キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第37回:Marvelキャラクター キルモンガー の魅力を語る

今回は、映画『ブラックパンサー』(2018年公開)に登場した悪役、キルモンガーについて語りたいと思います。無論語ろうと思ったきっかけはこちらの訃報。

www3.nhk.or.jp

非常に大きなショックを受けました。まさかガンと戦いながら演じていたなんて思ってもみなかったです。残念極まりないですが作品は生き続けます。安らかにお休み下さい。ありがとうございました。

本来であればブラックパンサーの魅力を語るところですが、あの高潔な感じは言語化するより実際ご覧になったほうが早いので、あえてブラックパンサーではなく敵であるキルモンガーを特集することにしました。こういう謎チョイスこそ私のモットーだと思ってるので。

またMCUシリーズの悪役で最も人気があるのは口を揃えて「ロキ」と答える風潮に対する反発でもあります。そりゃロキさんのルックスは超絶イケてるし、「兄貴が苦労しているのは分かるけど、俺は俺で苦労してんだよ!」という全世界の弟の叫びを象徴したようなキャラでした。人気があるのは充分わかりますが、キルモンガーも負けちゃいませんのでネタバレ含め存分に語っていきます。

 

 

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スマホゲーム「マーベルフューチャーファイト」より

 

さらっとキャラ紹介

映画と漫画で設定はちょっと異なるかもしれませんが、映画のほうの設定でご紹介します。本名はエリック・スティーブンス。ネイビーシールズの兵士としてアフガニスタン従軍中に一流の殺人マシーンに。その次々と血祭りあげる様から“キルモンガー”と呼ばれるようになり、除隊後は暗殺や政府転覆などを生業にしています。戦闘スキルはもちろん頭脳明晰。ブラックパンサーことティ・チャラの治めるワカンダ王国をある理由からターゲットとするのでした。

演じるのは『クリード』シリーズのマイケル・B・ジョーダン。先日全米オープンで見事優勝を飾った大坂なおみ選手とちょっと噂になった人でもあります。噂の種は『クリード』の二作目の公開時、誕生日祝いにプレミアに招待したいとラブコールを送ったことでした。半分デートのノリですね。このプレミアムイベントに実際参加したかは存じてませんが、現在はラッパーの方と付き合っている大坂選手。彼とくっついていたら私は歓喜したことでしょう(誰目線だよw)。

ちなみにマイケル・B・ジョーダンは以前にもアメコミキャラクターを演じてましたが、なかったことになっているような気がするのは私だけでしょうか。まぁ触れないでおきましょう。気になる方はチェックしてみてね。

 

「野郎」惚れるルックス

まず魅力の一つがルックス。思わず「野郎」ってタイトル付けちゃいましたが、これを見たら大体の人は惚れるはずです。

 

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後ろのずんぐりした方じゃないですよ。役名は覚えていませんがダニエル・カルーヤという役者さんです。『ゲット・アウト』で一躍有名となった方。あの映画はなかなか面白いアイディアの詰まった作品でしたね。

まぁーそれはさておき、こんな変な髪型なのに色気がすげー。髭が良いアクセントになってます。初登場シーンなんてこの髪型に丸眼鏡というスタイル。私みたいな人間であれば、ただの変な格好した人になるのに、さらっと着飾ってますからね。エグいっす。

また中盤の武装スタイルもいいんですよ。ティ・チャラたちが武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)を尋問しているところを襲撃するシーン。アンダーバレルにグレネードを装着したアサルトライフル(DDM4 MK18って銃らしいです)は個人的に大好物。グレネードランチャーは、ブラックパンサーのハイテクスーツにも有効打になるようで、盛大にぶっ飛ばしてました。また、サブウェポンはガバメント系のハンドガンをチョイスしてるところもポイント高いです。

 

筋の通った動機

映画に登場する悪役は、たいていお金や権力目当てのことが多いです。あるいは無政府主義・破壊論者のようなタイプもちょいちょい見受けられます。現にMCUに登場する悪役たちも、これに該当します。しかし、このキルモンガーさんはそのパターンには当てはめずらい動機を持ったキャラクターでした。

実は彼、ワカンダの王家の血を継ぐ者だったということが後半で明かされます。父はティ・チャラの叔父にあたる人物。この叔父は、アメリカに潜入時に黒人差別の惨状を目にしたことでテロを起こそうと画策し、ティ・チャラの父にあたる人物に殺されていたのでした。父を奪い、スラム街にひとり置き去りにしたワカンダ王族に対する復讐。そして父の人種差別に対する怒りを社会にぶつけるための乗っ取り計画だったのです。

こんな哀しい過去を持った悪役は今までいたでしょか。勿論人殺しやテロは許されない行為ですが、彼自身の怒りと悲しみを知ると納得せざる負えないような気になってきます。これは私にとって共感というより、応援したくなってしまうキャラクターだったのです。

だから生きててほしかった…。結局、ブラックパンサーとの一騎打ちの末にお亡くなりになってしまいます。ブラックパンサーに直接殺されたというより、負った傷の治療を拒んで自ら命を絶ったという結末てました。この最期も意志の固さを感じられますが、お互いの意見が上手く擦り寄って和解をし、次のアベンジャーズ辺りで共闘するシーンでもあるんだろうと勝手に思い込んで終盤を見ていた私にとってはショッキングでしたね。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。以上が私が思うキルモンガーの魅力です。こうした今までとは少し異なるタイプの悪役を描いたことが、マーベル映画で初の米国アカデミー賞作品賞ノミネートに繋がった要因の一つだと感じています。

そんなキルモンガーさんの思いは、しかと心に受け止めました。受け止めたところで何が出来るでもありませんが、

キルモンガー・フォーエヴァー!

と言っておきます。

ということで、ここら辺でお開きです。ありがとうございました。

 

参考:

映画秘宝2020年9月号 双葉社 P.45

第36回:映画『インターステラー』の感想と考察 これはノーラン監督が描くラブストーリーだ!

