キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第46回:2020年ベスト映画(後編)

さて、2020年のベスト映画を振り返る後編の今回は、印象に残った俳優やちょっと一石投じたくなった作品を映画祭気分で賞を授与するというやや上から目線な感じで語っていきます。なお、こちらも同様、再上映作品は選考の対象には含めていません。

 

今年のベスト10作品はこちら。

captaincinema.hatenablog.com

 

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↑今年のムビチケ。少なっ(007のムビチケもあるんだけどねぇ…)

 

 

う~んな作品賞

それではまず、個人的にう~んっと思ってしまった作品の発表です。あれです。ゴールデンラズベリー賞ってやつです。今年は2作品です。

 

スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

言わずと知れたSWシリーズの第9作目。新三部作を締めくくる言わばシリーズの通信簿です。好きな人も多いはずなので開始早々大乱闘ですかねw。でも自分に噓を付くのは嫌なのでハッキリ言います。なんじゃこりゃ?通信簿で言うなら、推薦入学はまず無理といったところです。

まずストーリーですが、唐突で回りくどい宝探しを始めます。これ見た時『ハリーポッター』シリーズの分霊箱を真っ先に思い出しました。人気がある超大作の最終章はたいてい宝探しの冒険をしがちなんですよね。別に嫌いじゃないですし筋が通っていれば何ら問題ないですけど、まさかこの展開をSWシリーズで見ることになるとは思いませんでした。キツイ言い方をするなら、あるあるネタで守りに入りマンネリ化してしまった感じがしました。

そして、なんと言ってもラスボスの唐突な登場も衝撃的でした。まさかのオーニングで流れるいつもの格好いいクレジットの文中に登場しているのです。その名前が。あれを見た時は思わず、隣の人にも聞えたであろうボリュームの「はっ?」が出してしまいました。 予告で匂わせてたからといって、そりゃないぜ。しかもあんな簡単に登場させちゃったら旧3部作で培ってきたルーク・スカイウォーカーたちの努力がほぼ無かったことになるのでは?そこまでSWの熱狂的なファンではないので傷付きはしませんでしたが、今までのシリーズのファンの中には悲しんでる人が居ると思います。

勿論、ライトセーバーの音が映画館の音響で聞けるだけで幸せですし、ポー&BB8のコンビは割とプッシュしていきたい人間なので良い部分もあったと思います。ただ今までのシリーズを良くも悪くも色んな意味で壊した最終章だったと思います。

 

『ミッドウェイ』

ミッドウェイ海戦を描いた戦争映画。監督は子供の頃は割と好きだったローランド・エメリッヒです。そうなんです。子供の頃は、単純に“スケールでかっ!”で楽しむことが出来ました。しかし、年を重ね単純なハートではなくなるとシリアスとコミカルが混同していて一体どっちのリアクションを取って良いのかが分からなくなる時が出てきたのです。“相当な人間が死んでる、これは大変だ”って空気を感じ取り深刻な気持ちになっているのに、急にジョークが炸裂。“えっ?今の笑って良いの?”という感想にしかなれません。徹底しておバカを貫いて、“バカっこいい”になればなぁーっと思ってしまいます。

しかし今作は戦争モノということもあってか、シリアス路線一本。なのにダメだった理由。それは客観性を謳っておきながらそうは見えなかったからです。 

その決定的だったのが、主人公のポジションが客観性には欠けるような気がしたからです。真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までが今作で扱われる範囲なのですが、主人公はその期間、各戦場で華々しいを戦績を納めていきます。つまりヒーローです。こうした敵倒しまくるヒーローが登場する時点でプロパガンダ要素が滲み出て、客観性があるとは思えなくなるのです。主人公をどのような人物像にするかが戦争映画において一番難しいのかもしれません。

また今年は『1917/命をかけたの伝令』や『ジョジョ・ラビット』のような優れた戦争映画が乱立していたので、分が悪かったかなぁー。

 

はい、終了!嫌な気分になった方はすみませんでした。ここからは褒めることしかしないのでご安心を。では各俳優賞に参ります。

 

主演男優賞

 

マット・デイモン(『フォードvsフェラーリ』より)

レースドライバーとしてルマンを制した経験を持つカーデザイナーのキャロル・シェルビーを演じていましたが、今まで私が観てきたマット・デイモン史上最高だったと思います。

上層部と現場の板挟みに合う苦しいポジションなんですが、上層部に平気で噛み付く男気に溢れる一面があります。また勝つためには、セコい手も辞さない生粋の勝負師でもあり、とにかく格好良かったです。ストイック過ぎる役作りで有名なクリスチャン・ベイルがレーサーのケン・マイルズを演じており、そっちばかりに目が行きがちですが本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

そしてなんと言ってもラストシーンで、涙を堪え唇を噛みしめた表情にグッときた。私もスクリーン観ながら同じような顔になっていたことでしょう。

 

