キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第18回:「コロナ疲れ」はアクションでぶっ飛ばせ!アクション映画列伝 Part2

では、前回の続きといきましょう。ちなみに、私が最近見て良かったアクション系の作品は、2007年公開『3時10分、決断の時』という西部劇です。なかなか男臭ーい映画でした。まぁ監督が『LOGAN/ローガン』や『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールドですからね。この方、アントワーン・フークア監督(『トレーニングデイ』や『サウスポー』等)と並ぶ、男臭い映画の名監督だと思います。

↓前回の内容はこちら。

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ボーン・アイデンティティー』(2002年公開)

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ある嵐の夜の海。漁師が海に浮かんでいる男(マット・デイモン)を救出する。意識を取り戻したその男は記憶を失っていた。一体自分は何者なのか?身元を調べているうちに、警察や謎の殺し屋たちに追われるようになるといったサスペンスアクション。

注目アクションシーンは、ナイフvsボールペンです。

やっとのことで休息の取れる場所を見つけたマット・デイモン。しかし不穏な空気を察して警戒していると、窓からマシンガンを持った殺し屋が乱入してきます。もみ合いの末マシンガンを叩き落とし、格闘スタート。しばらく拳のやり取りをしていましたが、殺し屋の方がプッシュダガーと呼ばれる小型のナイフを繰り出して来ます。マット・デイモン、“対抗する武器を”と机を探って手にしたのがボールペン。ボールペンを突き立て相手にダメージを与えていきます。これには「ペンは剣よりも強し」を校章に掲げた開〇高校や慶〇義塾の皆さんも、この物理的勝利に歓喜することでしょう。後で紹介します『ジョン・ウィック』でも鉛筆で2人の男を倒すシーンがあります。持つ人によってペンって強くなるんですよ。

ちなみにこのマット・デイモン演じるジェイソン・ボーンは、日常にある物を武器として戦うのが大得意なキャラクターです。2作目の『ボーン・スプレマシー』(2004年公開)では包丁を持った相手に、カタログを丸めた小学生のチャンバラ道具のようなもので戦ってました。3作目『ボーン・アルティメイタム』(2007年公開)では、分厚い本で殴ったり、タオルで相手の攻撃を受け流したりしてました。手にした日用品が武器になってしまう訳ですから、彼の回りには物を置きたくないですね。

 

ワイルドバンチ』(1969年公開)

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舞台は1900年前半のメキシコ。パイク(ウィリアム・ホールデン)が率いる5人のアウトロー軍団はメキシコの革命派の将軍に列車強盗の依頼を受ける。列車強盗を成功させたパイクたちだったが、将軍は彼らの命を狙おうとする。『わらの犬』や『戦争のはらわら』で知られるサム・ペキンバー監督の西部劇。

注目アクションシーンは、ラストの敵陣殴り込みです。

まず、乗り込む姿が格好良いんです。仲間の中で最も若い一人が将軍に捕まってしまっている状況。将軍のアジトには100人は超えているであろう兵士が居ます。仲間を、そして若者の命を見捨てるわけにはいかないと立ち上がる4人。「肩で風を切る」とはこのことを言うのでしょう。コソコソ忍び込むなんてせず、堂々たる姿でアジトへと乗り込んで仲間を返せと将軍に申し出ます。しかし残忍な将軍さん。4人の前でその若者の喉を切り裂きます。それが合図かのようにして銃撃戦が始まります。

 この銃撃戦、弾切れの概念なんてありません。ハンドガンやショットガン、更にはブローニングM1917A1の重機関銃をひたすら撃ちまくって敵をなぎ倒し、手榴弾を投げつけ吹っ飛ばします。この途切れることはない銃声と爆発音が5分以上続くのです。

銃声を浴びるように聞きたければこの作品だと思ってますし、銃撃戦シーン史上に最高レベルといっても過言ではありません。4人vs兵士たちの銃声と雄叫びの死闘。結末は是非その目でお確かめを。

 

ジョン・ウィック』(2014年公開)

