キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第152回:う~ん…と頭を抱えた2022年の映画を振り返る

さて、今回はクリスマス・イブの幸せムード流れる日になんてマイナスな企画を挙げるんだって話になります。

毎年、ベスト映画企画の後半で禊として行っていた個人的に頭を抱えた作品を振り返る儀式ですが、残念ながら今年は個人的にハマらなかった作品が例年よりも多かったので、1つの記事に独立させて先に大掃除を完了しようと思い至りました。というわけでここからは辛辣かつ罵倒が飛び交う事になります。仮にお好きな作品があっても怒らないでね。貴方は貴方自身の「好き」を信じて、私の戯言なんかに騙されないで下さい。そして毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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↑関係ないですが冬なので。まぁ微妙な作品を観た時の心はこんな感じですよ。

作品選びの選球眼が…

まず各作品を切り捨てる前にこんな話をしておきましょう。文中にも野球の例えを出すと思うので。

私、自分に合った作品を選び抜くセンスはそれなりに長けていると思っています。言い換えるなら駄作を回避する能力です。映画鑑賞を本格的に趣味にし始めた頃は手当たり次第に観ていたので良作にも駄作にもぶつかる事を繰り返していましたが、段々と自分の好みや傾向が分かってくるようになったんですね。そうして予告やあらすじをざっくり確認すれば“自分に合わない作品だろう”という直感が働くようになってきたのです。これを自分で「選球眼」と呼んでいるわけです。自分の得意球に手を出せば最悪2塁打ぐらいにはなる、そんなニュアンスです。おかげでここ数年は映画館で空振ることはごく稀。自分の選球眼を過信して上々の映画ライフを過ごしていたのです。しかし2022年はそう上手くはいきませんでした。トリッキーな難敵が多く、選球眼に狂いが生じたのです。

う~ん…な作品賞

それでは私の映画の選球眼を欺いて見事に空振りを取った6作品+αを紹介しましょう。覚悟しやがれ!

・大怪獣のあとしまつ

まぁ本作に関しては多くの人がボロクソ言ってたかと思いますし、今更掘り返したところで死体損壊みたいになる気もするので簡単に。

人類を脅かしていた超巨大怪獣が突然死亡し、その後処理に追われる人々を描いた異色のSF映画。怪獣映画だ!と安易に飛び付いたのが落とし穴だったか。端的に言って予告詐欺な映画です。予告編ではシリアスな雰囲気を装っておきながら、いざ蓋を開けるとジョーク・演出共に幼稚なコメディー映画。面白い発想はいくつもあったのにそのアイディアを活かせず飼い殺しにしているようにも見えました。畜生、これは見抜けなかったわ。

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・ドリーム・プラン

テニスプレーヤーのビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てたテニス未経験者の父親を基にしたヒューマンドラマ。主演を務めたウィル・スミスが本作で主演男優賞を獲得しました。

あっ平手打ちは関係ないっすよw。感動ではなく違和感の残る演技派作品。正直こういうのを美談として語るのは古臭いと感じました。娘たちがグレずに偉大な結果を残したから良かったものの、夢や目標を強要するような教育姿勢はどうなんでしょうか?あれです、医者の家の息子が必ず医者を継ぐようにスパルタ教育を叩き込む堅苦しい家族と同じです。最近よく言う多様性ってのは人種だけじゃなく個人の心情や価値観が大事だと思いますし。まぁこれぐらいしないと超一流のアスリートは生まれないのかもしれませが、私の琴線に触れることはありませんでした。

ジュラシックワールド/新たなる支配者

恐竜たちが現代に復活した世界を描くSF映画の代表格であるシリーズの最新作。

私の今年のワーストはこちらの作品です。そもそも前作の「炎の王国」が微妙だったので期待はしていませんでした。しかし子供の頃から親しんできたシリーズ。攻めてヒットが打てれば良いかとバッターボックスに立ちましたが、これはさすがに酷かった。空振りどころかデッドボールですよ。

恐らく誰も望んでいない蝗が主軸となるストーリーは非常に退屈。昆虫ディザスターがやりたいなら他でやってくれ。そして、とりあえず色んな種類の恐竜出しとけば良いでしょ精神が垣間見える浅はかなシーンの数々。オリジナルメンバーの復帰やシリーズのオマージュシーンがあるわりに愛が感じられません。これはシリーズに汚点を残す作品となったのは間違いないでしょう。

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・グッバイ・クルエル・ワールド

互いに素性の知らない5人組強盗団がラブホテルで行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功。金を奪われた側のヤクザは現役の刑事を雇い強盗団を追い始め、ホテル従業員も巻き込んで大金の争奪戦が発生するとったクライムサスペンス。

