それでは後半戦は、様々な「ベスト」から2021年の映画を振り返っていきます。あっ最初に言っておくとTVや配信サービスのドラマの話もするかもです。またややネタバレがあるかもしれないのでご注意を。
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↑今年の前売り券たち。やっと007の前売りが使えたわ~
う〜ん…な作品賞
それではまず初めに一石投じたくなった作品、いわゆるゴールデンラズベリー賞の開催です。あくまで個人的に納得出来なかったので悪しからず。それでは3作品のご紹介です。
・『カポネ』
アメリカの禁酒法時代に名を馳せたギャング アル・カポネの晩年を描いた作品。
病気でボケ老人と化し尿漏れや脱糞をするトム・ハーディは鬼気迫る演技をしていますが、残念ながら頑張り損。ヴェノムの続編の方がよっぽど良い作品だったと思います。
そもそもギャングスターが病気で衰弱する姿を描く事で一体何を伝えたかった、何を楽しめば良いのかがいまいち掴めず心が動きませんでした。
また幻覚と現実が交錯するシーンが多々ありますが、その見せ方もあまり上手いとは思えませんでした。しっちゃかめっちゃかというか、まぁそれが見せたかったんでしょうけど『ラストナイト・イン・ソーホー』の方がメリハリがあってよっぽど良かったです。
監督はあの『ファンタスティク・フォー』(2015年公開)の方でしたか。あぁなるほど(察し)。
・『モンタナの目撃者』
いや悪くはないです。銃器描写のこだわりや相変わらずのジョン・バーンサルの渋さもありましたし、普通に楽しめるサスペンスアクションではあります。ただ私の期待値が高過ぎました。なにせ『ボーダーライン』(2015年公開)の脚本を手掛けたテイラー・シェリダン監督ですからね。今作はそのテイラー・シェリダンらしいキレのあるストーリーテリングを感じられず、いまいち気持ちがのりませんでした。
ラストの山岳レスキュー隊員vs暗殺者もなんだかなぁー。山火事をバックに取っ組み合うというのは単純だった印象。あんなにゴリゴリにカスタムされたグロックの活躍がほとんどないのも残念でした。
・『マトリックス レザレクションズ』
満を持して公開したキアヌ・リーブス主演の人気SFシリーズの4作目。
公開すると聞いた時点で“どうなのよ?”って気持ちがありましたが、その感情は鑑賞後もそのままでした。何でしょう「人類の救世主」みたいな壮大なお話からパーソナルな方向にシフトチェンジしている印象を受けたので、どう受け止めてば良いのか混乱したました。これ『トイストーリー4』(2019年公開)を観た時と似た感覚です。『トイストーリー4』の方はまだ狙いが分かったので良かったのですが、こちらは咀嚼出来なかったな。
もう一点言いたいのがアクションシーン。シリーズ内でシリーズに登場したシーンのオマージュをやるのはちょっと違う気がします。それは二番煎じではないですか。その割にはマトリックスらしい厨二心をくすぐられるシーンはなかったのでどうなのよ?
はい、禊の時間は終了です。辛辣な発言が飛び交いましたが安心して下さい。ここから褒めちぎりますので。まずは俳優賞です。
ベスト俳優賞
各国際映画祭では男女別を撤廃する動きがありますが、そんなの知らん!だって優柔不断な性格の人間が1人に絞れるわけがないので。男女別で主演&助演で4人の発表です。
主演男優賞
人じゃねぇ!でもほら今の時代「多様性」ですから!ww
冗談はさておきトップ10に入れた理由の一つでもあるんですけど、とにかく今回のゴジラさんは表情が豊かだったことに感動しました。コングの方は動物のカテゴリーで言えば人間に近いのでまだ分かりますが(いやコングも良かったよ)。まさかあんな鼻をふんがふんがさせたり、ゴングとの別れ際では背中で語ったりと演技の幅が広いこと。っていうかゴジラさんはオスでよろしいのかな?