今回は、9月4日から再上映をしている2014年公開『インターステラー』を扱いたいと思います。

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過去のノーラン作品についてはこちら。

captaincinema.hatenablog.com

captaincinema.hatenablog.com

 

イントロダクション

www.youtube.com

ダークナイト』や『インセプション』など暗めな作品を撮ってきたクリストファー・ノーラン史上最もエモーショナルと呼び声のある本作。

気候変動などにより作物が全く育たなくなってしまった地球。人類の生存が危機的状況だと考えたNASAは人類が移住可能な惑星を調査しています。しかし調査隊が行方不明になったため、腕利きだった元パイロットのクーパー(マシュー・マコノヒー)に調査員の捜索と移住可能な惑星を見つけ出すようお声が掛かるのでした。

ノーラン作品と言えば、実写撮影に固執した圧倒的映像美や難解だけど面白いストーリーもさることながら、実力派がわんさか出演するキャスティングも見どころです。

主人公のクーパーを演じるマシュー・マコノヒーは、『マジックマイク』(2012年公開)ではムキムキになり『ダラスバイヤーズクラブ』(2013年公開)ではガリガリになったりとストイックな役作りで有名な役者さん。ちなみに出演作品だと『キラースナイパー』(2011年公開)がオススメ。きっとマシュー・マコノヒーが嫌いになるでしょう(褒めてます)。

クーパーの息子の少年期を『君の名前で僕を読んで』(2017年公開)や『レディバード』(2017年公開)、『デューン砂の惑星』のリメイクも控えるノリにのってるイケメン俳優ティモシー・シャラメ

大人になった頃を、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016年公開)でオスカーを獲得したケイシー・アフレック

娘の少女期は『死霊館』(2013年公開)や『くるみ割り人形の秘密』(2018年公開)のマッケンジー・フォイ

大人になった頃を『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年公開)や最近だと『IT THE END/それが見えたら終わり』(2019年公開)にも出演していたジェシカ・チャステイン

さらにはアン・ハサウェイマット・デイモンといった超有名どころまで。これは海外スターが好きな人にとってはお祭りですよ。

 

ノーランが描く「愛」

サスペンスやアメコミヒーロー、戦争など様々なジャンルを撮ってきたノーランさんですが、ラブストーリー作品は今まで手掛けていません。『インセプション』や『メメント』では亡くなった奥さんを追い求めているよな人物設定なので、恋愛らしい描写はあまり感じられません。『ダークナイト』シリーズでは、それっぽいシーンはありましたが、作品の本質が異なる為かあまり主張したものにはなっていませんでした。これより私個人が感じたのはノーランさんは恋愛描写を描くのが苦手なのかと、いや、そもそもあまり好きではないのかなっと思います。

そんなノーランさんが「恋愛」のみならず「愛」そのものを描こうとした今までのニュアンスとは違う野心作だったと解釈しています。本作が親子の愛を描いているのは一目瞭然なのですが、その他の愛も描かれていたように見えます。

さぁーここからがネタバレです。これを論じるにはラストの展開に触れなくてはいけません。まずは、人類を救うべくNASAが計画しているラザロ計画について説明しなくてはいけません。この計画には、2つのプランがあります。

 

Aプラン

巨大な宇宙ステーションを地球外へ打ち上げて人類を脱出させ、他の惑星に移るプラン。これには重力をコントロールするための法則を解明しなくてはいけません。法則の解明はマイケル・ケインが演じる教授に託されています。

 

Bプラン

Aプラン失敗時の代替プラン。受精卵を保管庫で管理し、移住可能な惑星を見つけ次第人工培養させてコロニーを作る計画。人類の存続という観点だけに絞っているため、地球上に残された人々は見捨てることになります。

 

もちろんマーフィーたちはこのAプラン実現を目指して奮闘することになりますが…そう一筋縄ではいきません。Aプランで重要となっていた重力の問題は、なんとブラックホールの内側にある特異点なるものを観測しないといけないというのです。しかも教授はそのことに気付いていながらも事実をひた隠し、お亡くなりになるという鬼畜プレーを発動。もう無理ゲーです。しかし結果としては成功する結末を迎えました。(成功といっても宇宙ステーションの打ち上げに成功した段階で、まだ移住可能な惑星には辿り着いていません。)なぜ成功したのか。ブラックホール内の5次元空間などちょっと言語化出来ないような現象によるものが要因ですが、ブラックホールから奇跡的に生還した父と教授の意思を継ぎ解明に尽力をした娘の賜物です。お互いが時間と空間を超越して信じる続けた結果だったわけです。

ではBプランはどうなったのか。こちらもどうやら成功したようなんです。紆余曲折があってクーパーと生き別れとなった女性隊員アメリア(アン。ハサウェイ)。彼女はクーパーと別れたあと、ある惑星に向かうことになります。それは恋人である隊員がシグナルを送っていた惑星。残念ながら恋人は亡くなっていたようですが、そこでコロニーを作ることに成功したのです。Bプランのほうは、恋人を信じ続けた結果の賜物だったというわけです。

さらにさらに、ラストはクーパーがアメリアを救いに一人宇宙へと旅立つシーンで幕を閉じます。これって仲間に対する「愛」ですよね。生きていること。そして待っていてくれているであろう信じる気持ちがあるからこその行動です。

家族、恋人、仲間の3種類の形の違う「愛」でも、共通しているのは「信じること」だと感じています。「愛は観察可能な力だ」というセリフが中盤に登場しているように、「愛」は「信じること」で形になっていくんだと思います。

相対性理論ブラックホールとか私のような文系脳には、ほとんど理解が出来ないような法則や理論が平然と登場するのですが、結局作品のテーマはシンプルなんですよね。『インセプション』もそうでしたが、この回りくどさが醍醐味だと思います。

 

まとめ

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↑撮影の様子。ガチで宇宙船、作ったのかー。

 

