキシコの麻薬カルテルを殲滅する作戦に参加する事になった主人公のFBI捜査官(エミリー・ブラント)。参加したのは良いものの、謎多きコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)が協力者としての参加していたり作戦の概要自体が見えない状況で繰り広げられる凄惨な暴力を目の当たりにし、善悪が揺らぎ次第に混乱をしていく。

主演はエミリー・ブラント。今年は『クワイエット・プレイス』の続編や『ジャングル・ブック』が公開され大活躍な印象ですが、やっぱり『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年公開)の続編が観たいぞ。続編の話ありましたよね?実現してくれないかなぁー。そして今回のDUNE/デューンにも出演しているジョシュ・ブローリンも出演しています。本作での初登場シーンがなかなか面白くてですね。お堅い感じの会議にサンダルで颯爽と現れるんです。なので私は勝手にビーサン兄貴と呼んでます。

そして製作陣もビックネームが揃ってます。脚本を手掛けるのはテイラー・シェリダン。人間のグレーな部分を描いたハードボイルドな作品が得意な方ですね。ただ今年公開の『モンタナの目撃者』はその要素が不足してたような気がしましたが。撮影監督はロジャー・ディーキンス。『007/スカイフォール』(2012年公開)や『1917/命をかけた伝令』(2019年公開)で知られる巨匠。本作ではストーリーも相まってか『ノーカントリー』(2008年公開)と精通するシャープでドライな映像が堪能出来ます。あっ『ノーカントリー』の主演はジョシュ・ブローリンでしたね。関連性多いな。

 

何だこれ?

正直な話。映画館での初見の際は理解が出来ませんでした。いつの間にか話が進んでいるというか、"そんな内容の作戦知らないんですけど…"なシーンが前触れもなく出てきたりするのです。しかし分からないからといって決してつまらないと感じる事はなく、寧ろ”何か凄いの観たんじゃね、俺?”な興奮の気持ちが残りました。その為後日改めて観てみると非常に恐ろしい映画であることに気付かされ圧倒されました。

その確たる所以が、ベニチオ・デル・トロ演じる謎のコロンビア人 アレハンドロさんの存在です。初っ端からただならぬ雰囲気を醸しており、人の心を失っている感が否めないキャラクター。そんな彼の素性と目的が明かされる瞬間に背筋がゾッとしました。ぶっちゃけ主役を喰っちゃってる存在感です。

また初見時の分からないという感情は正解で、混乱した気持ちを持たせるのための意図的な構成である事もみえてきました。まぁこれについて言及しちゃうと作品の旨味が無くなってしまうのでここまでにしますが「視点の変化」とだけは書いておきましょう。

 

ガンアクション好きとして

とにかく重厚感たっぷりでそこら辺のホラー映画よりも怖い結末が待ってる映画ですが、ガンアクション映画としても見応えがあります。

アレハンドロさんはMP5A3(サブマシンガン)とMK23(ピストル)をメインで使用。どちらもヘッケラー&コッホ社というドイツの銃器メーカーなんですよ。しばりプレーですか、良いチョイス。銃を構える姿も非常に様になってて最高です。またビーサン兄貴は、ダニエルディフェンダーM4A1を使用。最近続編の決まったNetfilx作品『タイラー・レイク/命の奪還』にも出てたやつですね。一部タン(薄い茶色)カラーになってるのがナイスなデザインです。その他グロックやコルトM4A1といった有名どころもちゃんと登場しています。

登場する銃器は去ることながら、アクションシーン自体も緊張感とリアリティーがあって面白いです。例えば序盤の国境付近のハイウェイで繰り広げられる銃撃戦(といっても一方的)のシーンは敵の発見から制圧までの流れに無駄がなく緊迫したものになっています。セミオートでの射撃スタイルもリアリティーがあります。それと終盤の洞窟での銃撃戦。主人公がメインウェポン(コルトM4A1)に被弾をするのですが、使用出来なくなってからのサイドウェポン(グロック19)に切り替えるあの動き。たまんねー!あれで白飯食えますね。

 

まとめ

以上が私の見解です。ちょっとマニアックな話が多くなりましたね。失礼しました。

ちなみに本作に続編にあたる2018年公開『ボーダーライン/ソルジャーズ・デイ』もおススメです。

ヴィルヌーヴ監督を始め製作陣が少々変わっているせいか、前作ほどストーリーに緻密さは感じられませんが、逆にガンアクション映画としての格好良さは増しています。アレハンドロさん、この作品ではUMPを主に使用してますが、またヘッケラー&コッホ社の銃なんですよ。H&K好きやね。仮に3作目があるとすれば、次はHK416をぶっ放してもらわないといけませんなw。

と、再び一部の人にした通じない事を書き出したのでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

↓『DUNE/デューン 砂の惑星』についてはこちら。

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