キャプテン・シネマの奮闘記

映画についてを独断と偏見で語る超自己満足ブログです

第180回:映画『クリード 過去の逆襲』感想と考察

今回は現在公開中の映画『クリード 過去の逆襲』を語っていこうと思います。毎度のことながら、ややネタバレ注意です。

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↑このポスター画像、好きだわ。

イントロダクション

スポーツ映画の金字塔「ロッキー」シリーズの流れを組む映画「クリード」シリーズの3作目。

ロッキーの良きライバルであるアポロの息子アドニスクリード(マイケル・B・ジョーダン)は、世界チャンピオンの座から引退しプロモーターとして活動し始めていた。そんな彼の前に刑務所から出所した幼なじみのデイム(ジョナサン・メジャース)が現れる。2人はかつて家族同然の仲だったが、デイムはアドニスのある過ちによって18年間の服役を強いられていた。封印された過去にケリを付けるべく二人の戦いのゴングが鳴り響く。

監督&主演を務めるのはマイケル・B・ジョーダン。長編初監督作、そして本作のプロモーションで初来日をしたそうです。日本のアニメーション、特に『NARUTO ‐ナルト‐』好きで有名なので、仕事とはいえめちゃくちゃ日本を満喫したんじゃないかな。

そして今回のライバルとなる相手を演じるのがジョナサン・メジャース。今後のMCUのシリーズにおいてキーパーソンとなってくる役を演じていますが、DV疑惑でトラブっているようで。真相がどうなのか分かりませんが、ディズニーはその辺厳しいからね。ちょっとどうなるか、雲行きが怪しいです。その他テッサ・トンプソン(2019年公開『メン・イン・ブラック:インターナショナル』)やフロリアンムンテアヌ(2021年公開『シャン・チー/テン・リングスの伝説』)など過去シリーズのキャラも集結ですが、シルベスター・スタローンの姿はありません。なんで出てないんだろう。

過去は逆襲してくるが…

「過去の逆襲」とあるように、文字通り過去の過ちが足を引っ張ってくる内容となっています。まぁ言ってしまえばスターの挫折もの映画。シリーズを重ねれば必ず主人公が遭遇する事ですが、挫折の度合いは正直そこまで悲惨なものには見えませんでした。全てを失う感じではなかったし、これだとテンションにそれほど熱は帯びません。やっぱり「下がって上がる」より「上がってアガる」の方が胸アツですし、下がるんだったらとことん墜落してもらわないと。

なのでアドニス視点で観る微妙な本作ですが、逆にムショ上がり中年差し掛かりボクサー デイムの視点で観た方が盛り上がれると思います。刑務所でクサいメシを喰わされる前からの夢 “ボクシングで世界チャンピオンになる”を叶えるための一世一代の博打。肉体的/立場的な16年のブランクを埋める為には決して手段を選びません。例えそれが昔の親友が相手だったとしても…。こうしたがめつさ、貪欲さを糧に這い上がっていくのがスポ根映画の醍醐味だと思います。 そんなデイムを演じたジョナサン・メジャースの演技はとても良かったと思います。魂を抜かれたような空虚な目をする時もあれば狡猾な獣の目をする時も。色々と揉めていますが何とか頑張ってほしいなぁ。

がしかし、やはりスタローンの不在は大き過ぎたか。いつまでもスタローン頼みなのも良くはないかもしれませんが、全体的にぽっかり穴が空いて重厚感が無くなった気もしました。だからなのか会話シーンでの顔のアップが多く、顔圧で重厚感を出そうしているように見えました。う~ん、ベテランの存在感って大事だ。

まとめ

以上が私の見解です。

何だかクサしてばっかりになってしまいましたが、アクションシーンは非常に素晴らしいです。IMAXカメラでの撮影が初のスポーツ映画らしいのですが、その映像表現としても音響表現としてもクオリティが高いです。空を裂く拳と共に響く唸り声、思わず固唾を飲んで見てしまう迫真さです。残念なのがこれをIMAX上映している映画館が少ないという事。私が調べた際には都内だと池袋と品川ぐらいだったかと。そもそもTOHOシネマズであんまり上映自体してないっぽいし。いやまぁ売れる映画を流すのも大事だけどさぁー、IMAX撮影の映画はちゃんとIMAXで上映してくれー。

ちなみにエンドクレジット後の短編アニメには特にコメントありません。あまりに突飛すぎて頭の回転が追いつかなかったので。

というわけでこの辺でお開きです。ありがとうございました。