キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第184回:映画『ザ・フラッシュ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ザ・フラッシュ』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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イントロダクション

DCコミックス原作のスーパーヒーロー フラッシュが主人公のアクション映画。

超高速移動の能力を使ってスーパーヒーローとして活動するフラッシュことバリー・アレン(エズラ・ミラー)。そのスピードで時間を超越できる事に気付き、幼いころに殺された母と無実の罪で投獄された父を救おうと過去を遡って歴史改変を行ってしまう。その結果家族は幸せに暮らせどスーパーマンワンダーウーマンの存在しない世界を作り出してしまい、さらにはかつてスーパーマンが倒したはずのゾッド将軍(マイケル・シャノン)が地球侵略を始めていた。ゾット将軍を止めるため存在するというバットマンを尋ねると…

監督はアンディ・ムスキエティ。「IT/イット」のリメイク版シリーズを手掛けた監督です。DCフィルムズは「アクアマン」シリーズのジェームズ・ワンにせよ「シャザム!」シリーズのデヴィッド・F・サンドバーグにせよホラー系監督の起用が多く、それが結構あたっている印象です。ホラー系監督ってアイディアが豊富だし観せ方が上手い人が多いからアメコミ映画向きなのかも。

主演はエズラ・ミラー。まぁ…この方は奇行が多いこと。他人の家に勝手に入り込んでは酒を盗んだとか、暴行や薬物疑惑と問題が後を絶ちません。たぶん日本だったらワイドショーの格好の餌食になる事でしょう。某不倫で干された方が可哀そうに見えるぜw。なのでね、私個人ちょっとモヤモヤしながら観てましたよ。

そしてまぁこれは予告でも出ていたので言ってしまうと、マイケル・キートンバットマンとして久々の復活です。『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年公開)ではバットマンを演じた事の写し絵みたいな役をやってましたけど、まさかのカムバック。キートンバットマンを観返したくなります。

それはズルい

何だか“アメコミ映画史上最高傑作!”とか“涙腺崩壊!”みたいに随分とよいしょされてる気がします。あのトム・クルーズも激オシらしいですが、確かにDCフィルムの集大成的な作品になっていたのは間違いないと思います。マーベル映画、とりわけMCUほど世界観の統制が取れていない事に加え、ぽしゃった企画も含め長年培ってきた老舗らしい歴史を存分に利用した数々のアイディアやサプライズで彩られたザッツエンターテインメント作品。観ていて“うぅ…それはズルいぞ”と唸ってしまうシーンが多かったです。

また、時を同じくして公開となった『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』とはある種真逆な「運命」の解釈、受け止め方は興味深かったです。「運命」を前にした際、どう足掻いても諦めないといけない時があるんだと。それを認識させるスロー&シミュレーションを繰り返すシーンは、ガイ・リッチー監督の「シャーロック・ホームズ」シリーズやNetflixの『キル・ボクスン』(2023年公開)、ちょっと違いますが『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005年公開)なんかも思い出しましたが、運命に対して諦めというアプローチを取るのは意外と新鮮だったように思えました。

なんて感じで軒並み楽しめましたが大傑作とまでは持ち上げられないかなぁ。ゾット将軍とその軍団のキャラとしての描き方とアクションシーンは『マン・オブ・スティール』(2013年公開)の方が良かったです。存在が記号的というかせっかくの再登場なのにインパクトに欠けますし、アクションに関してはアクション職人 ザック・スナイダー監督が手掛けた作品なのでそこはしゃーねーかな。また、ちょっとおふざけが過ぎる気もしました。笑える事は笑えますが、時折気持ちが冷めるのは私のコメディ映画苦手なだけかもしれませんが。

まとめ

以上が私の見解です。

思えばこの作品、エズラ・ミラー一人二役映画なんですよね。演じ分け方が上手くあまりにもナチュラルに見えるので観終わってから気付くという。その辺は彼の演技力を高さにつきると思います。う~んやっぱりモヤる。ケヴィン・スペイシーにしてもそうだけど、どうして達者な役者さんってプライベートに問題ありなんだろう。天才だらか世間と感覚がズレてんのか?

というわけでこの辺でお開きです。ありがとうございました。