キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第2回:2019年ベスト映画(前編)

今更、情報が古いのなんの!こちらのブログ。コンセプトは自己満足ブログなので、書きたいことを書くまでです。

 

 まえがき

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去年、私はパンフレットを4つしか購入しませんでしたが映画館で鑑賞したのは全部で55作品。全タイトルはこちらになります。

 再上映作品

赤字にしたのが邦画ですが、こう見ると洋画ばっかり。邦画も意識して見ようとは思っているのですが、なかなかねぇ〜。今年はもうちょい鑑賞本数、増やしたいですね。では、この中から個人的に好きだったベスト10作品勝手に副賞を授与します。なお、ベスト10にあたっては、再上映作品は対象に含めていません。なにせ、「好き」だから再上映でも行くんですから。

 ベスト10

っとその前に特別賞

なんだよそれ。って感じですが、どうしても他の作品と比較して客観的に見ることが出来なかった作品がありましたので、特別賞ということにしました。それが…

アベンジャーズ/エンドゲーム』

あれは、ズルいですよ。

私が、初めてこのMCU(マーベルシネマティックユニバース)の作品を映画館で見たのは、2013年公開の『アイアンマン3』でした。丁度フェイズ2が始まるタイミング。これ以降、MCU作品は欠かさず映画館へ足を運んできました。よって、6年間追っかけ続けたということでしょうか。あの時の比べて見ると、ファンが増えたのは明らかです。今では街を歩くと、「MARVEL」のロゴの入った衣服やアイテムを身につけている人を結構見かけますが、当時は見かけた記憶がありません。世の中に浸透している様相を感じると何だか嬉しくなるものです。勿論、2008年の記念すべき第1作目『アイアンマン』から見続けている人の方が、もっともっと思い入れは強いことでしょう。

そんな人たちにとって言わば今作は、ファン感謝祭であり、「インフィニティサーガ」を締めくくる通信簿の作品でした。だからもう興奮しっぱなしでした。特に私は、キャプテンアメリカ好きなので(ブログの名前は、勿論ここから取りました。)例のアイテムを手にしてサノスに挑むシーンは、映画館なのに思わず叫んでしまいました。隣に座っていた方も叫んでいたので迷惑ではなさそうだったのが幸いでしたが、我を忘れて興奮していたのです。

ただ、頑張って客観的に見るとですね。例えば「一見さんお断り」の姿勢が徹底的にストーリー表れまくってる点はいかがなものかと思います。(とは言っても「俺、アイアンマンしか知らないぜ!」と豪語しながら、自信満々に会場に入っていく人を公開初日に見かけたので、楽しみ方は色々でしょうが。)また、タイムトラベルものとしては少し無理があるっていうか、腑に落ちない部分もありましたし、今思えば前作にあたる『インフィニティ・ウォー』の方が緊迫感があって面白かったようにも感じるのです。でも、そんなの良いんです。少なくとも、このシリーズを追っかけ続けて本当に良かったですし、これからも追っかけて行きたいと思います。ただ、配信サービスのDisney+(日本だとディズニーデラックスですか)で、オリジナルドラマですか…。そこまで手を出すだけのキャパは足りねぇよ(涙)。

第10位

デデデデ…デン!

ゴジラ ・キング・オブ・モンスターズ』

日本を代表するコンテンツ「ゴジラ」のハリウッドリメイク作品。2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』の続編。

何だか世間の評判は、イマイチだったらしいこの作品。北米での売り上げは良くなかったことで、「モンスターバースは、下火になるか?」なんてまことしやかに言われているが、そんなもん知るかボケ!