主演女優賞

 

のん(『私をくいとめて』より)

脳内のもう一人の自分「A」と共に、お一人様ライフを満喫するOLを好演していました。

Aとの会話のシーンが作品の多くを占めており、独り言のシーンになります。ということはこれ、一人芝居ですよね。しかもワンシーンでの喋ってる時間が結構長い。相手が居ない状態で喋り続ける演技をするなんてシンプルに圧倒されました。

また感情にコントロールが効かなった時の暴走ぶりも良かった。特に怒り心頭なシーンは誰も手が付けられない状態でしたね。

ちなみに本作には、橋本愛片桐はいりも出演しているので、ほぼ『あまちゃん』です。『あまちゃん』と言えば私が唯一ガチになって観た朝ドラ。平日の8時に観ることが出来なかったので、夜のBSでの再放送を見ていたのが懐かしい。思えばあの頃から、彼女に魅了されていたという訳ですね。

 

助演男優賞

 

ロバート・パティソン(『テネット』・『悪魔はいつもそこに』より)

『テネット』のニール君、やっぱりいいキャラしてましたね。一筋縄ではいかない雰囲気をはらんだ感じが、いかにも腕利きのスパイに見えました。ラストの爽やかな笑顔も印象深かったです。

その直後に観たルガーP08が大活躍するNetfilxオリジナル作品『悪魔はいつもそこに』に若い牧師の役で出てていたのですが…。いや、はっきり言ってウン〇コ野郎。テネットではイケてる顔だと思ったのに、段々腹立つ顔に見えてくるわ~。このキャラクターの温度差に完全にやられました。

 

助演女優賞

 

フローレス・ピュー(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしたちの若草物語』より)

この方、今年は大活躍だったと思います。『ミッドサマー』での主演も見応えのあるものでしたが、私は特に『ストーリー・オブ・マイライフ』では姉が想いを寄せる相手を好きになってしまうという苦しい役どころを表情豊かに演じていたのが印象深かったです。

今年は主演を務めている『レディ・マクベス』って映画もどうやら公開されていたようですが、見逃した…。また、延期となっている『ブラックウィドウ』での好演、楽しみにしてます。

 

ベストアクション賞

 

・ウェルカム!地下壕(『ランボー/ラストブラッド』より)

弟を殺され、報復を行おうと武装集団を引き連れてきたカルテルのボス。待ち受けるのは自宅を要塞に変幻させた元グリーンベレーの殺人マシン「ランボーちゃん」。血で血を洗う戦争の勃発です。しかし情勢は一方的。戦争ではなくランボーちゃんによる殺人アートのオンパレードでした。トラップまみれの地下壕で次々と血祭りに挙げられる武装集団。その容赦なき様は今年屈指のアクションだった思います。

そもそも、あんな怪しさ満載の地下室なんて素人だって近ずかないです。しかし入ってしまった。だからこそ老体に鞭打ち狩りを遂行するランボーさんの勇姿を拝むことが出来たのです。ザコ敵の皆さん、ありがとう!

 

・スニーキングスーツ男 VS 看守たち(『透明人間』より)

透明人間というよりスニーキングスーツ男、めちゃんこ強かったですね。取っ組み合いのシーンは「見えない」を活かした非常にユニークなアクションシーンに仕上がっていました。

特に精神疾患と判断された主人公がぶち込まれた病院への殴り込みは見事なものでした。次々と看守たちをボコしていくスニーキングスーツ男。看守が銃を携帯していることにも臆ことはありません。スーツを着ただけじゃあんなに強くはなれないはず。あのモラハラ野郎、多分相当鍛えてましたね。

 

流行語大賞

 

「映画館へ行こう!」(映画館へ行こう!実行委員会より)

実際の使用頻度は無かったのですが、あえて挙げたいこの言葉。映画館が大好きな私にとって例年以上に目にし、意識をし、映画館の存在意義を再認識しました。映画館についての記事も色々書きましたし。まぁ流行語ではなく、今年一番意識した言葉という認識の方が正しいですかね。

 

↓映画館関連の代表的な記事はこちら

captaincinema.hatenablog.com

 

captaincinema.hatenablog.com

 

まとめ

以上、超個人的映画賞で、今年最後のブログ更新になります。

2月から始めて合計47の記事を書いてきました。仕事やプライベートの都合上、決して更新頻度が多いわけではない中、色々と試行錯誤をした1年。そんなに読者がいるような様子はさらさらないゴリゴリの自己満足ブログとなっていますが、改めて自分は映画を観ることと文章を書くことが好きな人間なんだということを実感しました。

来年はコロナがくたばって、延期となっている映画が公開され映画関連のイベントもあると信じているので、更新頻度が増やせると良いと思っています。

それでは、この辺でお開きです。ありがとうございました。