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亡くなった妻の形見にあたるワンちゃんを殺され、愛車のマスタングを取られた元殺し屋のジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)。復讐を誓って再び銃を握り、裏社会へと戻っていくアクション作品。

注目アクションシーンは、ハンドガン&格闘で無双です。

このハンドガン&格闘はキアヌの戦闘スタイルなので、全編にわたって炸裂しています。なので、ここで紹介するのは初アクションシーンにします。何故なら、初めて見た時の衝撃は代えがたいものですから。復讐相手がロシアンマフィアのボンボンであることが判明。先手を打って来たのがこのロシアンマフィア。キアヌの自宅に手下を数人送り込みます。しかしキアヌの殺しのスキルは、数人じゃ足りるはずなかったのです。柔道のような投げ技や絞め技を駆使して相手を無力化。その無力化した相手の頭や胸に弾をぶち込んでいくのです。この時使用していた銃は、H&KのP30というハンドガン。反動軽減のためコンペンセイターを装着しています。とにかくこの銃さばきが最高にキマってます。キアヌ・リーヴス本人が実際に射撃のトレーニングを積んだだけあります。こんなにハンドガンが頼りがいのある映画は他にありません。

あっ、で『ボーン・アイデンティティ』で鉛筆の話をしましたが、この1作目では「あいつ、鉛筆で人殺したらしいぜ。」という内容の会話が出てくるだけです。直接的なシーンは2作目に登場するので、気になる方は是非チェックを。

 

イコライザー』(2014年公開)

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昼はホームセンターで働く心優しいおじさん。しかし夜は、悪人達を叩きのめす自警団と化す主人公、ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)を描いた作品。

注目アクションシーンは、ホームセンターでの戦いです。

「ホームセンター」と聞いただけで、うずいてしまうのは私だけでしょうか?色々あってロシアンマフィアを敵に回したマッコール先輩。ゴリゴリに武装した男たちに職場のホームセンターを占拠され、同僚を人質に取られてしまいます。敵がゴリゴリに武装しているなら、こちらも武装をするのが定石です。しかし、マッコール先輩は丸腰で挑んでいきます。なんせ今作の主人公は一度も銃を手にして戦っていないのです。では、どう敵を倒すのか。薄々お気付きでしょう。ホームセンターに売っている道具を使うのです。具体的に言えば有刺鉄線で首吊りにしたり、ドリルを頭に突きつけたり、ネイルガンで撃ち殺したりします。「人間DIY」ってところでしょうか。悪人に対する半端ない無慈悲さとマッコール先輩が強すぎるので、最初に「戦い」なんて表現を使いましたが「処刑」の方が正しいかもしれません。

話は少し変わりますが、冒頭でアントワーン・フークア監督の名前を出しましたね。こちらの作品も彼が監督した作品です。故に男臭い作品です。とにかく男が憧れる男を徹底して描いているので今作は「男の教科書」といっても過言ではありません。「マッコール先輩」と書いていたのはそういう理由があったからです。

 

ザ・レイド GOKUDO』(2014年公開)

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マフィアへの潜入捜査を行っている主人公(イコ・ウワイス)が、マフィア同士の抗争に巻き込まれ、様々な敵をボコボコにしなくてはいけなくなるという超暴力映画第2弾。この1作目はいつだか紹介しましたね。1作目とはだいぶネタが変わりましたが、アクションシーンのクオリティは全く落ちていません。

注目アクションシーンは、車以外も暴れるカーチェイスです。

 素性がバレたか、ミスをしたかは忘れてしまいましたが、囚われの身となり車に乗せられた主人公。その主人公を助け出そうと追う仲間の男。さらにそれを阻止すべく追う敵の三つ巴のカーチェイスが繰り広げられます。で、この暴力潜入捜査官は黙って車の中に捕まってるわけではありません。なんせ前作で50人以上はノックアウトさせている人間凶器ですから。運転手含め4人の男を殴る蹴る。シートベルトを巧みに使用して相手の動きを封じたりもします。いくらワゴン車で少し広いとは言え、車の中でここまで激しく殴り合いをするカーチェイスなんて今まで見た記憶がありません。作り手の皆さんは、車で激しく争うだけでは物足りなかったのでしょうね。

