キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第77回:映画『サマーフィルムにのって』感想と考察

今回は、現在公開中の『サマーフィルムにのって』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

 

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イントロダクション

時代劇オタクの女子高生が映画制作に奔走するSF要素もありな青春映画。

勝新太郎を敬愛する主人公 ハダシ。所属する映画部ではキラキラ恋愛映画ばかりがもてはやされ、撮りたり時代劇を撮れずに肩身の狭い思いをしていた。そんな彼女の前に、武士役のイメージにマッチした青年が現れる。即席で集めた仲間と共に自主的に映画を撮影し出すが、この青年は未来からのタイムトラベラーであることが判明する。

主演は伊藤万理華。この方全然存じていませんで後々知りましたが、アイドルグループ 乃木坂46の元メンバーなんですね。あっだから満席だったのかな?そんなに大々的に広告を打っている作品でも無さそうだったのでちょっと驚きでした。

 

実は私も映画部だった

まず本作を観て私は大学生の頃を思い出ました。私も映画のサークルに所属をし映画を撮った事があるのです。

と言っても私の在籍していた映画サークルは、作品で描かれているような大所帯の活気溢れる場所ではありませんでした。人数は少ないし、私も含めクセの強い男どもが大多数を占めるやる気に欠けるサークルでした。私自身は在学途中からの入部だったこともあり、本格的に撮影に参加した映画は1本。主人公が自分と同じような心境を抱えた人物と出会い、そこから「幸せ」を見つけ出していくヒューマンドラマで、何と私は主演の座に!いやぁ~顔が良いからねぇ~(嘘です)。

出来上がった作品は、正直抽象的過ぎてよく分からない。私の演技も誰がどう見ても大根でした。それでも思い返してみると撮影は結構楽しんでいたし、自分なりに良い演技をしようとしていたんだと思います。

もう戻っては来ないあの時の静かな「熱」を呼び覚まし、ノスタルジックな気持ちにさせてくれるそんな映画でした。これは泣くよw。

 

映画は不滅

おっと自分語りが多くなってきた。思い出に浸るのはこれぐらいにして、本作のテーマだと感じた「映画の未来」についてを語っていきます。

タイムトラベラーであることが判明した青年の住む未来では、なんと映画が無くなっているという話になります。秒単位の動画が主流となり1分を超える映像が映画として扱われ、人々は他人の作った物語を観る事が無くなっている世界なのです。

この設定でいくと恐らく小説や芝居・演劇といった文化までもが無くなっていそうな流石に極端な話ではあります。しかし映画を始めとした映像にフォーカスして言えば、確かに昨今の動向を見ていると近い状態になるのは有り得なくもない気がしてきます。

以前Netfilxオリジナルドラマ『火花』を扱った際「分かりやすい」がニーズとして最も高まっている風潮がある事を言及しましたが、更にそこには「効率化」という言葉も浸食し始めているようです。倍速視聴やファスト映画の横行。ネタバレ記事を読んで観た気になる人や結末さえ知れれば良いと考える人も居るんだとか。「過程」ではなく「結果」ばかりが重視をされる如何にも現代的な価値感に汚染をされているのです。これじゃ映画への需要は無くなり、消えてしまうことも想像がつきます。

はい、今「汚染」という言葉を使ってしまいましたが、私は映画に対し「結果」ではなく「過程」を重視する傾向があります。アクション映画なんて正にそう。結末にたどり着くまでの仮定にこそ面白さが転がっているし、長い時間掛けて観た先にある多幸感やカタルシスが存在すると思っています。

皆が大好きなスポーツ観戦だって同じでしょ。オリンピックだって“メダル!メダル!”とうるさかったけど、メダルの有無よりも選手個人のハイレベルなパフォーマンスにこそ感動があるんじゃないでしょうか。

話が少し逸れましたが、きっと私以外に同じ思いを持った人、つまり映画を愛する人たちがいる限り映画が無くなることはないと信じてます。映画は不滅です。

 

↓『火花』についてはこちら。

captaincinema.hatenablog.com

 

まとめ

以上が私の見解です。

登場キャラクターもそれぞれ個性があって良かったですね。特に私は、デコチャリに乗る金髪兄貴がお気に入り。不良は外面だけのめっちゃ良い奴。映画に興味なさそうなのに照明担当として献身的に協力しています。

それと作中に登場する『座頭市』やオリジナル版『十三人の刺客』は私観た事がないため「ネフリ」で観られるという台詞が登場したのを頼りに調べてみると、同年代の時代劇は『侍』(1965年公開)と『斬る』(1969年公開)ぐらいでしょうか。ありゃー。まぁとりあえず観てみようかな。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。