以上が私の解釈になります。

ゴリゴリのSF作品でありながら、ちゃんとエンタメ性を忘れてはいない非常にバランスの良い作品です。

再上映は期間は2週間限定だったはずなので、来週の金曜日までですかね。まだ間に合います。是非壮大な宇宙体験と共に「愛」を全身で感じてみて下さい。

それではこの辺でお開きです。ありがとうございました。

第35回:「ニワカ」ってなんだ? 映画好きについて考えてみた

 今回は「映画好き」&「ニワカ」ついて考えてみたいと思います。きっかけはこちらの記事。

getnews.jp

「真」なんだか「ニワカ」なんだか知りませんが、こうした偏屈した見方(人の事言えねーかw)をする映画好きの定義、なーんか時々目にするんですよね。その度に心に黒いモヤがかかるような気がして感じ悪いです。さて、憂さ晴らしにモノ申すとします。なにしろ独断と偏見と自己満足がモットーですから。

 

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↑マーベル映画好きも「ニワカ」って言われるかなぁー?

 

 

列挙されていた作品についての見解

まずは、記事に挙がっていた作品を見てみましょう。

 

ニワカが好きな三大映画として選出された作品
ショーシャンクの空に
レオン
パルプフィクション

 

その他の選出された作品

・グラントリノ
フォレストガンプ
プライベートライアン
ダークナイト
ファイトクラブ
バタフライエフェクト

 

どれも良い作品ですし、確かにそこまで映画鑑賞を趣味としていない人でも知っている可能性の高い作品だと思います。しかし認知度と完成度が高くて分かりやすい作品だから好きな映画として挙げないということには繋がらないと思います。なぜなら、その作品が好きになる動機って色々あるからです。

私の場合は、鑑賞した時の自分の心の状態や置かれていた環境が影響して好きになった作品も結構あります。特に「初めて○○を経験した作品」みたいにな衝撃的な出会いってのはデカいです。その最たる例が上でも挙がっていた『ダークナイト』。私のアツい思いはこちらで確認を。

captaincinema.hatenablog.com

 

好きなものを「好き」と言えない世の中

昨今「ミーハー」だの「ニワカ」という言葉が弊害となり、どうも好きなものを「好き」と主張がしにくい風潮が流れいるように感じます。他人の目や有識者の意見ばかりを気にして心に蓋をする。そんな世の中つまんないですよ。

ニワカで思い出されるのが去年のラグビーワールドカップです。

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この年「ニワカ」は流行語大賞にもノミネートされていました。開催前は“日本でやってホントに盛り上がんのかよ”といった疑念が世の中にあったと思います。しかし、いざ開幕するとルールはよく分からないけど見てると楽しいしと感じている人や日本チームが勝つとやっぱり嬉しいという人が続出。現に私も全く見たことないスポーツでしたが、ゴリゴリマッチョな男たちがぶつかり合ってるのを見るのは興奮しましたし、ちょいちょいお顔もイケてる人たちがいたので結構見てました。やや路線の違う楽しみ方をしていた私も含め、あの時は多くの人がニワカだったんじゃないでしょうか。

今じゃコロナのせいか、めっきり話題にならなくなってしまいましたが、ニワカがいないと世間的な盛り上がりを見せないということを証明した現象だった思います。つまりスポーツ業界を始め多くのエンターテインメントを提供する界隈は、ニワカによって支えられてる部分もあるんだと思います。だからニワカだっていいんですよ。

 

ただ一つ気に入らないこと

ニワカ万歳!とは言っていますが、私が“こいつは「糞ニワカ」だな”と思うタイプがいます。それは、自分の持ち合わせている映画の知識をひけらかしマウンティングしようとするくせに、自分の知らない作品が話題になると突如「興味ないわ」と冷たい態度を取ってくる人です。

それは勿論、全てのジャンルを網羅することが出来ないぐらい幅が広いですし、私にもカバー出来ていないジャンルが大量にあります。「名作」と位置付けられてたり、人気のある話題作でも未だに見てない作品はまぁーありますよ。だから興味がないのは仕方ないですけど、あたかも知恵比べをしているかのような映画トークになっているのが大嫌いなのです。

映画は知識を争う道具ではありません。「好き」なら「好き」と言えばいいし、自分が好きだと思う作品をアツく語っている人こそ真の映画好きだと思ってます。ただそのアツく語っている姿が知識をひけらかしてように受け止められる可能性もあるので、難しいところなんですが。

まぁ「糞ニワカ」から売られた喧嘩なら買いますよ。すんなり降伏するなんて今までの映画ライフに自分でケチつけるみたいで嫌ですから。いや、相手にするのも疲れるだけでメリットないので相手にしないかもですねw。

 

まとめ

ここまで「映画好き」と「ニワカ」について考えてきました。結論「好き」ならそれでいいじゃないかということ。私自身もこれからは、自ら「映画好き」と名乗る人は立派な映画を愛する仲間だと思うようにします。というわけで、なんの恥ずかしげもなく叫んでやります。

「俺は映画オタクだ!」

それではここら辺でお開きです。ありがとうございました。

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↑このプレデターさん、思いっきり叫んでるように見えたので貼っときます。

第34回:20世紀FOXを偲んで『コマンドー』やら『X-MEN』を語る

つい先日、私にとって悲報が2つほどございました。

まずは、こちら。

natalie.mu

そしてもう一つがこちら。

www.cinematoday.jp

コマンドー』の再上映がもうないことと『デッドプール』の続編がなさそうなこと。何ら関係のない話題に見えますが、ある共通点があります。それはどちらも配給会社が20世紀フォックスであったこと。つまり、2足歩行のネズミさんがお買い上げしたことが影響しているのではないかと感じてしまうのです。

コマンドー』の場合は「国内上映権」が終了とのことですし、『デッドプール』の場合は3作目の企画自体進んでいたどうかよく分かりません。しかし何かしら力が働いているのではないかというのは考え過ぎでしょうか?少なくとも、映画館から「20世紀フォックス」のロゴを廃止したのは事実です。今生の別れとなったのは今年公開の『フォードvsフェラーリ』でしたね。