では、何で好きだったかと言えば、純粋に懐かしさを感じたからでした。ガキの頃よくビデオレンタル店(まだ、ビデオだったんだよなぁ)で借りていたのは、ああやって怪獣同士がドンパチやっていた作品でした。そんな、ドンパチがハリウッドの技術と製作費にかかれば、倍になる。確かに人間パートの部分は薄っぺらいし、媚を売るラドンさんも変な感じでしたが、これぐらい大規模にやってもらった方が怪獣映画としてのカタルシスは、大きいと思います。

エンドロールの「ゴ・ジ・ラ!ソイヤッ!」の無駄に力強いテーマソングからの、いつものメインテーマへの流れも結構気に入ってます。

第9位

デデデデ…デン!

アメリカン・アニマルズ』

平凡な毎日を送る若者たちが、ふとしたきっかけで図書館に高価な本を盗み出そうとする青春クライムサスペンス。

2004年にアメリカで起きた事件の映画化したものということもあって、犯行に及んだ本人たちやその家族のインタビューが挟み込まれています。ドキュメンタリー要素が含まれているという何とも不思議な構図なので、序盤は少々見ずらいと思いましたが、慣れてしまえばこっちのもの。逆にインタビューのシーンが良いアクセントになってました。ど素人丸出しな犯行計画を練るシーンや、いざ犯行を実行する時の緊迫感などエンターテインメント性も充分にあります。

そして何といっても主人公たちの気持ちに共感出来たので、気に入ったのです。KingGnuの『白日』という歌にこんなフレーズがあります。「せわしない日常の中で年だけを重ねた。その向こう側で待ち受けるのは天国か地獄か」まさにこんな気持ちを恐れていたのが主人公たちです。人生に「刺激」というスパイスが欲しくなるのが人間。だから私自身は、その「刺激」を映画で満たしているのだと感じています。

第8位

デデデデ…デン!

『グリーン・ブック』

ガサツなイタリア系白人のボディーガードと几帳面な黒人ピアニスト。人種も性格も違う二人の旅の物語。

いかにも「ザ・アメリカン」な見ていて心地の良いヒューマンドラマで、アカデミー賞作品賞を取るのも頷ける一本でした。心地の良いとは言いましたが、単に心温まる二人の珍道中ではなく、「えっ?」っと目を疑ってしまうような黒人や移民に対する差別の問題も描かれています。ここら辺の娯楽性と社会的メッセージ性のバランスも良かったですね。

ヴィゴ・モーテンセン演じるボディーガードは、ガサツで横柄な感じですが、どうも憎めない魅了的なキャラクターでした。そして、メシを美味そうに喰うこと。特に、ケンタッキーを頬張るシーンは飯テロレベル。本作公開時にケンタッキーフライドチキンは、作品とコラボしたキャンペーンをやるべきだったとつくづく思います。(本国アメリカでは、やってたのか?)

第7位

「デデデ」は文字にするとしつこいですね。やめます。

スパイダーマン/スパイダーバース』

次元が歪んだせいで、異なる次元の様々なスパイダーマンたちが登場する中、主人公の少年の成長を描いたアニメーション作品。

とにかく「見たことない」を見せてくれた作品でした。なにしろアメリカンコミックがそのまま動いてたんですから驚きは隠せません。この革新的な映像は、一人の人間がヒーローになるまでの成長物語という比較的ベタなネタを、全く新しいヒーロー映画を見たような新鮮味のある気持ちにさせてくれました。

アニメ作品はあまり見ませんが、いや、恥ずかしながらほとんど見ないので偉そうなこと言えませんが、「日本はアニメ大国」とか「アニメに関ての技術力は凄い」なんてあぐらをかいている暇はないかもしれませんね。

そんな作品を世に送り出したソニーピクチャーズですが、去年はスパイダーマンの権利を巡りマーベルスタジオと一時揉めていましたが、あっさり関係修復。現在のトム・ホランド主演のシリーズとは、あまり関係のなさそうな、でもワンチャンクロスオーバーさせたい雰囲気を醸し出している『ヴェノム』の続編やジャレット・レトを主役に置いた作品が控えています。そんな路線のはっきりしないソニーピクチャーズに提案をしたい。この『スパイダーバース』の続編を作ってくれ!

