キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第133回:映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意。そして今回は非常に辛辣な内容が予想されます。本作がお好きな方や気分を害される方はどうぞお引き取りを。

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イントロダクション

現代に蘇った恐竜をテーマにした言わずと知れた大ヒットシリーズ「ジュラシック・パーク」シリーズの6作目にして最終章。「~パーク」から「~ワールド」に名称変更してからは3作目にあたります。ちなみに私、子供の頃は大の恐竜好きだったこともあり「パーク」3部作は思い入れの強い作品。何回観たんでしょうね。また2015年に公開した「ワールド」も結構好きでした。現代的なスケールアップをしつつも何より開園している状態に心が踊ったものです。しかし前作にあたる2018年公開の「炎の王国」はまったく好きではなかった。あんな滑稽な展開あります?って感じで今思い出してもモヤモヤします。

ジュラシック・ワールドのあった島は噴火で壊滅。救出された恐竜たちが後先考えずに世界中へ解き放たれた珍事から時が流れ、人類は恐竜との共存の道を模索していた。恐竜の保護活動を行うオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、世界中に恐竜が蔓延る元凶を生み出したクローンの娘を保護しながら、人里離れた地で暮らしていた。そんなある日、子どもをつれたヴェロキラプトルのブルーと再会。しかし、その子どもが何者かに誘拐されてしまう。

クリス・プラットブライス・ダラス・ハワードに加えて、サム・ニールローラ・ダーンジェフ・ゴールドブラムが演じる「パーク」シリーズに登場したキャラクターの復活も話題となっていました。今年日本で公開となった『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』&『ゴースト・バスターズ/アフターライフ』といい何だか最近過去メンバーが久しぶりに登場するのが流行っているようですね。それはそれで嬉しいのですが…。

最終章が「蝗」でいいの?

早々に毒のある記載が散りばまっていますが、まず訂正をします。イントロダクションで書いたあらすじは半分嘘でした。

今回の物語の軸となっているのが、白亜紀のDNAだかでビッグサイズと化しか蝗(イナゴ)。蝗の群れは深刻な食料危機を世界中にもたらす事になります。そんな蝗の進化に関与している学ばない人類代表な大企業の打破とそのバカ企業が蝗研究に利用しようと誘拐した前作で新手のバイオテロを行ったバカ娘と“ブルー”ことラプトルの子供奪還というのが主人公たちの行動指針となります。あれっなんか忘れてない?

そう、人類と恐竜は共生できるのか問題については何処へやら。蝗たちの主張が激しく恐竜は単なる賑やかしで物語の直接的なテーマではなくなっていました。おかげで一体自分は何を観に来たのか疑問に思ってしまう始末。中盤あたりの誘拐犯とのチェイスシーンは別に求めてないですし(2007年公開の『ボーン・アルティメイタム』っぽいシーンがあってちょっと面白かったけど)最後の最後にナショジオみたいな映像を見せられて“共生できます!”って意味わかんねーよ。

さらに大作映画でやりがちな薄味の恋愛模様も見せられるわ、新キャラおろかオリジナルメンバーにすら魅力的な場面のない印象だったりと散々たるもの。随所にオマージュシーンを入れていくらファンサービスをしていても「~パーク」の3作と「~ワールド」1作目にあった興奮や好奇心を得ることはありませんでした。これが最終章ですか…率直に言って撮り直した方が良いレベルだと思います。よくこんな脚本にゴーサインが出たもんだよ。

まとめ

以上、容赦なく殴らせて頂きました。

まさかの陳腐なイナゴディザスタームービーで最期を迎えた残念過ぎるフィナーレ。レジェンドたちのカムバックもどこか虚しく映ります。

蝗についてなら本作を観るより『バッタを倒しにアフリカへ』って新書の方をオススメしておきます。サバクトビバッタとバッタ研究家のアツき戦いが新書らしからぬ文体で綴られた非常に面白い本。昆虫嫌いな私でもサラサラ読めました。

あっでもディロフォサウルス君は相変わらず良い仕事してましたね。一番の功労者を観る価値だけはあるかも。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。