勿論、ネズミさんの手がける作品は好きですよ。マーベルシネマティックユニバースを成功に導きましたし、賛否はあれど映画館にスターウォーズを蘇らせました。ピクサーはコンスタントに良作を生み出しています。しかし、それとこれとは別の話。この件に関しては未だに納得していない往生際の悪い人間です。ということで、事実上消滅してしまった20世紀フォックスを偲び、これまでに生み出された素晴らしき作品たちをつらつら語ってみましょう。

 

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 もう、このロゴは映画館で見られないんだよな…(泣)

 

ザ・アクション映画の宝庫

まずはコマンドー』(1985年公開)

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ある山奥に娘と暮らす元軍人メイトリスク(アーノルド・シュワルツェネッガー)のもとに、武装集団が現れ娘を誘拐してしまいます。武装集団を率いるとある国の大統領に返り咲きたいおっさんは、娘と引き換えにクーデターに協力するように脅迫してきます。しかしそんな簡単にいくわけありません。脅迫したのが運の尽き。悪事に手を染めることへの拒否というより、娘に手を出したなバカヤロウ!精神で、武装集団をボコボコにしていくのです。このシンプルにスカッとするストーリーと独特な日本語センスの吹き替えが好評で、映画好き以外にもネット界隈の方々からも愛されている作品です。

今作ポイントは、とにかくメイトリクスのぶっ壊れパワーを堪能することです。まず初登場シーンが、クソデカい木材を担ぎながら颯爽と歩く姿ですから腰が抜けます。電話ボックスを持ち上げたり、車の座席シートは引っぺがしたり、横転した車は素手で押し戻すなど常人を遥かに超えたパワーを披露。トータルキル数は100人近くいっているはずです。流石、元上官から「第3次世界大戦」といわれるだけあります。

そんなぶっ飛びキャラを現役バリバリだった頃のシュワが、はち切れんばかりの筋肉とボディビル特有の絶妙な顔立ちを武器に好演しています。

アクションはこういうので良いんだよ、うん。

 

そして、私がアクション映画の名作中の名作だと思っているのがダイ・ハード』(1988年公開)です。

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日本企業が構えるハイテク高層ビルを武装集団が占拠。ビル内には社員、そして間違ってクリスマスパーティーに呼ばれてしまったNYの刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)が居合わせいました。武装集団と1人の警官の仁義なき戦いが要塞と化したビルを舞台に開幕したのです。

最新鋭のセキュリティと鍛え抜かれた犯人たちを前に足踏みする地元警察とFBI。そんなことをよそに、ジョンはタンクトップに裸足という超軽装でビル内を駆けずり回り、手持ちのハンドガン(ベレッタM92F)を駆使して孤軍奮闘します。完全無欠のスーパーヒーローかと思いきや時には弱音を吐き、一人で小言をぼやく姿が人間味のある最高なキャラクターに仕上げています。

また武装集団のボスを演じるのは『ハリポタ』シリーズのスネイプ先生でお馴染みアラン・リックマン。あの冷酷無比な雰囲気は悪役界でも屈指の魅力を放っています。

さらに外野と化した地元警察・FBIの中で唯一ジョンのことを信じて、無線でやり取りするパウエル巡査(レジナルド・ヴェルジョンソン)も良いキャラしてます。彼がおりなす「最後の銃声」は何度見ても目頭が熱くなります。

因みにですが今作はクリスマスイブを舞台にしているので、れっきとしたクリスマス映画だと認識しています。『ホーム・アローン』(これも20世紀フォックスだよ)や『ラブ・アクチュアリー』も良いですが「野郎」としての意地があるなら、今作を聖夜に見てハッスルすることをおススメします。イピカイエ~。

 

その他、シュワと宇宙人がジャングルで殴り合う無差別級マッチを描いたプレデター』(1987年公開)

キアヌ・リーブスサンドラ・ブロックの相性抜群なノンストップアクション『スピード』(1994年公開)

最近だとオスカー受賞歴のあるイケオジ俳優コリン・ファースがアクションやっちゃった痛快スパイアクションキングスマン』(2015年公開)

などがあります。『キングスマン』に関しては今年の9月に三作目が公開予定でしたが、北米公開が来年に回ったようなので日本公開も遅れると予想されます。公開延期は、これで2回目。一体いつ公開するんだか。そして内容に至ってはネズミさんの傘下となったことで変化があるのか。何とも気がかりなことが多い作品です。

 

X-MEN映像化の功績

ネズミさんの会社がアメコミヒーローで一大叙事詩を築く前から20世紀フォックスはアメコミヒーローの作品を作り続けていました。それがX-MENのシリーズです。X-MENとは、遺伝子の突然変異によって様々な特殊能力を持った「ミュータント」と呼ばれる集団のこと。マインドコントロールが出来るおじさんや天気を操れる女性、全身を氷で覆える青年など、多種多様なキャラが登場。個人的にはマグニートーという金属を操る能力を持ったキャラが好きですね。まぁ敵なんですけど、若かりし頃を演じたマイケル・ファスベンダーのカッコ良さも印象に残りましたし。

そんな個性的なキャラクターを楽しむ以外にもシリーズで一貫しているテーマがマイノリティの問題です。いわゆる「ギフテッド」と呼ばれる能力保持者であるミュータントたちは、普通の人々から敬遠されたり、病気扱いされるといった描写が多々見受けられます。この要素はシリーズを重ねるごとに薄まった印象ですが、1作目は2000年公開なので当時としては、なかなか画期的だったのではないでしょうか。

また先ほどのアクション路線でいえば、ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンは必見。マッチョボディを活かした野性味あふれるアクションで、敵をなぎ倒していきます。しかも、ジョン・マクレーンと同じくタンクトップが基本スタイル。映画史に残るタンクトップファイターを2人も生み出したこと。そして、ヒュー・ジャックマンという単なる「マッチョ」ではない「歌えるマッチョ」なる逸材を掘り出した功績に関与している20世紀フォックスは良いセンスしてました。

