キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第76回:映画『イン・ザ・ハイツ』感想と考察

今回は現在公開中の映画『イン・ザ・ハイツ』を語っていこうと思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

 

 

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イントロダクション

リン=マニュエル・ミランダが手掛けるトニー賞グラミー賞を受賞したブロードウェイミュージカルの映画化。

祖国を離れて働く移民が多く住むニューヨークの片隅にある街 ワシントンハイツ。そこに暮らす4人の若者の夢や恋を歌と踊りで物語っていく。

監督は『クレイジー・リッチ』のジョン・M・チュウ。『クレイジー・リッチ』は華やかな映像でしたし、出演者が全員アジア系のハリウッド作品ということでも話題となった方なので、移民をテーマにした作品には適任者ということでしょう。

また出演者の中にはコリー・ホーキンスが。この方は俺得俳優。追っかけをしてるわけじゃないですが、出演しているのを観ると自然と嬉しくなるんです。ヒース!

 

移民の街は人情味溢れる下町感

まず舞台っなっているワシントンハイツは、いわば下町的な要素を感じました。

登場するキャラクターみんな知り合いといった関係性。誰が何をしたかがすぐ様広まってしまうデメリットはあれど、困った時は助け合いと労り合う人情味が息づいています。そのせいなのかとにかくみんな幸せそうなんですね。誰もが夢を持っている事以上に、人々の繋がりが幸福度を上げているように思いますし、観ているこちらの心にも温かさ、いや温かさを通り越したエネルギッシュさが感じられます。

この幸せオーラ溢れる感じは、どうもお伽話というわけでもなさそうなんです。先日イタリアのナポリを扱った旅番組を見ていました。ナポリにはスペイン地区と呼ばれる移民が多く暮らす地域があり、ワシントンハイツのようにアパートがひしめき合っています。そこには貧しい人や落ち込んでいる人へコーヒーを奢る風習や年金暮らしの人に向けた無料の理髪店があったり、見ず知らずの様々な人たちが集う料理教室が開催されていたりと人と人との距離が近く「助け合い」がそこかしこで見られるのです。

また日本で言えば東京の下町 浅草周辺が外国人に人気な理由の一つとして、そこに住む住民や店を構える人々が外国人に対してフランクというか、どんな人でも馴染めてしまう温かさを持っているからなんて話も聞いたことがあります。

もしかした「下町」にこそ多様性や差別問題をクリアにするヒントが眠っているのかもしれませんね。

 

ただし…

ここからはちょっと否定的なコメントを。

ラテン調の音楽と激しいダンスシーンは華やかで見応えありますが、個人的には印象に残る決定的シーンがなかったように感じました。カメラのカットが割とバンバン切られていたのもそう感じた理由だったと思います。例えば大人数で踊っているシーンなんかはもっとカットを切らずに固定カメラでじっくりと写しても良いんじゃないかと思いました。この点は惜しい気がするな。

また、先程「エネルギッシュ」と表現しましたがそれが過ぎるというか、伝えたいメッセージ/主張が強めに感じ、途中から疲れを感じる作品でもありました。本作の大きなテーマとしては2つ。「移民の生活はキツい!」と「夢と愛する人どっち取ればいい!」ですが、これを序盤からひたすら見せつけられること約2時間半。ぶっちゃけ長いです。一方的に押し付けられているようで胸焼けする感覚だったので、緩急や味変といった何か箸休めが欲しかった気がします。

 

まとめ

以上が私の見解です。今回はちと辛口だったので賛否で言うなら否の方なのかな?

でもまぁ充分満足出来ましたけどね。タイトルの出し方とか好きでしたし。ひとパフォーマンスあってからのバン!って出る感じ。思わずガッツポーズしてしまいますね。

ヒロインの方は、お腹出しファッションがお好きなようで。そのファッションスタイルの為なのか、よく見ると薄ら腹直筋の縦線が。もしや主人公、腹筋に惚れたか?w。私もね、お腹は引き締まってる方なんですよ。いや昔は筋肉だったけど、今じゃ貧弱に痩せてるだけか…(泣)。としょーもない話はやめにして、この辺でお開きです。ありがとうございました。