予告を観た時点では“和製版タランティーノ作品って感じ?”と見極めカッ飛ばしにいきました、久々に何も引っ掛からない凡作に出会いました。

この手のジャンルは海外作品だと良い感じに洒落た映画になったりしますが、本作からはどこなくチープさが漂いダサく見えます。なんでしょう、ジャンル自体が日本の風土や文化に合わないのかも。銃撃戦の構図も特に面白いわけでもありませんでしたし、魅力的なキャラクターも居ませんでした。せっかく『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊や『窓辺にて』の玉城ティナと良い役者使ってるのに勿体無いですね。

・ザ・メニュー

有名シェフが料理長が務める孤島の高級レストランで繰り広げられるサプライズを描いたスリラー。

そりゃ出てるメンツも良いし、サーチライトピクチャーはコンスタントに良作を輩出してますからハズレる可能性は低いと思います。本作も面白い映画だと思いましたし。ただし何だか癪に触りました。バットに当たりはしたけどファールボール的な。

私自身もアルバイト程度ではありますが、接客業の経験はあるので伝えたい事の意図は分かります。でもそれが上から目線に感じたのが良くなかった。ブラックユーモアや皮肉は効きすぎていると毒になります。純粋に料理長のキャラクターが嫌いだったのかもしれませんが、観に来ている客にスカした態度を取る映画はちょっと受け付けないです。

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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

世界で最も売れたメガヒット超大作『アバター』(2009年公開)の続編。つい先日ボコボコしたばかりなので端的に処理しましょう。

はっきり言って綺麗な映像だけの映画です。例えて言えば、映えを狙った人工甘味料たっぷりの美味しくないスイーツといったところ。何なら私はCGの綺麗な映像より、実際に行うアクションや特撮、特殊メイクの方が好きだしさ。

まぁそれは置いておいて、描いていることが前作に他のキャメロン作品を合わせただけの新鮮味のないストーリーは冗長。これで3時間超えはケツが痛くなって当然でした。今年で言えば引き出しの多さが圧巻だった『RRR』とか見習えよって話です。

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MCUのDisny+配信ドラマ(とくに『シー・ハルク』)

最後はドラマシリーズからの選出です。今年はMCUのドラマシリーズは『ムーン・ナイト』、『ミズ・マーベル』、『シー・ハルク』の3つが公開されました。正直、去年以降の作品だと『ホークアイ』は楽しめましたが(キングピンの描き方だけは解せぬ)、それ以外はいまいち盛り上がれなくてですね。さほど期待はせずに『ムーン・ナイト』に向き合う形となりましたが、これが大空振り。アクションもストーリーも平坦に感じましたし「過激」ワードを売り文句で見ましたが、どこが過激なのか説明してほしいレベル。途中で観るのを止めてしまいそうになりながら完走したせいか『ミズ・マーベル』の配信が始まっても食指がピクリとも動かず。未だに観ていない状況です。

しかし、その後配信となった『シー・ハルク』に私の好きなNetfilxから引き継いだデアデビルが登場するとの事で重たい腰をあげて再びバトルフィールドへ。しかしこの迷走ぶりは頂けないです。もうMCUのドラマに関してはトラウマになりそうだ…。面白かったのは2~3話目まで。徐々に方向性を見失い最終的には自爆死を選択してきました。脚本の着地点が見いだせなかったのかな?有害な男らしさやミソジニーをテーマにしたいと見受けられますが、フワッとしか描かれていないので全く響いてきません。また著しいCGの品質低下(ここはアバターを見習って)。そして何よりNetfilxが3シーズンを通して作り上げた素晴らしいデアデビルのキャラクターを1話にして破壊する所業(チャーリー・コックスが演じる意味…)など目も当てられない惨劇でした。面白いと感じた人には申し訳ないですが、こんなに面白くないドラマは稀有。私の人生におけるワーストドラマかもしれません。

同じディズニー傘下なのでどうしてSWのドラマシリーズとは雲泥の差があるのでしょう。1度製作体制の見直しが必要では?

まとめ

以上、不満を言葉にのせて批判という名の軍事力を容赦なく行使させて頂きました。

ここでは紹介していないだけで可もなく不可もなくぐらいな作品も幾つかあったので、ちょっと自分の直感にあぐらをかいていたのかもしれません。損したとまでは言わないですけど、やっぱり自分の感性に合わない作品はなるべく避けたいですよね。せっかく楽しさや面白さで気持ち良くなりたいのに、モヤモヤしたり怒りを抱いてしまうようでは勿体ない。改めて作品選びの選球眼を研ぎ澄ます必要があると身の引き締まる年になりました。

あぁースッキリした。ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。