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↑シリーズの中で個人的に好きなのはX-MEN フューチャー&パスト』(2014年公開)ですかね。とにかく敵のセンチネルが強かった。

 

フォックスサーチライトピクチャーズの存在

 ここまで肉密度高めでお送りしてきました。これだけ聞くと20世紀フォックスは筋肉アクションだけかよと思いますが、あしからず。20世紀フォックスとは姉妹会社にあたるフォックス・サーチライト・ピクチャーズが多くの中・小規模の良作を世に送り出しました。

例えば『リトルミスサンシャイン』(2006年公開)『シェイプオブウォーター』(2017年公開)、『ギフテッド』(2017年公開)、『グランドブダベストホテル』(2014年公開)。今年公開作品ですとジョジョ・ラビット』などキリがないぐらい連発しています。そんな中で個人的に結構気に入ったのが『スラムドック$ミリオネア』(2008年公開)です。

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日本では、みのもんたで馴染み深い「クイズミリオネア」。そのインド版に出場した主人公の青年(デイブ・パテル)がクイズを通して人生を振り返っていくというあらすじ。米国アカデミー賞作品賞も受賞した作品です。

ことごとく出題される問題と主人公の人生がリンクしており、なかなか突拍子のないストーリー設定ですが、不思議と見入ってしまうんですよね。インドのスラム街で生また主人公が、兄貴と共に必死で生きようとするパワーがインドの街を疾走していく様は爽快感があります。この作品のこともあって、主人公がインチキをしたんじゃないかと疑う警官として登場するイルファーン・カーン逝去のニュースはショックでした。

このように多くの作品を生み出したフォックス・サーチライト・ピクチャーズですが、こちらも同時にネズミさんの傘下となりました。恐らく20世紀フォックス自体が手掛ける作品が少なくなるので、サーチライトが手掛ける作品も少なくなることでしょう。私が納得いっていない理由は、案外ここなのかもしれません。畜生! 

www.youtube.com

↑こんな動画がありました。これ見た方が魅力はすんなり分かりますね。

 

まとめ

 あー、ダメだ。余計に悲しくなってきた。

一時代の終焉を感じさせる事件だった買収騒ぎ。こうやってモジモジしていても埒が明かないので、前に進むしかないです。今後「20世紀スタジオ」及び「サーチライト・ピクチャーズ」として変わらない遺伝子が継承されることを願っています。頑張れ。

ということで、この辺でお開きです。ありがとうございました。

第33回:映画『インセプション』の感想と考察 難解なストーリーに秘められたメッセージを独自解釈

今回は8月14日からIMAX・4DXでの再上映をしている2010年公開のクリストファー・ノーラン監督作品『インセプション』について語ろうと思います。公開から丁度10年なんですね。そうは思えないような作品で、私自身SF映画の中でも一番好きな作品です(マッドマックス/怒りのデスロードをSF映画に含めない前提ですw)。それをIMAXで見られる日が来るなんて…。

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イントロダクション

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予告に登場する「お前の頭の中に犯罪現場がある」っていいですね。

対象者の夢に侵入し、その人しか知り得ないアイディアや情報を盗む企業スパイたちのお話。主人公のドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、ある事が理由でアメリカに住む家族に会えず、逃亡生活をしながらスパイ稼業を行っていました。そんな中、大企業の社長であるサイトー(渡辺謙)から、ある仕事に成功したらアメリカに返してやると提案されます。その仕事とは、ライバル企業の次期社長(キリアン・マーフィー)に会社を解体するための考えを植え付けるという成功確率の低いミッション。その困難なミッションへ仲間たちと共に挑んでいくことになります。

レオナルド・ディカプリオの名前が出てきただけでも充分なキャスティングですが、その他の出演者も相当豪華です。

『マッドマックス/怒りデスロード』や『レヴェナント/蘇りし者』のトム・ハーディ

『スノーデン』や『500日のサマー』、最近Netflixで配信開始となった『プロジェクト・パワー』のジョセフ・ゴードン=レビット。

ミッドナイト・イン・パリ』や『マリアンヌ』、アカデミー賞受賞歴もあるマリオ・コティヤール。

面白いことに今挙げた3人は、同じノーラン監督の2012年公開『ダークナイトライジング』にも出演しちゃってます。いや、被り過ぎだろw そんなメンツに渡辺謙がいるっていうのが感無量ですね。

 

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撮影の様子。右が監督で左がレオ様。地味に髪型似てね?

 

自身の夢体験を通して感じたこと

まずは私自身が記憶している夢体験を語りつつ、夢とは何ぞやってことを考えてみます。

最近見た夢で覚えているのが(最近と言っても映画館がコロナで休業中だった頃に見た夢)、映画館に行く夢でした。どんな作品を見たのかは分かりませんが、非常に満足した気分を感じている状態でした。意気揚々と映画館を出たところで、自分が手ぶらであることに気付きます。手荷物を取りに映画館まで走って戻ろうとするのですが、全く辿り着く気配がないという夢でした。今のところ正夢にはなっていないですが、ホント起きてもおかしくはないようなリアルな夢でしたし、映画館に行きた過ぎて見たのは間違いないでしょう。

また私がよく見るのは怒る夢です。電車内で酔っ払いに絡まれることや高学歴を振りかざして人格否定をしてくる嫌味な奴と対峙するなどシチュエーションは様々ですが、とにかく我慢の限界となり、怒りに身を任せ暴力を振るう夢は強く印象に残っています。普段は人に暴力おろか怒るなんてこと全くしない人間なので不思議なものです。逆に、普段怒らないからこそ潜在的に感じている不満やストレスを夢で発散しているのかも。現実で爆発しないように気を付けないと…。このように自分の抱えている願望や欲が謙虚に表れることもあれば、自分では意識していないものが表れるのが夢。

