キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第216回:映画『アクアマン 失われた王国』感想と考察

今回は現在公開中の映画『アクアマン 失われた王国』について語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

DCコミックスのヒーロー アクアマンを主人公とした2018年公開の『アクアマン』の続編。2013年の『マン・オブ・スティール』から始まったDCEUと呼ばれた一大ユニバースの終章だそうで、今後はジェームズ・ガンの下で新たなフランチャイズが公開されるようです。『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021年公開)やドラマシリーズ『ピースメイカー』の評判が良かったのかな?確かにどっちも面白かったけど。

海底王国 アトランティスの王として従事する傍ら子育てに奮闘するアクアマンことアーサー・カーリー(ジェイソン・モモア)。二足の草鞋にヘトヘトな毎日を送る中、アクアマンへの復讐を誓うブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)が南極の氷河に封印されていた邪悪な古代兵器を発見。それは海洋世界のみならず地上世界への脅威となっていく。

監督はジェームズ・ワン。映画監督の中にはホラーやサスペンス、大作系アクションに至るまでどんなジャンルでも上手くまとめるエリート職人監督が存在します。ジャウム・コレット=セラとかイーライ・ロスとかね。その代表格といっても過言でないでしょう。「SAW」や「死霊館」シリーズを生み出し、ワイルドスピードや本作のようなアメコミ映画も手掛けています。『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021年公開)も面白かったですもんね。そういえば「インシディアス」シリーズの最終章ってどうなった?

主演はジェイソン・モモア。代表作といえばこの「アクアマン」シリーズになるかと思いますが、『バレット』(2012年公開)でスタローンと斧ファイトしてたのも印象深い。また前作では主人公の敵として登場したパトリック・ウィルソンも続投。ワン監督作品ではお馴染みですが、『トマホーク ガンマンVS食人族』(2015年公開)が傑作っすね。攫われた奥さんを救おうと松葉杖で頑張ってました。さらに科学者役のランドール・パークという方。どっかで観た気がしたので調べてみると『アントマン&ワスプ』(2018年公開)を始めとしたMCU作品にも出演していました。2大アメコミフランチャイズの掛け持ちって儲かりそう。

陽キャ王の敵は温暖化?

前作同様、持ち前の筋肉とノリの良い勢いで物事を解決していく陽キャな王様が描かれます。そこに今回は兄弟バディ路線がプラス。どことなく2017年公開の『マイティ・ソー バトルロイヤル』(「バトルロイヤル」って言うとMCUファンに怒られるやつ?「Ragnarok」かw)っぽさの強い既視感ある内容でしたが、それ以上に決して勢いだけじゃ解決には至らない問題がテーマになっていると思いました。

今作でネックとなるのが、古代文明の遺産なわりにハイテクな兵器を動かすための資源です。具体的な名前は忘れましたが、燃やすと温室効果ガスをバンバン排出。それにどうも廃棄するにも色々問題があるらしく、まるで化石燃料原子力の悪いとこどりの物質なのです。そんな資源を存分に利用して世界の覇権を奪おうってのが今回のヴィランの魂胆なわけです。昨今脱炭素に向けたムーブメントが起きており、近くEUじゃガソリン車が禁止なるとか。その脱炭素の代替として原子力に頼るのってのもチェルノービリや福島の事例から考えると煮え切らない。自然エネルギーだけでは到底賄え切れない経済規模を回すにはどうするか?は国際的な問題ですね。そんな資源と温暖化の問題に正面きって挑もうとする指導者が今の世界に求められているヒーロー像なのかもしれません。

まとめ

以上が私の見解です。

ちょっと頭でっかちな事を考えながら観てしまいましたが、そんな事はほっといても純粋に楽しめるライド感のある作品だと思いました。
ただ矛バトルが少ないせいかワン監督らしいキレキレカメラワークがありません。それにさかなクンが羨むであろう海洋生物たちと会話出来る能力の発揮シーンも少ない。ってな感じで主役のキャラスペックがいまいち活かされていない印象を受けたのは残念な点でした。

そういえばアンバー・ハード。ジョニデとの死闘の影響で出演シーンがごっそりカットされたなんて話もありましたがおやっ?結構出てるじゃん。寧ろどこをカットしたんだと思うほど物語に違和感がありませんでした。やっぱりこういうとこでしょ、監督の器用さって。トラブルに見舞われても安心安全の品質保証、こう言っちゃ悪いけど日本にもこんな映画監督が沢山居たら安泰よ。

ということこの辺でお開きです。ありがとうございました。