キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第74回:映画『ライトハウス』感想と考察

今回は現在公開中の『ライトハウス』を語っていこう思います。毎度のことながらややネタバレ注意です。

 

 

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↑今まで買った中で一番お洒落なムビチケ。カモメ〜が翔んだ〜♪

 

イントロダクション

魔女を扱ったホラー『ウィッチ』でデビューを飾ったロバート・エーガス監督のサイコスリラー。1801年にウェールズ灯台で実際に起きた事件がベースとなっています。

孤島に立つ灯台の管理を4週間行うためやって来たベテランと駆け出しの灯台守。そりが合わずに初日から衝突が絶えない2人を次第に欲望と狂気が蝕んでいく。

主演はウィレム・デフォー(やっぱり『スパイダーマン』シリーズのグリーン・ゴブリンのイメージ強いな)とロバート・パティンソン(『TENET/テネット』での好演が記憶に新しい)。基本的にこのお二人しか登場しません。

 

 迫真の演技

まず特筆すべきは主演2人の迫真の演技。主演男優賞ダブル受賞ものですよ。

ウィレム・デフォーが演じるベテラン灯台守は、俺が灯台の灯りは管理するから他の雑用はよろしく!というなかなかの鬼畜スタンス。おならを始めとしたスメハラにアルハラまがいの行為まで行うハラスメントの連打です。こんな人と4週間も一緒なら気狂うのも当然でしょう。そんな最低先輩の下でモロ不満顔して働く「若造」を演じるロバート・パティンソン。ただこの若造も一筋縄ではいかないキャラクターで過去にある秘密を抱えています。

二人のバッキバキな目付きと狂気じみた長台詞によるキャッチボール、いやドッチボールかw。中盤ぐらいから完全に脳みそのネジが飛んじゃってます。なぜ米国アカデミー賞の男優部門にノミネートされていなかったかが不思議です。

 


『ウィッチ』との共通項

今作を観て思ったのが、監督の前作『ウィッチ』で描いている事と結構似ているなということでした。『ウィッチ』をざっくり説明しますと、厳格なキリスト教徒として生活するため人里離れた森に住む一家が崩壊していく様を描いたホラー。いないいないばぁのシーンには肝が冷える作品です。

まず社会から遮断された全方位自然に晒された環境というのは共通点だったと思いました。自然、そこに伝わる怪しい伝説が人を狂わせる。そして社会から切り離された世界では人間の欲望を加速させる。そんな事を監督さんは描きたいのかなと考えました。何だか本作と『ウィッチ』を観ると『ポツンと一軒家』なんかで紹介されている人たちが心配になってきますね。変な幻想に取り憑かれてないかなぁ。

また動物に対する不気味さも共通項。『ウィッチ』では羊が悪魔の化身として描かれていました。羊がそうした描かれ方をするのは他の作品でも登場しますが、まさかカモメへ恐怖心を抱く日が来るとは。私個人としてはモノレールやおいしい岩手県のお菓子のイメージが強かったんですけどねw。日本で言えば狸や狐が人を欺いたりするなんて伝説があったりしますが、どこの国にも動物に対するスピリチュアルな恐怖というのがあるんだなと思いました。

 

まとめ

 以上が私の見解です。

本作はギリシャ神話や宗教、ラヴクラフト作品の要素も盛り込まれているようです。その辺は知識はからっきしなので言及は出来ませんが、特に気にしなくても充分に楽しめる作品でした。あればもっと楽しめるのかも。

あとはとにかく音響演出がエグい。船の警笛ですか、あの唸り声のような音が終始流れて続けるのが印象的。映画館の音響だからこそ感じられる没入感だと思います。

ということでこの辺でお開きです。ありがとうございました。