そんな心のバロメーターともいえる夢の側面をしっかり捉えているのが本作だと思います。主人公は、あるトラウマを抱えています。それが度々夢に現れミッションへ支障をきたすことになります。まぁ正確に言えば、そのトラウマと向き合うことが出来ず、意図的に夢の中で逃避が出来るようにしていたせいで、夢の公私混同状態になっちゃったのが原因でしょうけど、夢にトラウマが現れているのです。なんか夢って奥が深いですね。他人の印象に残ってる夢の話を聞いてみたいものです。

 

結局何が言いたい作品なのか

 ここまでネタバレしないように語ってきましたが、うーん、厳しい。やはりラストシーンについて触れなくては考察を語ることは不可能です。ラストシーンが非常に重要なので、未視聴の方はご覧になってからをおススメします。

今作は公開当時からラストで現実か夢かを判断するコマは止まったのか否かの論争があったようです。

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このコマとはトーテムと呼ばれるもので、夢か現実なのかを判断するために使うツール。コマが回り続けたら夢の中、止まったら現実です。ラスト、家族のもとに無事に帰還した主人公のコブは、現実かどうかの判断するためコマを回します。しかし、その行く末を見ずに子供のもとに駆けつけてしまいます。机の上で回り続けるコマ。軸がブレて止まかけのように見えた瞬間、映画が終了。エンドクレジットに入るのです。なんてズルい演出なんだ!果たして彼は夢と現実どちらの世界にいるのでしょうか。

この論争、正直私はどちらの解釈にも間違いはないと思います。だって、どちらもロマンがあります。むしろそれよりも大事だと考えているのが、コブがコマの行方ではなく息子・娘の顔を見て嬉しそうに駆け寄ったことです。この息子・娘の姿は、コブの幻想として何度も登場するのですが、顔が映るのはこのラストシーンしかありません。ここから私が感じるのは「夢だろうと現実だろうとそんなの関係ない。目の前にある幸福を味わおうじゃないか。」というトラウマの克服と幸福の享受です。これはもう子供たちの笑顔も相まって、涙なしでは観られません。

結局監督が言いたかったことってずばり「現実と向き合え」だと思います。それはエンドクレジットでも感じられはず。エンドクレジットの最後で『水に流して』という曲が流れます。この曲は、夢から現実へ戻す合図である「キック」の際に登場人物たちが使用している曲です。つまり、あそこで流れた『水に流して』は観客への「キック」の合図なんですよ。「映画」という夢に酔いしれることは気分が良くて幸せなことです。しかし私たちの本当の居場所ではありません。どんなに辛くても現実を受け入れることが大事だし、現実があるから「映画」という夢を楽しむことが出来るんじゃないでしょうか。

これは2017年公開『レディ・プレーヤー1』と似ています。あれはVRの世界でしたが仮想空間という意味では設定も同じですし、ラストは彼女さんとラブラブするという現実の幸せを嚙みしめていたわけで、伝えたいメッセージ性の方向も同じ気がします。『レディプレ』の場合はストレートに感じることが出来ますが、本作はなかなか感じずらい。私みたいな鈍感な人間は何度も観ないと分かりませんw。ノーランさんは、回りくどく言ってるだけなんですよ、きっと。

 

まとめ

以上が何度も見て辿り着いた私の見解です。

 “何度も見ないと分かんないのかよ…”と思った方でも大丈夫なはず。難しい内容を映像美や巧なストーリーテリングを駆使して、観る者を飽きさせないのがノーランさんの得意技。何度も楽しめる作品に仕上がってます。私も先週IMAXで観ましたが、物語に没頭するという意味においても映画館で本作を観るのは格別でした。

今がチャンス!劇場で是非。

ということで、この辺でお開きです。ありがとうございました。

第32回:映画館へ愛を込めてPart6 上映中のスマホ問題について

ここ最近、映画上映中にスマホをいじる問題が話題になっているようです。なるほど、私の出番のようです(誰も呼んでねぇ)。ただやはり映画館を愛するものとして、黙ってはいられない事案です。胸糞悪さから来る興奮を勢いに、問答無用に一石投じさせて頂きます。

 

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TOHOシネマズのホームページの画像を引用。ここには「上映中は携帯電話の電源はお切りください。」と書かれています。

事の発端

www.nikkansports.com

どうやらこちらの事件が火種ようです。動機は「男性が上映中にスマートフォンをいじっていたので注意したが、やめなかった」とのこと。

この事件を知り、私が最初に思ったのは今までなかったのかということです。メディアで取り上げられていなかっただけなのか、警察沙汰まで発展したことがなかったのか。どちらにせよ、何処かで起きていても何ら不思議ではない事だと思いました。

 

私自身の体験として

先に私自身の体験を話しておきます。

これまで何百回と映画館に足を運んできましたが、はっきり申し上げて上映中にスマホをいじる人に遭遇したことないんですよね。運が良いのか、私が鈍感なのかは分かりません。しかし1つ考えられる影響は、見に行く作品による客層だと思います。私が行く作品は上映館数が少なく世間ではそこまで話題にはなっていないものが多い気がします。そのせいか、スマホばっかみてそうな若造(私の若造なんですけど)が多数を占めるようなシチュエーションは少ないです。たいてい私よりも年齢高めな方ばかり。また猛者の香りを放つ人と遭遇することも(例えばアメコミグッズを身に付けてアメコミ作品を見に来てる人)よくあります。こうした人達が途中でスマホをいじるなんて考えにくいですよね。よって私の経験上で言うなら、いじる人はごく少数だと思います。見かけないからこそ、より一層腹立たしく感じるのかもしれません。私も遭遇したら理性を保てるだろうか…。