人で言うなら『すばらしき世界』の役所広司かお疲れ様の意味も込めて『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のダニエル・クレイグでしょうか。あと『ライトハウス』のロバート&ウィレムコンビも良かったですね。
助演男優賞
仲野太賀(『すばらしき世界』・『あの頃。』他 より)
極論、今年のベスト俳優を選ぶとしたらこの方でしょう。映画では『すばらしき世界』(役所広司演じる三上さんの背中を流すシーンが印象的)や『あの頃。』(こちらは私配信で観ましたが映画館で行けば良かったな)の出演と大活躍の中、決定打となったのは『コントが始まる』でした。これTVドラマなんですけどねw。特に印象深いのは割と序盤。笑っていたと思ったらいつの間にか泣いているというシーンがあったのですが、一体どうすればそんな表情が出来るんだと驚きました。とにかく泣きの演技の幅広さは末恐ろしいレベル。今後は助演はもちろん主演の作品も増えていくことを願ってます。
そういえば『ONODA 一万夜を超えて』にも出てたんでしたっけ?見逃したー。
主演女優賞
ジョディ・カマー(『最後の決闘裁判』より)
まず、あんな苦しい役どころをよく演じ切ったなというのが一番の賞賛ポイントです。いくら演技いうたってあれは心がボロボロになるでしょ…。役者の精神力って並大抵なものではないと思わされました。
また『最後の決闘裁判』より前に公開となった『フリー・ガイ』も良かったですね。ラストは胸キュンだったもんね。
それでは助演女優賞…と行きたいところですがすみません。もう一人主演女優賞として名を挙げます。もうこれは気分の問題なのでやりたい放題です。
有村架純(『花束をみたいな恋をした』より)
以前から「有名どころの女優さん」ってイメージはありましたけど、こんなに表情豊かな上手い女優さんだという認識はありませんでした。それに『花束みたいな恋をした』に再び登場『コントが始まる』と「オタクの鑑」みたいな役どころが連続したこともあって私の中で好感度が上がりまくりました。
私は観ていませんが『るろうに剣心 最終章』が良かったというのも友人から聞いていますし、今年のエンタメ界を語る上では外す事が出来ない活躍ぶりだったと思います。
おかげさまで私『有村架純の撮休』なる本人出演の妄想ドラマを2周しました。あのドラマまたNetfilxで復活しないかなぁ~(また見る気でいる奴)。
続いてはベストアクション賞。アクション映画はいかに格好良いシーンがあるかが重要と考えている私が、今年観た作品でテンションの上がったアクションシーンの選出です。
ベストアクション賞
格闘部門
『Mr.ノーバディ』 バスファイト
冴えないおじさんが実はめちゃくちゃ強かったムービー。覚醒の瞬間となったバス内でねーちゃんにちょっかいを出すチンピラたちをボコすシーンは格闘部門のベストです。
そもそもバスの中という狭い空間で殴り合うという行為は、逃げ場がないかつ腕や足の可動域が限定されるため、いかにコンパクトな動きで相手を倒すかって話になってくるので、そこにスリルを感じて好きなんです。
今年はマーベルヒーロー映画『シャン・チー』にもバスファイトはありましたが、こちらはちゃんと痛々しさが伝わってくる点が良かったです。
※映画だけでなくドラマも含めれば、Netfilxの韓国産ノワールアクション『マイネーム:偽りと復讐』が非常に素晴らしいかったです。ハリウッドはガンファイトが得意なのは確実ですけど韓国作品はナイフファイトが得意と位置付けられると思っています。そのナイフファイトの凄まじさときたら圧巻。主人公(時々有村架純っぽく見えるのは俺だけじゃないはず)の倒された状態からでも攻撃を繰り出す超攻撃型な戦闘スタイルも最高でした。それにしてもみんな刺身包丁好きだね。日本のヤクザで言えばドスのポジションですね。
射撃部門
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』階段での銃撃戦
終盤、階段の上から投げつけられた手榴弾の爆発と共に開幕す長回し銃撃戦。もう長回しの時点で優勝ですが、メインウェポンであるM4系のライフル(ダブルマガジンってのがナイスデザイン)からサイドアームであるSIGp226への切り替え方が無駄がなく流麗でした。
最後は今年印象に残った予告編を紹介。
ベスト予告編賞
『アオラレ』
映画館で観て思わず吹いてしまった予告。ラッセル・クロウの「煽ってんじゃねーよ!」に「お前が言うな」のナレーションに爆笑です。謎のターミネーターBGMとか絶対ふざけてるよね?w
しかし映画そのものは決してコメディではなく熊みたいなおっさんが追撃してくる怖い映画。本編自体も結構好みな作品だったこともあり受賞です。
まとめ
以上、今年の締めくくりとなる2021年映画の諸々ベストでした。
あぁ何とか年内に挙げられたわ。来年になっちゃうとね、歯切れ悪いっすから。去年と比べて投稿数も増やせましたし、アクセス数もありがたいことに2000を超えました。まぁこんな感じで自分のペースで来年も自由気ままに語りまくろうと思います。
ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。