第6位

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

少々落ち目のTV映画スターとそのスタントマンを中心に、1969年のハリウッドの光と影を描いた作品。

今年のアカデミー賞では、スタントマンを演じたブラッドピットが助演男優賞取りましたね。いや、あれはカッコよかった。ジャッキーチェン好きからしてみれば、「舐めんな!」って話だとは思いますが。

そして本作の軸でもある「シャロンテート殺人事件」は、どうやらハリウッドの歴史の中でもかなりショッキングだったのでしょう。それはタランティーノ監督本人にとっても。そんな悲しき出来事を「映画」という魔法を使って昇華してしまおうというのがこの作品の根幹にあるものだと思います。

この方式は、ナチスドイツのユダヤ人迫害の歴史の扱った『イングロリアス・バスターズ』。黒人差別の歴史のを扱った『ジャンゴ/繋がれざる者』と同じです。ただし、この2作品と異なる部分として特徴的なのは「タメ」が長いです。ひたすらタメまくって最後の最後にドカーン!だからこそ、カタルシスが強く見終わった後の幸福感が高かったのだと思います。

で、この「タメ」の部分も、映画好きにとっては楽しくて仕方ないはずです。1969年のハリウッドの景観や走る車、人々の服装、映画の撮影風景、随所で流れる音楽など特にそれらに関して知識がなくとも見ていて気持ちが良いのは不思議なものでした。

第5位

『デイ・アンド・ナイト』

父の自殺の真相を突き止めるため東京から地元に戻ってきた主人公。真相を探る中で出会った人々をきっかけに善悪の境を見失っていく…。

久々に印象に残る邦画を見ました。まず、映画全体の雰囲気が好きでした。シックなトーン。寒々しさの伝わってくる空気感。光の差し込み具合。何だか僕の好きなドゥニ・ヴェルヌーブ監督が作りそうな映像美でした。

そしてテーマ性も好みでした。ずばり、善悪について。核心部分に触れるとネタバレになってしうので説明するのが難しいですが、一概に善悪の判断は出来ない事が描かれているのです。一般的に自分の私利私欲の為に法を犯したり、他人を傷つけるのは「悪」となりますが、そこに信念やどうしようない状況があったりすると区別が付かなくなります。更に、自分は善い行いをしていると思っても、他人からしてみれば悪事であると認識されることもあったりします。法律や社会のモラルが絶対的な判断基準ではないことが世の中を複雑化させているのだと思うと、なかなか考えさせられる作品でした。

第4位

『ROMA/ローマ』

1970年~71年の政治的混乱に揺れるメキシコを舞台に、とある家族とその家政婦の日常を描いたモノクロ作品。

こちらも、5位に挙げた『デイ・アンド・ナイト』同様、素晴らし映像美でした。映像という観点でいうなら、ぶっちぎりの1位です。モノクロでありながらきめ細かな映像表現は去ることながら、奥行きの使い方が抜群だったと思います。

例えば、後半のシーン。あることがきっかけで家族分裂してしまった主人公たちが、肩を寄せ合って食べ物を食べているその斜め奥では、幸せそうな新郎新婦が結婚式を挙げている構図。一つのフレームの中に、相反する事象を収めているのです。これによって、主人公の心情がより深く伝わってくるのです。流石は『ゼロ・グラビディ』を撮ったアルフォンソ・キュアロンです。そのレベルの高さには脱帽です。

そして忘れたくても忘れられないあの武術マニアの最低男。フル〇ンで棒術を披露する光景はあまりに滑稽で、笑っていいのか戸惑いました。男ってしょーもないなと男である私が思うぐらいなので、女性からしてみればもっと最低な男に見えることでしょう。