ただ、エンドクレジットでいじる人はよく見かけます。エンドクレジットならまぁー百歩譲って許せます。エンドクレジット後のボーナス映像がある作品の存在や暗い中で退場の準備をするのが大変などの理由で時間を潰しているのでしょう。普段エンドクレジットを見る習慣のない人とってはあの時間は苦痛でしょうから仕方ないように思えます。

 

いじる人たちの言い分

ここまで割と穏やかに話してきましたが…しかしね。Twitter上に挙がっていた以下の画像を見て、久しぶりに腸が煮えくり返りました。まずはこちら。

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でたよ動画野郎。

短いコンテンツに慣れすぎたいかにも現代人らしい言い分です。別にYouTubeなどの動画コンテンツを敵視するつもりはありませんし、私自身時々見ます(ほとんど映画関連ですが)。ここで私が言いたいのは映画とネット動画は、同じ「映像」であっても全くの別物であるということ。映画は「映像」ではありますが、どちらかと言えば小説という「読書」に近いところがあると思ってます。「映像」の場合は、頭を空っぽにして集中して見なくても理解出来たりしますが、映画は違います。起承転結を追い、登場人物の心情やストーリーに隠されたメッセージや行間を読み解く。この行為を約2時間続けた先にある達成感とカタルシス。我慢の出来ない人間には到底辿り着くことは出来ない領域にあるのが映画なのです。そもそも、なぜこのような2時間の我慢が出来ない人間が映画館に行くのでしょうか。甚だ理解が出来ません。

これだけで充分ぶちギレてますが、更にこちら。

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知らんがな。そんなに心配なら家で永遠にスマホを見つめていて下さい。

私の人生がしょぼくれているからかもしれませんが、緊急で連絡をしないといけないことや重大な事なんて人生そうそう起きませんよ。もっと肩の荷を下ろして、純粋な心で作品に挑んで見たら携帯なんてどうでも良くなるはずなんですが。果たしてこの方は、心に余裕を持ったことがないのでしょうか。常に漠然とした不安に付きまとわれているなんて可哀想ですね。社会の病理を見た気がします。

 

また、2つの発言に共通して言えるのは集中力の欠落でしょう。 情報社会となり、常に送信と受信を繰り返す日々に身をさらされている現状が影響していると考えられます。やはり技術の進化は人間の退化をさせるのかもしれません。

 

まとめ~映画館とは何なのか?~

さて、怒りを鎮めて冷静になりましょう。まとめとして映画館ってどんな所なのかをちょろっと述べます。

captaincinema.hatenablog.com

過去にも述べてましたが、映画館とは平等な場所です。スキルや才能は必要ないし、社会的地位や経済的余裕も作品を目の前にしたら関係ありません。そこには「みんなで楽しむ」それだけしかありません。この平等性を維持する為にはルールが必要です。誰もが好き放題やっていたら無法地帯になるばかりで、楽しむものも楽しむことは出来ません。映画館って民主的なんですよ。映画館がルールを守る健全な人々で溢れることを願ってやみません。

最後にあんま関係ないですが、昨今のコロナ事情で苦境に立たされた映画館に対するクリストファー・ノーラン監督の感動的な発言を結びにお開きにします。

映画館は闇に包まれてしまった。だが決して映画がその価値を失うことはない。この危機を乗り越えた時、人々の集まりたいという思いや、共に生き、愛し、笑い、泣きたいという願いは、かつてないほど強くなるだろう。映画館はそのすべてを、私たちにもたらしてくれる。だから、私たちには映画が必要なのだ。

ありがとうございました。

第31回:Marvelヒーロー ホークアイ の魅力を語る

先日Twitterを見ているとこんなタグを発見しました。

#細かすぎて伝わらないホークアイの好きなところ選手権

なるほど、なるほど。遂に「ホーク愛」を爆発させる機会がやってきたのです。Marvelヒーローで一番の好きなのはキャプテンアメリカなのですが(ごめんよ、ホークアイ)、2番目と言われれば確実でしょう。そもそも私の「ホーク愛」に火が付いたのは、学生だった頃のある日。講義が始まる前の教室で、ぼんやりしていると後ろからこんな感じの会話が聞こえてきたのです。

A:「アベンジャーズって見たことある?あれ、マジで面白いよ。」

B:「アイアンマンとか出てくるやつだろ。見たことあるぜ。」

 ここまでは何ら問題のない会話ですが、しばらくすると…

A:「弓矢持ったおっさんとかいらねーよ。」

B:「確かに。弓矢弱いし、アイアンマンとかソーに比べればしょぼいよなw」

 ああああ!何も分かってね、能力じゃない彼の魅力にどうして気付けないんだ。

そんな積年の恨みも含めガンガンぶっこむんで夜露死苦

 

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スマホゲーム『マーベル フューチャーファイト』より

 

 さくっとキャラ紹介

全然知らねーよという人もいるかもしれないので、先ほどあげた画像元であるスマホゲーム『マーベル フューチャーファイト』の紹介文を引用します。

サーカス団に所属し、弓矢の達人として育てられたクリント・バートンは、完璧と言えるほどの名射手である。鋭い視力と反射神経を持ち、アイアンマンの戦闘を目撃して以来、弓術を活かして悪と戦うヒーローになることを決意した。

この説明はコミックの設定も含まれているようです。映画ではこの辺の経緯は描かれてておらず、SHIELDと呼ばれる平和維持組織のエージェントとして登場します。演じているのはジェレミー・レナーアカデミー賞を獲得した『ハート・ロッカー』の爆弾処理を担当する兵士も印象深い俳優さんです。

あっちなみにコミック未読者なので、映画で描かれたホークアイを前提にお話をしますのでご了承を。

 

弓矢は正義の証

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まずは弓矢というアイテムの重要性です。ホークアイ以外にも弓矢を使用するヒーローは数多く存在します。ラッセル・クロウタロン・エガートンなどが演じたロビンフッド。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズののレゴラス。『ハンガーゲーム』シリーズのカットニスDCコミックスのヒーローでドラマ化されたグリーンアロー。そして、まだまだ現役で頑張るジョン・ランボーなど映画やドラマに沢山登場します。

