キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第124回:映画『フォーエバー・パージ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『フォーエバー・パージ』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

1年に一晩だけ殺人を含む全ての犯罪が合法化されるというトンデモ法律を描いたバイオレンススリラー「パージ」シリーズの第5作目。映画としてはこれで5作品目ですが、たしかAmazonプライムにドラマ版がありましたよね。うわー観て~。アマプラ、これと配信予定の「ロード・オブ・ザ・リング」のドラマの為だけに入ろうかなぁ。

1年に一晩だけ殺人を中心とする犯罪が合法となる「パージ」を発動することで治安維持を図ろうとするアメリカ政府。今回は移民増加問題の解決を名目に発動する。しかし差別主義者や過激派が暴走。一晩どころかエンドレスに殺人が繰り広げられる無法地帯の状態と化してしまう。そんなアメリカから脱出するためメキシコ移民の夫婦とその雇い主の一家が命がけで国境を目指すことになる。

本シリーズといえば製作にマイケル・ベイが名を連ねています。はい、今年一部の映画オタクを、というか私を熱狂させた『アンビュランス』の監督です。

そして『ゲット・アウト』(2017年公開)や『透明人間』(2020年公開)、『ハロウィン』(2018年公開)など数々の面白ジャンル映画を生み出してきたブラムハウス・プロダクションズが携わっているのもポイント。本シリーズと同じ路線の作品だと『ザ・ハント』(2020年公開)がありましたね。あれもなかなか賛否両論間違いなしのシニカルな作品でした。

↓『ザ・ハント』についてはこちら。前はタイトルに副題付けてたな。

captaincinema.hatenablog.com

日本には無いエンタメ

まず言っておきますと私このシリーズが大好き。あんまり声を大して言うのも不謹慎極まりないネタですけど、いやでも面白いじゃん。

まず「殺人が合法になる」という中学生が考えそうなネタに人種差別や経済格差を絡めるという設定が斬新。バカみたいな発想をマジメに語ることこそ映画の醍醐味だと思ってます。それに、このような強烈なアイロニーが込められた作品は邦画じゃなかなかお目にかかれない案件。諸々の社会問題を提起することの先端を行く(本当に先端かどうか分からんけど少なくとも日本よりは早いでしょ)お国柄だからこその作品だと思います。

また、ポスターにもあるように意味分かんないコスプレをした人たちが沢山出てくるのが楽しい映画でもあります。今作でも汚ねぇウサギ頭の2人組やショットシェル(ショットガンの弾)ホルダーをマスクに付けたおっさん等心のときめきが止まらない人たちが登場。でも大抵そういう人たちって活躍の場がほとんど描かれないんだけどね。

そんなコスプレキメてる中の一人 カーボーイの格好した兄貴が「無限パージだ!」と元も子もないことを言っているのが予告にありましたが、ついに切り札をきってきましたね。いつか歯止めが効かなくなって暴走する連中が出てくる回があるだろうと踏んでただけに、個人的には予想通りの展開でした。ヤバい法律を破ればよりヤバくなる。ただの暴徒というか内乱に近い状態。

なので、問題提起をするサスペンスというよりはサバイバルアクションの側面が強くなった5作目。やたら銃に詳しいネオナチマッチョの独り言シーンはガンアクション好きにはちょっとお得。西部劇っぽさもあるし、ちょいちょい『マッドマックス/怒りのデスロード』(2015年公開)の風味を感じたのは私だけじゃないはず。やはりマッドマックスは偉大です。

まとめ

以上が私の見解です。

一点気に入らない点を挙げるなら、脅かすシーンが多いこと。そんなにジャンプスケアの演出が多いシリーズでしたっけ?ホラーってジャンルでもないんだから、いちいち「デン!」みたいなデカい音いらんのよ。

ちなみに、このシリーズ作品を観るたび毎回“自分だったらどうする?”を妄想してしまいます。とりあえず頭悪い仮装はバッチリ決めるでしょ。ジャパニーズ要素出したいから能面とか良くないですか?wでも殺し合いの参加は怖いしリスクがデカ過ぎる(絶対アジア系もヤバい白人集団に狙われるじゃん)ので格好だけして家に籠るという選択を取らざる得ない。我ながらダサいな~。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※追伸

記事を書いている最中こんな記事を見つけました。

eiga.com

この記事からはレイシストや白人至上主義者による犯行ではない様子。ただ治安の良い話ではないですし、今年に入ってアメリカでは銃乱射事件が多数発生してます。あのさぁ…“リアルパージ”が起きてしまっているとすると全く笑えない事態。戦争もそうだけどさ、こういうのはフィクションの世界だけにしましょう。とアブノーマルな映画好みがちなオタクがボヤいてます。