キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第66回:映画『アオラレ』の感想と考察

今回は、現在公開中の映画『アオラレ』について語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

 

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イントロダクション

米国をはじめ、去年のロックダウン明けにスマッシュヒットを飛ばしたらしいアクションスリラー。日本でも度々話題となる「あおり運転」を扱っています。

主人公のお母さん。寝坊&渋滞のせいで、息子を学校へ送るのと仕事に遅刻というダブルパンチ喰らってイライラ状態の中、信号が青になっても進まない車にクラクションを鳴らし付けました。しかしその車を運転していたのは、絶対に怒らせてはいけないスーパークレイジーな奴だった。

原題は『UNHIGDED』で意味は「不安定」。確かにそのまま「不安定」にすると分かりずらいけど、なぜこんな変なタイトルになったのか。予告も思い切ったふざけっぷり(ラッセル・クロウに「あおってんじゃね!」って言わせておいて「お前が言うな!」と突っ込みのナレーション入れるのは爆笑)で清々しいので寧ろ良いのですが。

そんなコントみたいなことになってる、『ビューティフル・マインド』(2001年公開)や『グラディエーター』(2000年公開)のラッセル・クロウがあおり運転の究極形態を演じています。それにしても、いつの間にあんな巨漢に。髭面と相まってまるで熊です。役作りであると信じてますよ。

 

好きな要素たっぷりだわ~

私にとって本作は、さながらミックスフライ定食でした。好きな要素てんこ盛りです。

まず、「あおり運転」ということもあって荒っぽく暴力的なカーチェイスが展開されます。これは『マッドマックス』シリーズ大好き人間からすると、スタイリッシュなカーチェイスより断然タイプ。化粧しながら運転してた人がとばっちり食らって、吹っ飛ばされるシーンとか不謹慎ながら吹いてしまったw。

また1993年公開『フォーリング・ダウン』の要素も感じられましたね。どうしてあんな暴力的でクレイジーな人物になったのか?決定的な要因がはっきりすることはありませんが、現代社会に蔓延る様々な不満やストレスが積もりに積もった結果ということを察することが出来ます。これって『フォーリング・ダウン』の主人公と似たような設定です。思えば「渋滞」が事の始まりであった点も共通点ですね。終わりのないインフラ工事、都市部への人口集中で起きる諸々のトラブル、物価の高騰、経済格差…。90年代から何も変わってないし、寧ろ酷くなっているのかと思うと何とも皮肉な話です。

さらに、ラッセル・クロウの眼光の鋭さと誰であろうと容赦しない狂人っぷりは1986年公開の『ヒッチャー』に登場するサイコ野郎ジョン・ライダーらしさを感じたのは私だけじゃなはずだけどなぁー。

以上、約90分の間でこれだけの旨みを感じさせてくれました。こりゃ贅沢です。

 

実は啓蒙映画?w

単にぶっ飛んだ映画というわけではなく、私は本作から2つの教訓を学べると思いました。

 

1.警笛はやむを得ない時のみ鳴らす

真っ先に思ったのが運転教本にこんな文言が書いてあったことでした。本当に危険だ思うほぼ反射的に鳴らす場合と、あとは視界の悪いカーブで警笛鳴らせの標識がある場所ぐらいで、頻繫に使うことはないはずなんですよね。しかし、世の中教科書通りに成り立っているわけではないのは街に繰り出せば簡単に分かることですね。例えば道を譲ってくれたりした際などの「感謝」を示すクラクション。これでさえ意味を履き違えたり、要らないと感じる人も居るみたいですし。

私個人はペーパー君なのでさほど関係ないですけど、クラクションはトラブルになり兼ねないので極力使用しないことをオススメしたいと思います。

 

2.知らん奴には喧嘩吹っ掛けるな

ジョン・ウィック』(2015年公開)にせよ『イコライザー』(2014年公開)にせよ、チンピラたちが喧嘩吹っ掛けた相手が実は殺しのプロだったという映画が多くあるように、どんな奴かも分からず喧嘩を売るとつくづく痛い目に合うなと思わされることが映画を観ているとあります。本作もそう。もう少し冷静な判断が出来ていれば、あんなデスレースを繰り広げる必要はなかったわけですよ(まぁ冷静で居られるとお話にならないんですけどw)。

犯罪のニュースなんかを見てても「まさかあんなことをする人には見えなかった…」という周囲の人の証言が飛び交うように(印象操作の可能性はあるけど)何をしでかすか分からないのが人間。ちょっとでもヤバい雰囲気を察したら関わらないのが、幸せに生きる処世術ですな。

 

まとめ

 以上が私の見解です。

こうしたハリウッドらしいエンタメ作品を映画館で観るのが久々だったこともあって、なかなかの満足度でした。

しかし上映している映画館や時間帯少なくないか?まだ公開2~3週目ぐらいなのに私が観に行った映画館では、休日の時点で3回程度しか上映してなかったですね。そりゃ諸々の邦画に比べたら集客見込めないとは思いますが、洋画が少なくなってる状況からするともっと重宝されても良い気がするんだけどなぁー。しゃーないか。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。