キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第93回:映画『ハロウィン KILLS』感想と考察

衆院選京王線内での凶行が2大トップとなり、いまいち印象の薄かった2021年のハロウィン。しかし映画館でのハロウィンは終わっちゃいねぇ!ということで本日は現在公開中の『ハロウィン KILLS』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

 

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顔・圧!

 

イントロダクション

1978年に公開したスラッシャーホラーの元祖とも言える『ハロウィン』。その40年後を描いた2018年公開の同名タイトル作品の続編です。

主人公 ローリー(ジェイミー・リー・カーティス)と不死身の殺人鬼 ブギーマンことマイケル・マイヤーズの40年越しの決着が付いたはずだった。しかしブギーマンはそう簡単に死んでくれない。燃える家から脱出を果たしたマイケルは再び無差別殺人を繰り広げる。重症を負ったローリーに代わりその娘(ジュディ・グリア)と孫娘(アンディ・マティチャック)がリベンジマッチを決意する中、街には混乱と恐怖が大きく渦巻き始めていた。

前作に続き監督はデヴィッド・ゴードン・グリーン。この方2013年に起きたボストン・マラソン爆破テロを扱った『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』(2017年公開)の監督さんなんですね。うーん、観に行ったような。ボストン・マラソン爆破テロの映画だと個人的には同年公開『パトリオット・デイ』の方が印象に残ってるな。

 

好景気過ぎる

ホラー映画か…と二の足を踏んでるそこの貴方!本作はホラー映画じゃなくてバイオレンスアクションです。ゴアが苦手な方には向きませんけど、アクション好きなら観て損はないかと思います。

序盤からフルスロットル。燃える家屋をバックに斧やピッケルを手にしたレスキュー隊VSマイケル君で開幕です。当然の如くレスキュー隊員は冷たい骸と化していくわけですが、死体の山が築かれていくその様はもはや景気が良すぎるアクション映画です。

またマイケル君に挑んでいくのはレスキュー隊だけじゃありません。ホラー映画では珍しく、逃げるか殺されるかでしかなかった名も無き方々もバット(外国の人ってバットにキメ台詞ほるの好きなのかな)や銃(デザートイーグルのシーンは悪趣味で好き)を片手に反撃。モブキャラ舐めんじゃねえ精神は今年公開の『フリーガイ』と同じなのか?wといった感じなので恐怖を煽る演出よりも過激なアクション演出が目立つ印象でした。

って言うか性別・人種・年齢なんて見境なくぶっ殺し回るマイケル君ってある意味差別や偏見を持たない平等な価値観をお持ちなのかなぁ…皮肉な話ですね。

 

テーマは「暴力」

本作のもう一つのポイントが、暴力が暴力を生むという暴力の連鎖がテーマになっている点だと思いました。先程書いた通り殺人マシンに立ち向かう人が多く、隠れたり逃げようとする人が居ません。皆、暴力で対抗することに駆られて冷静な判断を下せる人物が登場しない状況。それが引き金となって起きる悲劇を含め殺気立ったエネルギーが画面を覆い付くています。

これって集団が誤った方向へ舵を切ってしまう構図そのもの。暴力による扇動は対テロ戦争へと突き進んだアメリカそのものを表しているかのようです。

まぁちょっと薄ぺらくも見えますが、さすが経済格差や人種差別をテーマにした『パージ』シリーズや2極化する世界を暴力で炙り出した2020年公開『ザ・ハント』を手掛けたブラムハウスプロダクションの作品。これを『ハロウィン』シリーズでやるとはね、大胆。

↓『ザ・ハント』についてはこちら

captaincinema.hatenablog.com

 

まとめ

以上が私の見解です。

ちなみにNetfilxで配信されている『ボクらを作ったハリウッド映画』というドキュメンタリーシリーズで、第一作である78年公開の舞台裏を知ることが出来ます。これを観ると時代を変える名作の誕生には、個々の才能や努力もさることながら数々の偶然も必要なんだと思えてきます。でも何だかんだ一番驚いたのが、主演のジェイミー・リー・カーティスのお母さんって『サイコ』(1960年公開)のジャネット・リーなんですね。それが主演に向かえる決めての一つだったとか。いや、知らんかったわ。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。