キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第194回:映画『アステロイド・シティ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『アステロイド・シティ』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

今年のカンヌ国際映画祭のコンペ部門にも出ていたウェス・アンダーソン監督最新作。

舞台はとあるアメリカの砂漠都市。隕石落下の巨大クレーターが観光地となっているこの街に、宇宙科学の賞を受賞した5人の天才少年少女とその家族が招待される。招待者は、子どもたちに母親が亡くなったことを言い出せない戦場カメラマン(ジェイソン・シュワルツマン)やシングルマザーの映画スター(スカーレット・ヨハンソン)と様々。そんな悩める者たちが集った授賞式に突如として宇宙人が現れる。

監督はウェス・アンダーソン。去年公開『フレンチ・ディスパッチ~』の時も思いましたが、ウェス作品って日本でも人気なんですね。私、日比谷シャンテへ観に行ったんですけどシャンテの1番スクリーンがほぼ満席になる事なんてかなり珍しいと思いました。若いカップルも沢山入ってましたし、お洒落系映画って結構需要あんるだなぁ。

主演はジェイソン・シュワルツマンで良いでしょうか。ウェス作品では『天才マックスの世界』(1998年公開)で主演でしたが、この方と言えば今年公開の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』で敵役であるザ・スポットの声を担当していました。あぁぁ「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が楽しみだぁぁ。とりあえず「アクロス~」のDVDは買わないと。

その他、エドワード・ノートンエイドリアン・ブロディティルダ・スウィントン等常連メンバーも集結。しかしそこにビル・マーレイの姿はありません。まぁかなり酷い人だったんですね。業界から追放という形になってしまいましたので、いつものビル・マーレイポジションに今回はトム・ハンクスという事でしょう。何となく雰囲気が似てたし。

「お洒落」で覆った悲しみ

まず言わずもがなではありますが、これは『未知との遭遇』(1977年公開)を意識したであろう作品だと思います。あの音信号みたいなやつとかまんまでしょ。M・ナイト・シャマランは『サイン』(2002年公開)、ドゥニ・ヴェルヌーブは『メッセージ』(2016年公開)。ジョーダン・ピールは『NOPE/ノープ』(2022年公開)と監督の多くがやりたくなっちゃうネタなんですね。

そんなウェス・アンダーソン版 『未知との遭遇』は、いつも通りパステル調な様式美が展開。何だかよく分からんけどユーモアのある会話劇も健在です。いつも血と汗と涙で湿度の高い映画ばっか観てる私としてはこんな洒落た映画は久々だったな。このアーティスティックでお洒落な雰囲気が人気の秘訣なのでしょう。

しかしそんなお洒落な雰囲気の中には人々が抱える明るくはない感情が匂い立ってきます。愛した人を失った悲哀、天才やアーティストが故に抱える孤独や葛藤滲み出ています。天才が故の孤独はそれこそ先述の『天才マックスの世界』でも描かれていた事だと思うので、ある種監督自身のテーマになっているのかもしれません。人間がお洒落をしたりやユーモアで明るくしようとするのは心の悲しみを隠すためなのかなぁ?

まとめ

以上が私の見解です。

まぁ悪くなかったですが、正直内容自体はそこまで面白いものではなかったかなと。『フレンチ・ディスパッチ~』は面白かったんだけどな。やっぱり宇宙人やUFOネタが登場するなら、もっと外連でスペクタルであって欲しいと感じましたし、暫くしたらどんな話だったか忘れそうなインパクトだった気がします。

しかし秀才キッズたちで著名人を列挙する伝言ゲーム的な遊びのシーンは忘れません。まさかの北条時宗の登場は去ることながら、私の場合は同じぐらいの歳の時に学校で人物名しりとりをしてましたよ、懐かしい。国内外問わず歴史上の人物や流行りの芸能人を脳味噌フルパワーで挙げまくってました。だからあのシーンを見た時、似たような事やってたなぁと。って事は私も秀才になるポテンシャルがあったのか?w

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。