第3位

ここからベスト3。見事に表彰台に滑り込んだのは…

『マリッジ・ストーリー』

舞台監督の旦那と舞台役者の奥さんが、離婚でゴタゴタするお話。

とにかくワンシーンのセリフが長いのが今作の特徴です。特に中盤の旦那(アダム・ドライヴァー)と奥さん(スカーレット・ヨハンソン)の言い争いのシーン。最初は穏やかな話し合いなのですが、徐々にヒートアップ。罵詈雑言の嵐となり、最後には「死んじまえ!」と叫んで泣き崩れるアダムドライヴァーの姿には、見ているこっちも泣きそうになりました。アダム・ドライヴァーはカイロレン。スカーレット・ヨハンソンブラックウィドウの印象が強めで、失礼な話ですが演技派の印象が薄まっていました。しかし今回の作品を見ると改めて実力のあるいい俳優だと思いました。演技合戦の真髄を見た気がします。

ストーリー自体は比較的コミカルなテイストになっています。冒頭のお互いのいい所を挙げていくコミカルな下りからの、実はそれは離婚協議の一つのやり取りだったというアップダウンは秀逸。夫婦や恋人関係のみならず、人間関係のもどかしさや愛の形といったことを考えさせられた奥の深い作品でした。

第2位

惜しくも1位を逃した作品は…

『ジョーカー』

コメディアンとして成功を願う一人の大道芸人がゴリゴリの悪党になるまでの悲喜劇。

シリアスな路線のアメコミ映画は、『ダークナイト』や『Vフォー・ヴェンデッタ』『LOGAN/ローガン』など、ちょいちょい登場しますが、ここまでダークで現実味のある作品はなかったように思えます。また、現実の妄想が入り乱れる一筋縄ではいかないストーリー構成。経済的格差というトレンドと言っても良いテーマ性をアメコミキャラクターを使って描くという挑戦的な姿勢。バイオレンス描写による緩急の付け方など、アメコミ映画の枠に捉われない試みは見事でした。

主役を演じたホアキン・フェニックスの演技は、一度見ればその凄さが分かります。特に、笑い方の使い分けは圧巻。脳に障害がある為、笑いたくなくても笑ってしまう「苦しい笑い」。周りの人々の反応に合わせて笑う「乾いた笑い」。そして、ラストに見せる「自然で偽りのない笑い」。といった大きく3パターンあったと思いましが、「笑い」一つでここまでバラエティーに富んだ演技が出来るんだなと感心しました。

遂にここまでのレベルに到達しなんだなと思います。アカデミー賞主演男優賞と作曲賞はおろか、ヴェネツィア国際映画祭で最高賞ですよ。まさか受賞するとは思いませんでした。アメコミ映画というジャンルにおいて快挙と言えるでしょう。

第1位

さぁー2019年の頂点に輝いた栄えある1位は…

『エイス・グレード/世界で一番クールな私へ』

クラスで最も無口と呼ばれてしまったボッチな女の子が、自分を変えようと奮闘する青春コメディー。

これは、“学生時代はイマイチさえなかった”とか“青春をもっと謳歌すべきだったのではないか”と思う人ほど感動できる作品かと思います。なぜなら、「ボッチ」の描き方がかなりリアリティーがあります。見ていて思わず目を背けてしまいそうなツラさを感じていました。このリアリティーは、語りだすと相当長くなりそうなので、こちらは近いうちに改めて語りたいと思います。

そして、自分を変えいようと奮闘する姿もまた現代的で面白いです。リア充アピールのつもりなのか、自撮り写真を乗っけまくる。やたら「Cool」を乱用する話し方は、日本に置き換えれば、若者言葉やJK用語といったことろでしょう。これらは、第3者の視点から見ると痛々しくてコミカルなのですが、柄にもないことをして自分を変えようと背伸びをするのは、多くの人が一度は経験があるのではないでしょうか。

ボッチの描き方がリアルで、自分を変えようとする姿も痛々しいとなると救いようのない話に見えてしまいますが、最後にはしっかり希望があり「生きる」勇気をもらえる作品となっています。

 

いや、思っていた以上に長くなってしまいました。これ以上続けるのは流石に超大作過ぎるので、勝手に副賞に関しては後編とします。

ということで、お開きです。ありがとうございました。