この主人公の暴力潜入捜査官も凄いですが、今作は彼以外にも個性の強い暴力キャラクターがわんさかいます。金属バットをちくわを繰り回すがごとく使うフード男や両手にハンマーを持ったグラサン女、常にニヤニヤしている最強のスポーツ刈りなどが出てきます。おかげで、日本のヤクザとして出演している遠藤憲一松田龍平北村一輝の影は薄いです。ジャパニーズマフィア、頑張れよ!

そういえば、これで2014年公開の作品が3連続で続きました。前回紹介した『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー』も14年公開でした。この年ってアクション映画がめちゃめちゃアツい年だったんですね。(『ジョン・ウィック』の日本初公開は2015年でしたが)

 

十三人の刺客』(2010年公開)

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最後は日本から。1963年に公開された同名作品を三池崇史監督がリメイク。舞台は江戸時代中期。民衆に対して残虐行為を行う暴君(稲垣吾郎)を暗殺するため、主人公の浪士(役所広司)が12人の男たちを集めて戦いを挑む時代劇。

注目アクションシーンは、「斬って、斬って、斬りまくれ!」です。

これ、シーンじゃないですね。13人のリーダーを務める役所広司が吾郎ちゃんに向けて放った一言ですが、この言葉通り斬りまくります。13人に対して吾郎ちゃんは200人以上の部下を引き連れています。数だけ見れば13人如きすぐにやられてしまいそうですが、様々なトラップを使ってあの手この手で奮戦します。また、13人が奮戦出来る理由として江戸時代中期という時代背景もあります。この時期は、戦のない平穏な時代。よって、戦いを経験していないどころか、人を斬ったことのない武士が多くを占めています。ですから吾郎ちゃん率いる部下は『コマンドー』(1985年公開)で言うところの「口だけは達者のトーシロー」ばっかりということです。

特に好きなシーンは伊原剛志演じる剣豪が、至る所に刀を刺した小道で暴れ回るシーン。二刀流で暴れ、切れ味が落ちると刺さっている刀を手に取り戦う姿は、まるで室町幕府13代将軍足利義輝の武勇伝のようです。(すみません。足利義輝についてはググって下さい。)そして斬りそこなって背後へ回った敵は、現朝ドラ主役の窪田正孝が斬り伏せます。この連携プレーは見ごたえあります。

そうだ。この作品紹介に乗じて少しぼやきます。最近の時代劇系統の映画って金勘定が絡むコメディースタイルばかりで、こうしたガチアクションスタイルはあまり見かけないような気がします。でも、今年は『るろ剣』の実写がありますね。決して嫌いではないシリーズですが、コミックが原作なのでどこか浮世絵離れしているというか、私が求めているものとは違う気がします。まぁ新作を見ないことには分かりませんが。

 

まとめ

こうしてまとめてみると私が好きなアクションシーンには、傾向が3つありました。

  1. 割と暴力的
  2. バックミュージックはない方が良い
  3. 空間が限られているとアツい

1に関しましてはね。別にグロテスクなものが見たいってわけじゃないんですよ。ただ、生ぬるくて中途半端な、いわば「見せるアクション」が好きじゃないのです。迫真性があって本気で相手をぶっ倒そうとするアクションこそが本来あるべき姿だと思っているので、おのずと暴力的なシーンに惹かれるわけです。

2は、シンプルです。バックミュージックがないと、ナイフや拳が空を切る「ヒュン!」って音や殴られたり蹴られたりした時の「バキッ!ボコッ!」が際立つからですね。

3は、限られた空間=逃げることが出来ないということ。また、体の動させる範囲も限られる場合があるので、スリルが増すというのが私の見解です。

 

 はい。ということで私のアクションへの偏愛を語ってきました。まだいくつかおすすめなシーンはあるのですが、気が向いたらにします。

ということで、ここら辺でお開きです。ありがとうございました。