また、弓矢がヒーローの証として位置付けられているのはここ最近の話ではありません。例えば先ほど挙げたロビンフッドは、中世イングランドから伝わる伝説上の人物です。また、日本の歴史で言えば那須与一が頭に浮かびます。平安時代から鎌倉時代に至るまでに繰り広げられた源平合戦を中心に記した『平家物語』に登場する弓矢の達人は英雄のような印象を受ける描かれ方をしています。

このことから、弓矢は古来よりヒーローの象徴として位置付けられてきたのです。キャプテンアメリカの楯と並ぶ正義のシンボルといっても過言ではないでしょう。

 

女性ヒーローたちの礎を築いた功績

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女性の社会進出や地位向上が騒がれる昨今において彼の功績はもっと評価されるべきはずです。

まず、初期メンバーの一人であるブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)という女スパイは、ホークアイにブタペストで勧誘された(勧誘というより助け出された)という過去を持ちます。その為お互いかなり強固な絆で結ばれています。

また、『アベンジャーズ/エイジオブウルトロン』では、当初敵であったスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)の勧誘に成功。大量の敵を前に怖気つく彼女に「扉を開けたら君もアベンジャーズだ!」と喝を入れたのはシリーズ屈指の名言でしょう。

こうして女性ヒーローたちの礎を築いくことに何気に貢献しているホークアイ。彼の活躍がなかったら、アベンジャーズはもっと男臭い集団になっていたのかもしれません。

 

進化する装備&戦闘スタイル

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どのヒーローも回を重ねるごとにパワーアップしていますが、ホークアイの発展は一際目覚ましいものがあります。順に見ていきましょう。

 

アベンジャーズ』:腕だしルックでマッチョアピール。ソーと張り合ったってしょうがないのに…。しかも遠距離担当なのに矢を切らす失態を犯します。ノールックショットは格好良かったけど。

アベンジャーズ/エイジオフウルトロン』:長袖着用で防御力がややアップ。3本いっぺんに放っても切らさない量の矢を持ってました。また素手や弓で敵を殴るというダメージ量はやや少なそうな近接攻撃も披露しました。

シビルウォーキャプテンアメリカ』:課題であった近接戦に対応。棒状の近接武器に早変わりする弓を採用していました。そのおかげでブラックパンサーと殴り合うことに成功します。

アベンジャーズ/エンドゲーム』:鈍器じゃダメだと殺傷力の高い刀を採用。雑魚敵どもをばっさばっさと切り倒し、近接戦でも充分戦えることを証明。我らが真田広之も刀の餌食になりました。

 

例え他のヒーローよりもパワーが劣っていても、戦いのたびに反省点を踏まえて次の戦いではしっかりフォローしていくという徹底ぶり。この姿勢は勉学や仕事など多く人が見習うべき観点だと思います。

 

戦うパパは格好良い

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 メンバー史上初の“お父さんヒーロー”であることを忘れてはいけません。お父さんであることが明かされるのは『アベンジャーズ/エイジオブウルトロン』の時でした。だだっ広い野原に建つポツンと一軒家。色々不便そうですが、そこに奥さんと3人の子供の5人家族で住んでいました。典型的な家族って感じです。

スーパーヒーローが家庭持ちという設定はなかなか稀有な例かと思います。まぁアントマン(離婚しているため戸籍上家族ではありません)や『エンドゲーム』時のアイアンマンも家族を持つ身ではありますが、スーパーヒーローはたいてい恋人以上伴侶未満の相手がいる印象が強め。だからこそ家族を養うためにヒーロー稼業やってるなんてアツいですし、奥さんと子供がいるぶん自然と彼の危機的なシーンは固唾を呑んで見守ってしまいます。

ここでちょっと興味深い、いや興味深いといったらすげー失礼ですが演じているジェレミー・レナ―自身はそう上手くはいっていないご様子で。

www.tvgroove.com

新型コロナの影響で収入が減ったから養育費を減額して欲しいと元妻に頼んでいたはずですが、今度は不正利用したとして訴えちゃいますか…。ホークアイとして絵に描いたような家族を演じていても現実は全く異なるのは、何だか哀しいですね。

 

まとめ

お分かり頂けたでしょうか。こんなに魅力が盛りだくさんなのです。「いらない」なんて言わないで欲しいです。ホークアイってGoogleで検索すると関連ワードに「アベンジャーズ ホークアイ いらない」なんて出てくること(今はどうかな)が悲しみ。私のこの記事が少しでもこの状況を打破できれば御の字。また、動画配信サービス ディズニープラスではホークアイを主人公にした作品も公開予定らしいので、温かい目で見守っていきましょう。

というなぜか最後はお母さんみたいな発言になってしましたが、この辺でお開きです。ありがとうございました。

 

※追伸(2021年12月24日)

まとめで触れたホークアイを主人公にしたDisny+のドラマを観たので簡単に書き足したいと思います。

やっぱりホークアイホークアイでした。まず、女性ヒーローたちにことごとく関わってるじゃないですか。弟子とも呼べるケイト・ビショップさん(素人とは思えないポテンシャルの高さ)は勿論、『ブラック・ウィドウ』(2021年公開)で活躍したエレーナさんにあの義足のキャラクターもどうやら今後の展開に絡んで来るようなので、3人ものストーリーに関わっています。

また戦闘スタイルにおいては今まで以上にトリックアローを多用し敵を翻弄させていました。ピムやスタークの矢があるのがファンにはたまらないよね。格闘シーンも多めで、一般人を相手にすれば圧倒的な強さを誇る事が証明されました。まぁそりゃそうだわ。

という感じで、改めて私が思っていた魅力を再確認させてくれる内容でした。ただあのキャラの扱いに関しては今のところ頂けないぞ。今後に期待です。

 

参考:

なぜ弓矢!?アナログ武器がウケるワケ - シネマトゥデイ