キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第151回:映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』感想と考察

今回は現在公開中の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

世界で最も売れた映画『アバター』の最新作。2009年公開なので13年前ですか。あの時は3D上映が画期的でそれを大々的に売りにしていましたが、現在では3D上映ってほどんどなくなりましたね。IMAX3Dが多少残っていますが、平成期のブームにとどまり落ち着てしまった感があります。(ちなみに4DXは映画ではなくアトラクションだと思っているので論外ということでw)

地球から離れた神秘の星 パンドラ。元海兵隊のジェイク(サム・ワーシントン)はそこに住む先住民ナヴィの女性 ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれ、子どもたちと平和に暮らしていた。しかし再び人類が侵攻してきたことで一変。ジェイクは家族を守るため未知なる海の部族のもとへ身を寄せることになる。

監督は前作に続きジェームズ・キャメロン。キャメロンといえばやはり『ターミネーター』(1984年公開)ですよね。あっ世間的には『タイタニック』(1997年公開)なのかな?この2作品が二大巨頭って感じですが『エイリアン2』(1986年公開)と『トゥルー・ライズ』(1994年公開)という伏兵も潜んでます。

キャストはサム・ワーシントンゾーイ・サルダナ、スティーブン・ラング、シガニ―・ウィーバーが続投。っと言ってもですね、正直誰が誰だかちょっと分かりずらいです。ケイト・ウィンスレット出てたの?前作と比べ人間パートがほとんどないので、登場人物の9割青い。かなり画期的です。ちなみにサム・ワーシントンは『ハクソー・リッジ』(2016年公開)が最高です。

長い

まず率直な感想がこれです。上映時間はなんと192分。時間だけ見ると膀胱が縮んでしまいそうですが、決して長い映画が悪いと言っているわけではありません。上映時間が長くとも面白ければそんな事は忘れるものですから。しかしその長さに内容が伴っていないのはよろしくないと思います。

長く感じた理由は大きく2つ。箇条書きで考察してみましょう。

・やってる事が色々同じ

ネタ切れでもしたのでしょうか。前作の『アバター』に『エイリアン2』要素と『タイタニック』要素を加えたかのような既視感の強さから新鮮さがあまり感じられませんでした。またコロナによる公開時期がズレたことが影響したのは運悪しですが、海に暮らす部族の様子は『ブラック・パンサー ワカンダ・フォーエバー』で観たばっかりだったし。真新しさがないのが長く感じる原因だったと思います。

それにストーリー自体も同じことの繰り返しをしてました。だって人間の皆さん、何かしらをおとりに誘き出す以外に戦略ないんですもん。引き出しが少ない。

・子どもパートが過剰

本作のテーマは人種の対立による戦争だと思っていたのですが、それとは少し離れた子どもパートが長く感じたのもありました。

例えば個人的にエイリアンな海洋生物には興味ありますが、海洋生物と子どもたちがどう絆を結んでいくかはさほど興味がなくてですね。そのため中盤は間延びしてるように見えました。シーシェパードもニッコリなクジラのくだりは長い。

そしていざ終盤の戦闘シーンに入っても子どもパートがなくなりません。いつまで逃げられないでいるのよ。そのせいなのか海の部族の皆さん、とくに族長さんとその奥さんの活躍シーンがほとんど無いし、ラストのタイマンファイトも盛り上がりに欠ける終わり方の印象でした。

 

要するに贅肉が多いと思いました。これぐらいのストーリーのボリュームなら2時間程度にまとめてほしかったです。それでも映像という観点で見れば圧倒的のクオリティです。ミリタリーオタク感満載の兵器ビジュアルは格好良いですし、水の映像表現力や表情の微かな動きなどもここまでのレベルに到達したのかと感服します。なので映像だけを観に行くぶんには満足かもしれません。でも映画って総合力ですからね、画力だけ良くてもねぇ…。

まとめ

以上が私の見解です。

すみません、かなり辛辣になってしまいました。でもしょうがないです。映像以外に良いとことが見つけられず、目は奪われても心は奪われなかったので。映像だけを進歩させても、私のようなへそ曲がりな堅物野郎の心は掴めないってことです。がんばれ~映画の作り手w。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※ちなみに

そんな「アバター」の続編ですが、やはり製作費が相当かかっており、なんと日本円にして2700億円売上げないと元が取れないんだそう。規模がデカすぎる。その2700億円という記録的数字を叩き出した映画は過去に5作品。そのうち2本はキャメロンが手掛けた作品(『アバター』と『タイタニック』)だからもの凄いのですが、世界一売れた映画の続編とあってどこまで伸びるのか注目です。ちなみに日本の興行収入は初登場第3位。さすがアニメ大国、そして売れる作品を流しまくるシネコン体制です。日本での売り上げは見込めなさそうなので、ホームグラウンドである北米と映画業界最大マーケットの中国でどこまでいけるかがカギとなってきそうです。まぁ赤字だろうが黒字だろうがどっちでも良いのですが。

で、仮にですよ。本作が興行的に失敗したらまた2~3年後に「あれは失敗作だった」とか言うんでしょ?キャメロンさん、反省するのは良いけどもう少し自分の発言と関わった作品に責任を持ってほしいですよね。

参考:

「アバター2」が2700億円売り上げないと困る理由 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

「THE FIRST SLAM DUNK」が3週連続動員トップ、「アバター:WoW」は初登場3位(映画動員ランキング) - 映画ナタリー